酒の席で韓国人と話が弾むと、友人・知人を語る際に「俺の友人で◯◯大学を出た奴が・・・・・」と学歴から始まることがある。
この場合の◯◯大学はソウル大学、高麗大学、延世大学に限られる。これらの大学はその頭文字を合わせて「SKY」と呼ばれ、まさに韓国人にとってはトップクラスの大学だ。
日本の東京大学、早稻田大学、慶応大学「東早慶」以上のエリートといってもいいだろう。韓国ではSKY=勝ち組の証であるため、それが敵わない者にとってはそういう人間と知り合いだということが自慢になる。
それほどSKY学歴への信仰は篤い。
この原点は朝鮮王朝時代の科挙制度にある。科挙とは高麗・朝鮮王朝時代に実施されていた官吏登用試験(科目は儒教の習熟度のみ)のことで、これに合格して官僚になり権力と財力を手にすることが男子の本懐、家門の誉れといわれた。
この価値観は現代まで続き、官僚だけでなく大学教授、弁護士を目指しSKY学歴を得ることが本人はもちろん、家族、知人の切実な願いになっている。
ところが大学進学率が80%に達する現在では、かって神話にもなった、高校生が弁当2,3食持って早朝の補習から夜10時過ぎまで図書館で自習する程度ではSKYへの道は遠い。
現に、いまは早々に学校などの公教育を見切って、塾や家庭教師といった私教育に望みを託す風潮が深化している。
かっての科挙は、貴族階級の両班が独占した歴史がある。サムスンや現代グループで働くビジネスマンの多くはSKY出身で、こういった難関を知力と財力で潜り抜けた精鋭なのだ。
韓国の大学受験は科挙と言ってもいいのではないだろうか。