たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

夕焼けと満月?

2018年08月26日 19時55分26秒 | 暮らしの記録

当地 今日も 最高気温 37℃前後の 猛暑日でした。
要熱中症注意、後期高齢者とて、不要不急の出歩きはしない方が良さそう・・
ということで 1日中 グテグテ、
エアコン、扇風機を 点けたり、消したり、
それでも ちょこっと動くと汗が・・・、
夕方になっても いっこうに 涼しくなりません。

夕日に染まる積乱雲

満月?

 

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杉本苑子著 「冬の蝉」

2018年08月26日 14時22分01秒 | 読書記

図書館から借りていた、杉本苑子著、「冬の蝉」(上)(下)(大活字本)を、読み終えた。短編時代小説8篇が収められている書だ。いずれも、史実の裏付けがされ、時代背景や風俗、登場人物の暮らしぶり等が目に浮かぶように描かれた作品ばかりだ。

               

「墓石を打つ女」
直参旗本内藤新五左衛門と隣りに引っ越してきた公儀お匙医棚橋祐庵、その内儀百瀬との異常な葛藤から始まるが 実は 新五左衛門の無類の弟 大八と 大八の恋仲志津の実家 新設されて内藤新宿の旅館野沢屋と 百瀬の実家である信濃屋の争いが絡み合う。強引に宿場を我が物にしてしまった信濃屋を許すことが出来ない新五左衛門は 弟の首を刎ね、直参を返上、公儀に訴え 内藤新宿廃駅を実現させた。76歳まで公儀が約定を違えぬよう生きて見張ったが 死後 内藤新宿は復活した。その墓の前に一人の老女が立ち、憎々しげに 墓を杖で打ち続けた。かっての棚橋家の内儀 百瀬の変わり果てた姿だった。

「菜摘ます児」
葛西のお狩り場に近い通り筋でささやかな茶店を営む「お花」のもとに 突然 鷹狩途中の将軍家治が厠を借りに立ち寄ったことから 「お花」の運命が 幸運から悲運へ、大きく変わってしまう。

「礼に来た幽霊」
芝神明前の地本問屋泉屋市兵衛が 妻が難産で取り込み中、金を無心する脅迫状が届いた。金を受け取りにきた犯人は簡単に捕えられるが 背後関係を追及中 牢死。市兵衛が妻の身を気遣う様子、牢死した犯人の老母を想う心境、最後に 悲惨な場面を垣間見ることになるが 幽霊らしき老母は出現、金の礼にきたんだ・・と 安堵する人情物になっている。

「冬の蝉」
小姓組組頭山田十太夫と同役の井上正在を対比させ、上司の番頭高木信房に対する 両者の奉公ぶりをテーマにしている。箪笥に入れておくと着物が増えるといわれる蝉の抜け殻を見つけに行った十太夫の娘佐喜が 野良犬に襲われたところを 通りすがりの侍に助けられ 恋こがれていたが 井上正在が自分の息子正賢の嫁に佐喜を・・と 縁談を持ち掛けたところから 正賢こそが 佐喜が恋こがれていた侍だったことが分り ハッピーエンドの物語。

「ゆずり葉の井戸」
上野広小路の老舗菓子司 金沢丹後は 小豆の精製に上質な水が欠かせないが 斜め向いの本阿弥家の「ゆずり葉の井戸」から水を得ていた。物語は 正月 本阿弥家」に歌ガルタ遊びに招かれていた 金沢丹後の主人 お志摩の妹、お美濃が 本阿弥家の一人息子に手ごめにされかかったところから始まる。両家の関係が悪化、殺傷事件まで発展、店は窮地に陥る。自前の井戸を掘る決意に及ぶものの難航。最終的には 良水が噴き出し成功。枯渇してしまった本阿弥家とも和解し 分け与えることになる。

「嫦娥」
直参の武士でありながら三弦弾奏の名手の原武太夫が 中秋の名月の夜、嫦娥(じょうが)のような絶世の美女 千瀬に魅せられるところから物語が始まる。将軍吉宗の嫡男長福丸家重が住んでいる小菅の御殿から呼び出しが掛かり 三味線「置く露」で まんまる月夜を弾き終わり 上段の御簾が捲き上がると そこに なんと家重の側室となった 千瀬が座っていた。
それを機に 三弦と縁を切ったこと等は 原武太夫自筆「断弦余論」に記されているようだ。お千瀬ノ方については 「徳川幕府家譜」に ご三郷の一人 清水中納言重好を生み、晩年は 安祥院殿と号した等と 書かれているようだ。

「仇討ち心中」
吉原の遊女 小牡丹は 婚約者だった谷村慎吾に兄を討たれた水無瀬静江、たまたま娼楼から路上にたたずむ兄の仇 谷村慎吾を見つけ 古参武士にいじめられていた彼を 顔を立てる手助けしながら 一方で その礼に 彼の命を求め 無理心中するという痛ましい顛末の物語。仇討ちが美徳とされていた時代、愛しながらも 死によって決着をつけなければならなかったということだ。

「仲蔵とその母」
高名な長唄うたいの中山小十郎とその妻お俊の家にもらわれた万蔵、紆余曲折の半生を送った後、本来名門の出でなければ出世が望めない歌舞伎界で 名優中村仲蔵になっていく一代記。義母 お俊の目を通して描かれている。

 

 

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