ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

海外奪取

2007年09月19日 | その他
最近、このブログで「フィリピン人ボクサーの活躍は凄い」という
ような話を度々しているが、専門誌「ボクシングマガジン」でも
同様の特集記事があった。

その記事の中で驚いたのは、フィリピンの歴代世界王者28人のうち、
何と25人までが海外での王座奪取である、ということだ。

日本では、「海外で世界タイトルを取るのは難しい」というのが
定説になっている。事実、日本のジム所属の世界王者57名のうち、
海外奪取を果たしたのは、西城正三、柴田国明(2度)、大熊正二、
上原康恒、三原正、平仲明信、オルズベク・ナザロフ、ホルヘ・
リナレスの8名だけである。キルギスタン出身のナザロフ、
ベネズエラ出身のリナレスを除けば6人。

経済的理由により、なかなか自国で世界戦を開催できないなどの
違いもあり、単純には比較できないものの、やはり逞しいと
言わざるを得ない。


国外で試合を行うとなると、まず長旅の疲れや環境の変化と
いったデメリットが出てくる。これが敵地ともなれば、
大小さまざまな不手際や嫌がらせが頻発するとも聞く。
これらを乗り越えての勝利は、大きな自信となるだろう。

よく「日本の選手は温室栽培」と揶揄されるが、このところ
海外で試合を行う選手が少なからずいる。主にグリーンツダジムの
選手たちがタイやフィリピンで戦ったり、タイや韓国のランキングに
入った選手
もいる。また、敵地で前世界王者をKOした松田直樹
殊勲も記憶に新しい。それに加え、かねてより本場アメリカでの試合を
希望している現役世界王者、長谷川穂積の動向も気になるところだ。

「フィリピンに続け」というわけではないが、広く世界で
活躍する日本人ボクサーが増えつつある現状は、何だか
頼もしく思える。