自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
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山田悠介『スイッチを押すとき』

2005-11-01 18:32:34 | 小説

山田悠介 『スイッチを押すとき』文芸社
 日本の未来、少子高齢化の仲、
若者の自殺が絶えない状況の下、
日本政府はプロジェクトを開始した。
5歳の子供を無作為に選定し、
手術により装置を心臓に取り付け、
スイッチを押すことで停止する。その子は
5年後に世間から隔絶され監禁状態の中で
心理状態を研究するというプロジェクトだった。
主人公は監視員として国に選定され、
死ぬしかない運命の子供の監視をし続けるも、
横浜の研究所に移され、7年間スイッチを押さ
ずに行き続けている4人の子供に出会う。
そして四人と深い仲になり、悲しい運命を持った
彼らの願いをなんとかかなえようと必死で自分
なりの努力をする。しかし、彼らも生きつづける
希望を失うとスイッチを押していく。
 最後には悲しく驚くような展開が待っていた。
最後に残った女の子には兄がおり、なんと
それは主人公の監視員であり、国から選定
されスイッチを持った運命の子だったのだ。


遺伝子の研究が進むとどんなことが可能になるのだろうか。
そんなことを考えた。ジョージ・オーイェルの『1984年』、
オルダス・ハックスレーの『すばらしい新世界』のような
世界がくるのもそう遠くはないような気がする。

こうしたことを人間が希求せざるをえないのも遺伝子の
仕業か。


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