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264話)遺跡の修復

 大同でも、その周辺でも、遺跡の修復や復元がさかんです。とくに目立つのが城壁や城門。多くは明代に修建されたもので、大きな灰色のレンガが張られていたようです。しかし長い年月のあいだに付近の住民がそのレンガを持ち帰り、家屋や塀をつくってしまいました。残ったのは黄土の壁だけ。だんだんと風化がすすみます。  観光開発にどこも力をいれているんですね。古城や堡塁は重要な資源ですから、見逃すことはありません。 . . . 本文を読む
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249話)カササギ

 ロバではなく、その背中に止まっているものをみてください。カササギです。カラスのなかまですが、ちょっと小振りで、黒と白とのバランスがきれい。黒といったのは、じつは濡れ羽色で、光線のぐあいによって、青や緑が混じります。  農村でもカササギは愛されます。カササギがくるといいことがあるとか、カササギが朝鳴くといいお客がくるとか、伝えられています。私たちの実験林場に「カササギの森」の愛称をつけたのも、そ . . . 本文を読む
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247話)紅石崖

 きっかけはGoogle Earthでした。大同市南部ではいくつも自然林をみましたが、北部には少ないのです。なんとかみつけて、そこの植生を知りたいもの。探しているうちに、写真が張りつけられているのをみつけました。「紅石崖風景区」とあります。「野生森林」というのもあります。采涼山の稜線の近く。大同県と新栄区の境界付近です。  地図にも載っていて、地元では有名なところのようです。新栄区からのアクセスが . . . 本文を読む
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242話)続々・清明節

 緑の地球ネットワークのワーキングツアーを4月2日夜に見送って、3日は大同県・陽高県・新栄区を駆け足で回りました。それぞれに見たいところがあったからです。私たちの顧問の遠田宏さん、前中久行さんがごいっしょ。  最後の新栄区で、見たくない光景にであってしまいました。国道208号線を、大同にむかって南下してくると、道路の西側で、マツの造林地が黒くなっています。山火事のよう。あわてて、くるまを停めました . . . 本文を読む
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240話)清明節

 ことしは4月4日が清明節です。中国ではこの日に先祖のお墓参りをします。昨年から3日間の連休になりました。  林業関係者はものすごく緊張します。中国の農村では、お墓参りに火をつかうからです。春の雨は油より貴重だ、というくらい、この時期は雨がありません。そして風がつよい。ものすごく乾燥しています。  以前は、燃えるものがありませんでした。せいぜいで枯れ草。この20年あまり、植林に力をいれ、成果が目に . . . 本文を読む
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239話)上北泉村

 霊丘県上北泉村に、私がはじめていったのは1994年の秋でした。そしてここでの協力プロジェクトは1996年からはじまりました。ですからもう13年目にはいっています。  私たちのボランティアツアーが訪れると、村の入口にこどもたちがならび、「ホワンイン・ホワンイン・ルーリエホワンイン!」(歓迎・歓迎・熱烈歓迎)と叫びながら、手を振ってくれます。そして、村の女性たちが、きれいに着飾って、秧歌(ヤンゴー) . . . 本文を読む
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238話)落ち葉

 私たちの緑化協力プロジェクトのなかで、もっともユニークなのは霊丘自然植物園でしょう。植物園といっても、みなさんがイメージされるのとはちがいますよ。ここをスタートさせたのは1999年4月でしたから、ちょうど10年前です。そのころ、ここははげ山でした。はげ山に植物園なんて名前をつけるんですからね。  86haの一山の100年間の使用権を確保しました。そして周囲の村と協定し、ここでは柴刈りや放牧をしな . . . 本文を読む
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237話)華厳寺の再建工事

 泊まっているホテルの窓から、上・下の華厳寺がみえます。その周囲で大工事がはじまっています。以前はさえぎる建物があったのですが、去年の夏から取り壊しがはじまりました。地元の人の話では、大同の広場の南にある郵電局などをさらに取り壊すそうです。それにあわせて、いくつもの堂宇を新しく建てています。もちろん木造建築。  そのスピードがすさまじいんですね。レンガ建ての建物の取り壊しがはじまったのは、去年の夏 . . . 本文を読む
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229話)深刻な干ばつ

 昨年のいまごろ中国南部は雪害が深刻でした。ことしは北部が歴史的な大干ばつです。昨年11月いらいの降水量が平年の10分1で、「30年に1度」とか「50年に1度」とかいわれます。しかも中国最大の穀倉地帯がすっぽり覆われました。被害を受ける耕地は1000万haということで、これは日本の耕地の2倍以上です。400万人が飲み水に困り、200万頭の家畜も影響を受けるとか。  私が通う大同は「10年のうち9年 . . . 本文を読む
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222話)黄金色

 チャイナカラーといえば、赤と黄でしょう。黄のなかには、ピカピカの黄金色がもちろんはいります。まもなく迎える春節(旧正月)に、家々の門に飾りつける対連も、赤地に黄ピカの文字が基本で、そのつぎが赤地に墨の文字でしょう。街の飾りでも、この2色が圧倒的ですね。  私にとって好きな取り合わせではありませんけど、あの黄金色、だんだんと気にならなくなりました。農民があの色がすきな理由がわかってきたからです。五 . . . 本文を読む
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216話)大寨再訪(3)

 30年ぶりに大寨をみたのですが、変化したのは大寨そのものだけでなく、私のイメージにも大きな変化があったのを感じます。  まずは、農民の英雄的奮闘と考えていたものが、じつは自然の大破壊でもあったこと。環境問題に関心をもつようになったせいで、視座が変わったのです。  つぎに、私のイメージの大寨は、過酷な自然環境のなかでの、人びとの刻苦奮闘だったんですね。それはそのとおりですが、大同の農村と長くつきあ . . . 本文を読む
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215話)大寨再訪(2)

 ほぼ30年ぶりに大寨を訪れたのですが、以前の記憶とつながりません。いちばん大きな変化は、緑いっぱいになっていること。村の背後にある虎頭山は、いつのまにか森林公園になっていました。ガイドの女性によると、1991年から「退耕還林」をはじめ、100種類ほどの樹木が育っているそうです。  退耕還林が政策として実施されたのは2000年だったと思います。全国に先駆けてはじめたんですね。まあ、こんなことができ . . . 本文を読む
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214話)大寨再訪(1)

 第205話で、大寨に触れました。毛沢東の大号令で、中国農村のモデルとされた村です。書いたことが心理の底で働いたのかもしれません。寒波のために大同での活動がむずかしくなって、山西省中部に移動したとき、大寨を再訪してみよう、という気持ちがわき起こりました。  私が大寨を訪れたのは1973年が最初で、最後は1979年ごろ、あいだでもう1~2回いっていますが、時期ははっきりしません。現地で2泊はしました . . . 本文を読む
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206話)大同火山群

 大同火山群  北京→大同の国内線の飛行機に、そもそもカメラを持ち込んだのは、この写真を撮りたかったからです。大同火山群。といっても、写真に写っているのは1つだけ。周囲に十を上回る小さな火山が集中しています。世界でもめずらしいそう。  地元としては、これを観光開発に利用したいのです。しかし、それはどうかな? 地上でみるかぎり、ちょっとした小山がならんでいるだけ。火を噴いたり、煙をあげたりしていれば . . . 本文を読む
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205話)空からの黄土高原

 私が最初に黄土高原を目にしたのは、北京から西安にむかう飛行機の窓からでした。眼下の山や丘陵に、地図のように等高線がはいっているんですね。そのときは、それがなんであるか、わかりませんでした。1970年代前半のことです。  現地に立って、その疑問が解けました。「耕して天に至る」段々畑だったんですね。「農業は大寨に学べ!」という毛沢東の大号令で有名になった大寨を訪れたのもそのころ。土壌浸食を軽減するた . . . 本文を読む
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