229話)深刻な干ばつ

 昨年のいまごろ中国南部は雪害が深刻でした。ことしは北部が歴史的な大干ばつです。昨年11月いらいの降水量が平年の10分1で、「30年に1度」とか「50年に1度」とかいわれます。しかも中国最大の穀倉地帯がすっぽり覆われました。被害を受ける耕地は1000万haということで、これは日本の耕地の2倍以上です。400万人が飲み水に困り、200万頭の家畜も影響を受けるとか。
 私が通う大同は「10年のうち9年は干ばつ」といわれるくらいで、干ばつはめずらしくありません。問い合わせると、やはり雨も雪もなく、そのうえ高温で、ここ数日は最高気温12度、最低気温-2度だそう。いまごろはもともと雨は降りませんし、畑に作物はないので、影響は大きくないでしょう。でも、これからどうなるか、とても心配です。
 今回の干ばつに対して、中国政府は河南省の被災現地に温家宝総理を派遣し、最高レベルの1級旱魃対策を打ち出しました。1949年の建国いらい初めてのことだそう。それくらい危機感をもっているんですね。
 たとえば河南省は、人口約1億の中国最大の農業省で、小麦の生産高は全国の4分の1もあるそう。雨が降らないために、枯れているものもあるとか(写真)。日本にとってもひとごとではありませんよ。中国の穀物輸入量がふえたりすれば、ただでさえ緊張している国際市場。穀物価格が急騰することはまちがいありません。
 心配になって、中国の友人に電話をかけると、北京では11日になってちょっとだけ雨が降り、西安でも降ったそう。多くは人工降雨のようです。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 228話)カササ... 230話)かわい... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。