はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ピコピコ少年

2009-11-21 12:04:27 | マンガ
ピコピコ少年
押切 蓮介
太田出版

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 生まれて初めてやったゲームはゲームウォッチのドンキーコングだった。幼少時代、ボタンを押すと画面のキャラが動くことに感動を覚え、親に取り上げられ隠されるまでゲームをプレイし続けた。小学一年……俺のゲームに対する執着心はすごかった。俺はこの時からゲーム脳だった。

「ピコピコ少年」押切蓮介

 ゲームウォッチ、ファミコン、ディスクシステム、ゲームボーイ、スーファミ、PCエンジンCDロムロム、PCエンジンGT、ネオジオ、メガドラ、サターン……ゲーム黄金期真っ只中を駆け抜けた良太少年は、勉強もスポーツも恋もできなかった。あるのはゲームに対する執着のみ。俺はこんなにゲームが大好きで、ばかばかりやっていた! というある意味潔い作品。
 僕も最初のゲームはゲームウォッチのミッキーマウスだったので、大体同世代なのかな。だからというか、良太少年の気持ちも背景もよくわかる。あの頃は当然お金なんてなくって、お年玉や親へのおねだり以外でゲーム機を買うなんてのは途轍もない難事だった。だから本当はPCエンジンが欲しいけどPCエンジンシャトルでいいかと妥協してしまうあたりもリアルに実感できる。
 その後のアーケードゲーマーな時代もやっぱり同じく体験した。ドラゴンバスターやイーアルカンフー(トンファー使いが強いんだ)にいくらお金を費やしたかは考えたくもない。ストリートファイターに代表される対戦ゲームの登場も隆盛も、実際に目にしてきた。良太少年のような中学同士の抗争なんかはなかったし、ゲーセンにいる不良もわりかし優しい人ばかりだったけど。
 最初から最後まで、本当にゲームのことしか書かれていない。しかも昔のゲームばかりに触れているって構成は、その世代の人にとってはたまらないものがある。最後にちょっとしんみりさせてくれたりもする。独特の腹黒メンタルや、悪魔のような絵のタッチもあって万人向けとはいいがたいものの、この人の表現する女の子ってなんか可愛いし、ゲームの歴史を辿る意味でも一読の価値は十分にある。

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