6000-ロクセン 1 (バーズコミックス) | |
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幻冬舎 |
「6000(1)」小池ノクト
中国企業・上海巨星に買収された江古田工機の技術屋・健吾は、同じく上海巨星に雇われの身となった先輩・壇崎が先行して入っている仕事に参加するため、フィリピン海の海上プラットフォームを訪れた。そこには上海巨星の高圧的な上司・温がいた。
ろくに仕事内容も告げられずに6000メートル下にある巨大深海プラント「コフディーヌ」へと連れて行かれた健吾は、道中首元から出血して意識不明の壇崎とすれ違い、さらに多くの信じられないものを見ることになる。その信じられないものとは……。
日本と中国の巨大企業の思惑とか、高圧的な上司とか、仲良くなれそうもない同僚とか、怪しげな行動ばかりの女とか、原因不明の事故で30数名の作業員が全滅した謎とか、3年もたっているのに今なお「何か」が巣食っているコフディーヌの謎とか、舞台設定の作りこみが重厚で、すんごい面白い。
この1巻では相手の影くらいしか見えないけど、もったいつけてる感がいかにもホラーって感じで良い。血どばー内臓ぐちゃー、ジェットコースターアクショーンってのもたしかに良いけど、ホラーはやっぱり雰囲気が大事だ。助けの来ない深海で圧壊の恐怖に怯えながらのパニックホラーなんて、最高じゃないか。
さらに特筆すべきは主人公属する管理業者の方々の施設に対する視点のリアルさ。自分たちのいる施設そのものに対するシビアな認識が、それ故の現状への違和感が、不気味さの相乗効果を起こしていて怖い。これは期待できそう。
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