ピノッキオ、ディズニー映画では馴染みあるものの本当の話しを知ったのは初めて。
映画評ではダークファンタジー。
でも、観ての印象は憎めないピノッキオとキリスト教の世界観の“救い”と”再生““復活”の世界。
不思議な、でも、素敵な映画
本屋大賞受賞作
そのために、原作に馴染んだ人達からは世界観が違う、と賛否両論。
全く、原作に触れずに観ると本当に素敵な映画。
”他者(血の繫がらない子供)への無償の献身“
それがとある事情により、人として、あるいは母として、父として接する人間愛を描いた映画。
永野芽郁さんは、つい最近のテレビドラマの“ハコヅメ”でのホンワカとした、単に”可愛らしい“だけの女の子とは全く違う、表情豊かな素敵な演技。石原さとみさんは、お人形さん的な美しさというよりも、なにか“陰のある””秘め事のある“美しさを演じたらより美しさも。
そして、悪人がひとりもいない、素敵な映画。
ただ、宣伝文句は“泣ける映画”でしたが、涙は流れてきませんでした。
とはいえ、清々しい映画。
京都の芸術大学を舞台にした漫画の映画化。
若い人違いの多様な感性を京都の素晴らしい風景をバックに新鮮に描かれています。特に現代音楽ということで、研ぎ澄まされた感性がより強く訴えてきます。
音楽は人の生き様と同じく、人と人との繋がりで成り立つこと、その中でのわだかまりの和解。
若い俳優さん達の清々しい群像劇。結構、年配のお客さん達も多かった素敵な映画
愛知県知多半島中央部にある半田市のケーブルテレビ制作作品の映画化。愛知県限定の映画。
半田市というと昔から交易の盛んで、昔から多くの船が行き来してそこから多くの富を築いてきました。また、醸造所が多く、世界的に有名な“酢”の企業、ミツカンが有名です。また、歴史的には多くの富、醸造文化が融合してビール会社も作られました。今はありませんが、後のアサヒビール、サッポロビールの全身が半田の”カブトビール“。その一方で、31台の山車(だし)があり夏にはどこかで山車をひいてお祭りをしている、という場所。中には山車を海の中に入れるお祭りも、また、お祭りのあとに山車の車輪を海中の泥に埋めて翌年掘り起こす、そんな風習のある山車もあります。さらにそれぞれの山車にはからくり人形などのからくりもあり工芸品としても見事。
とはいえ中々それぞれの地域のお祭りとして長年の伝統のあるお祭りも、それぞれ独立心が強く、中々連携していませんでした。当時、伝統のある半田市も色々とまとまりもなく、なんとか纏まろうと、その象徴として半田市内の31台の山車を集めて山車祭りを開こうとしした若い人達の苦労話を。出演者は殆ど素人さん、地元の人たち。
演技そのものは堅苦しさ、そしてオーバーな演技となんとなく学芸会的なものもありますが、やはり当時の熱意は、感じられてとても面白い映画。
会社に入社して研修期間後に最初に配属された工場がこの半田市(と隣の武豊町にまたがって)にあり、非常に馴染みが。そして、第二回目の半田山車祭りに触れられました。見上げるように大きく工芸的な31台の山車が並ぶその光景の凄さに圧倒されたのは40年近くたった今でも鮮明に覚えています。愛知県限定の映画ですが、素敵な映画。
そういえば21:00からのレイトショーでしたが数組の家族連れが。そして皆さん、スクリーンを指さして“あれ!””知っている!“と。皆さん地元の人達。ひとつの記録映画として。
自閉症の子供(と言ってもかなり歳をとっていますが)と親、そして引っ越してきた隣人とそれを取り囲む町内の人達。
ただでさえ、健常者からみればハンディを持ったと思われる人達は中々、周囲には理解されないことはよく見られると。この映画もその現代的な問題を提起していますが、隣人の子供のちょっとしたことから大きな騒ぎに、でも、その真相が明らかになるとちょっとした変化も。
映画は変化を描かず、それが単純なハッピーエンドとならず希望もたせる終わり方に。
加賀まりこさんの凜とした、強い、でも優しさも持ち合わせた強い女性を。素敵です。そしてドランクドラゴンの塚地武雅さんも、なんともいえず素晴らしいです。
深刻な題材ですが、でも、色々と考えさせられる、映画でした。