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広く浅く

今後はhttps://taic02.hatenablog.jp/で更新します

オオケタデ

2013-09-22 23:02:59 | 動物・植物
すっかり秋らしくなり、シュウカイドウ、シュウメイギク、ハナトラノオなど秋の花々が咲き始めた。
秋に咲くの野草の1つに「イヌタデ」がある。その名の通り、ヤナギタデ(いわゆる蓼)、ミズヒキ、ソバなどと同じタデ科の植物。
イヌタデ
淡いピンク色の小さくてかわいらしい花で、ちょっと花瓶に活けたり、絵の題材にされたりして親しまれている。花を赤飯に見立てて「赤まんま」と呼ぶこともある。
町中でわりと見られる植物であり、環境への適応力もあるようで、種子が飛んで繁殖して「雑草」扱いもされている。


数年前、イヌタデをでっかくしたような植物が存在するのを知った。
草丈は人の背丈ほど。花はイヌタデを派手にした感じ
葉や花の付き方は異なるものの、見るからにイヌタデの仲間。「巨大赤まんま」と呼びたくなる。
イヌタデの園芸品種か何かだろうかと思って調べると、正体が分かった。
通町にて。垂れ下がるように咲く
イヌタデと同属ながら、別種で「オオケタデ」という植物だった。
大きくて、毛が生えているタデ(イヌタデ)だから「大毛蓼」という、味気ない和名。(大紅蓼=オオベニタデという別名もある)
熱帯アジア原産で、元は薬用として日本に入って広まった帰化植物。雑草化しているものもあるが、観賞用に栽培もされる。

バスの回数券を使って、イヌタデとオオケタデの花の大きさの比較。
 イヌタデとオオケタデ

オオケタデは、秋田市内では通町の商店街や泉のハミングロードで見事に咲いている。それぞれの地元の皆さんによって、施肥など手入れをされているようだ。他にも民家の庭などでもたまに見かける。
泉にて
一年草だというが、毎年同じ場所で咲いている所もある。こぼれ種なのか、種を採って翌年に蒔いているのだろうか。

「大毛蓼」なんていう名だと、もじゃもじゃ毛が生えた「剛毛」の植物かと思ってしまうけど…
 イヌタデとオオケタデ
イヌタデは茎の途中はツルツルしているが、葉の付け根には長めの毛がある。イネ科「芒(ぼう、のぎ)」のように、花の先端にもある。
オオケタデは、茎にまんべんなく毛が生えているけれど、長くはなく「剛毛」って感じではない。(個体差もあるかもしれない)
植物の大きさからして「大」はともかく、この程度で「毛蓼」と呼ばれてはちょっとかわいそう。

同じ色のダリア(左下)と咲き競う

秋空の下、ナナカマドも色付き始めた

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熟したカーテン

2013-08-18 20:58:04 | 動物・植物
エコブームと東日本大震災後の節電の影響で、「緑のカーテン」が流行している。
2011年に記事にしたように、植物を育てるのだからそれなりの技術や手間がかかるし、それだったらスダレでも吊るしておけばいいような気がして、流行に乗って猫も杓子も緑のカーテンというのは安易に感じる。
立派な緑のカーテン
秋田市中心部に、てっぺんまでまんべんなく生長した、見事なゴーヤの緑のカーテンのカーテンがあった。
その場所は、
西武秋田店
西武秋田店東側壁面のぽぽろーど側出入口のそば。
(広大な壁面に対して)小さい窓が1つだけあり、そこを覆うように緑のカーテンが設置されていた。窓の内側ではブラインドが下りているので、緑のカーテンの効果はさほどなさそうだけど。

プランター9台をびっしりと並べ、そこに密に苗が植わっている。丁寧に世話をしているのだろう。
上のほうへ目を向けると、
オレンジ色がちらほら
果実が肥大し、熟してオレンジ色になったものがたくさん下がっている。数日前には、下に落ちている果実もあった。
熟すとヘチマくらいに大きくなるのか
ゴーヤが緑のカーテンに選ばれる理由として、育てやすいことのほか、果実を収穫して楽しめることがあると思われる。
しかし、こういう企業では、実った果実をどうするか困って持て余してしまうこともあるのだろう。まさか西武の地階で売るわけにもいかないし。(社員で分けて食べちゃえばよさそうですが…)
だからといって、熟して自然に落ちるまでならせておくのも、いただけない。果実の生長に養分を回した分、植物体が消耗してしまってつるの生長が遅れ、(まだ充分につるが伸びていない段階では)緑のカーテンの完成が遅れてしまうおそれがある。熟した果実が腐ったり虫が寄ってきたりもしそう。あるいはお客様の頭に腐りかけのゴーヤが落下してベチャッとつぶれてしまうかもしれない。

アサガオとか別の種を植えることを選択するべきだったように思えてしまう。

【8月29日追記】西武の緑のカーテンは、8月29日に撤去された。秋田市はかなり涼しくなったとはいえ、ゴーヤはまだ青々と茂り、オレンジ色の果実が下がっていたのだけど。



ところで、先日、千秋トンネル内の照明がほとんど消灯され、歩行者としては危険な場合もあり得る可能性を指摘した。いちおう、秋田市には、もうちょっとなんとかしたほうがいいのではないかと伝えておいた。
17日に再び通ってみると。
前より明るい
以前は完全に消灯していた部分でも、1つおきに点灯していた。上の写真で、オレンジ色の部分と影の部分が等間隔で繰り返されているのが分かる。
この明るさなら、歩行者としても問題なく、安心できる。
要望を聞いてくれたのか、あるいは土曜日は国が呼びかけている節電の対象日でないからかもしれないけれど。
ただ、車は消灯以前のように、ヘッドライトを点灯せずに通ってしまうものが多くなってしまった。


トンネルの中は風が抜けて涼しく、出口に近づくと夏の光と蝉時雨が目と耳に飛び込んできた。
手形側。切り通しの区間でもちょっとだけ涼しさが味わえる


ここ1週間ほど、秋田県内の内陸などでは経験したことのない大雨で被害が出たり、西では気温が40度を越えたりとひどい気候だけど、秋田市はまあまあ。最高気温は連日30度前後、最低気温は25度前後で熱帯夜が3回。
暑さに不慣れな者としては、こんな程度でも、蒸し暑くてつらい毎日です。
コメント (4)
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スモークツリー/デンドロビウム

2013-06-24 23:00:31 | 動物・植物
秋田市内某所の道路に面した民家の塀から、路上にこんな植物がはみ出していた。
もくもく?
低い木で、綿ぼこりの塊のようなピンク色のものが付いている。

話には聞いていた「スモークツリー」に違いないと直感した。
綿ぼこりみたいなのは花が咲いた後に花の柄が伸びてできる「穂」状のもので、それを煙に例えて「スモークツリー」とはよく言ったものだ(煙よりは綿ぼこりにより近いと思うけど)。タンポポの綿毛のように、種を遠くへ飛ばすのが目的らしい。
別のお宅で、同じくらいの大きさの木に白っぽいような黄色っぽいような(ススキの穂みたいな色)スモークツリーが咲いているのを見かけたが、それが元々のスモークツリーの花色。赤系統の花は変種もしくは園芸品種のようだ。

ところで、当ブログで用いる動植物の種名は、原則として標準和名を記載することにしている。
じゃあ、「スモークツリー」の標準和名は何だろうと調べたが、分からない。別名としては「カスミノキ」「ケムリノキ」「ハグマノキ(ハグマ=白熊=ヤクの尾の毛のことだそうで、仏具などに使うらしい)」などがある。

この植物はウルシ科。あまりかぶれることはないらしいが、剪定時などは注意したほうがいいかもしれない。
ヨーロッパから中国原産。雌雄異株で、花穂がスモーク状になるのは雌株だけ。

スモークツリーの名は知っていたが、花の咲く時期に見かけなければ気付かなかった。時期的には、ヤマボウシの花が終わりかけ、アジサイが咲き始める頃に咲くということか。
スモークツリーは他のウルシ科植物と同様、紅葉がきれいだそう。



冬に、我が家でそれなりに管理していた鉢植えの蘭、シンビジウムが咲いた
ほかに「デンドロビウム」も1鉢あるのだけど、5年間ほど葉っぱが茂るだけだったのが、
咲いた!(現在はほぼ終わりました)
デンドロビウムの1つ「セッコク」が日本に自生するそうなので、ある程度(葉っぱだけが茂る程度)は育つのかもしれないが、花芽を作らせるようにするのは難しいらしい。

どうして今年花が咲いたのか。
シンビジウムの時も挙げたように、昨夏の猛暑とちょっといい肥料に変えたのが原因だろうか。
デンドロビウムは、夏から秋にかけての管理にコツがある(シンビジウムほど放ったらかしではいけない)ようなので、そこに気をつければ来年も咲いてくれるかも。

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花盛り

2013-06-01 21:07:22 | 動物・植物
もう梅雨に入った地域も多いけれど、秋田は今がいい季節。今日は27.9度まで上がったものの、からりとしてさほど暑くなかった。
そんな中、秋田市中心部に咲く、木の花を紹介します。
ツツジもきれいですが、以下、それ以外のものを
●藤
先日はキバナフジこと「キングサリ」を紹介しましたが、今回はほんとうのフジ(ノダフジ)。
以前紹介した通り、千秋公園でも野生の自生するフジはけっこうあるが、今年はこれが見事。
以前からフジが点在していた西側斜面。
和洋高校体育館付近から公園管理事務所への階段そば
写真だと分かりづらいかもしれないが、高い木に巻き付いててっぺんまで達し、無数の花が下がっている。
千秋トンネルの上付近
木々が生い茂って下からも上からも見えづらい場所に、ひっそりと咲くフジがあった。
街を見下ろして咲く

広小路へ回って、
穴門の堀
右が秋田県民会館、左が和洋高校。和洋の角には堀に面して大きなケヤキ【2025年5月24日訂正】イチョウがあるのは知っていたけれど、
 それにも見事なフジ
ここにフジがあったとは、今まで気付かなかった。
水面ぎりぎりにも咲く(ここが根元か?)

2017年の様子

●白い藤

千秋公園内の彌高(いやたか)神社。その駐車場と公園の通路の境に、
白いフジ!
フジとは別種である黄色いフジ=キングサリとは異なり、これは紫色のフジ(ノダフジかヤマフジ)と同じ種の色違い版(品種)だと思われるが、珍しい。
これは駐車場の柵にからまっていて、花を手に取ることもでき、いい香りがした。



●ベニバナトチノキ
トチノキの花も咲いている。秋田市民市場のトチノキは、昨年同様、咲いている木も付いている花も少ないようだ。
昨年発見した、サン・パティオ大町の「ベニバナトチノキ」は、
 
今年も見事に咲いている。

さて、サンパティオには、ベニバナトチノキのほかにも珍しい樹木が植えられている。
上の写真の通り、ベニバナトチノキのほかに2種類の木が目に付く。1つは、葉っぱが黄色っぽい木(この種は不明)、もう1つは…↓

●なんじゃもんじゃ
右側の木に注目
白い花が咲いている。
独特の形の花だけど、純白できれい

おそらく、モクセイ科ヒトツバタゴ属の「ヒトツバタゴ」という木。
モクセイ科トネリコ属の「トネリコ(バットの材料)」は「タゴ」と呼ばれ、それに似ていて葉っぱが単葉(トネリコは複葉)なので「一つ葉タゴ」なのだそう。

花弁(花びら)は、細長く4つに分かれている。(「4枚」ではなく、1つの花弁が4つに裂けている)

ヒトツバタゴは自生地は東海地方周辺などに限られるが、大木になり、花が咲くと雪が積もったように真っ白になるという。
そして、別名として「なんじゃもんじゃの木」と呼ばれることがあるそうだ。
ただし、地域によって異なる複数の種に対して「なんじゃもんじゃの木」と呼んでいて、ハルニレをそう呼ぶところもある。神聖視される木だったり、独特の姿だったり大きな木をそう呼ぶことが多いそうだ。
そんな木がサンパティオにあったとは。


毎回同じ感想だけど、いろんな植物があって、身近なところで知らず知らずにそれを目にしているものだ。
コメント (2)
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新屋の黄色い花

2013-05-29 23:20:55 | 動物・植物
秋田市南西部・新屋(あらや)地区に咲く、黄色い花を2つ。
まずは、以前も紹介した西部工業団地の菜の花。
工業団地の一角にある秋田市上下水道局の土地約6000平方メートルを活用して、NPO法人「秋田菜の花ネットワーク」と工業団地内の企業の親睦会「雄渾会」が植えている。

場所はJR新屋駅の北東。大川端帯状近隣公園から歩行者用地下道で線路を潜って反対側に出た所の道路沿いに、細長く菜の花が植えられている(一直線ではない)。
ちょうど見頃だった
以前よりは密に植えられたのか、あるいは背が伸びてちょうどいい具合だったのか、なかなかよかった。
電車と菜の花
菜の花を囲む道路は幅が狭く歩道がない上、菜の花で見通しが悪い箇所もある。周辺の企業へ出入りする車がけっこう通るため、歩行・通行の際はご注意を!


昨年気付いたのだけど、今の時期の新屋ではもう1つ「黄色い花」が咲く。
房状の黄色い花
場所はJR新屋駅からすぐ、秋田市西部市民サービスセンターと更地になった秋田銀行新屋駅前支店の間にある、新屋駅前郵便局。
屋根より高い木
窓と駐車場の間の小さな植え込みに地植えされている木の花。
見上げる
花の形と咲く時期がフジやニセアカシアなどに似ているので、その仲間(マメ科)だろう。マメ科には黄色い花も少なくない。
特徴的なのは、葉っぱ。「三出複葉」と呼ばれる、小さい葉3枚1組で1つの大きな葉を構成するタイプでフジなどとは違う。

この植物は「キングサリ(金鎖)」。あまり情報がないけれど、マメ科キングサリ属だろうか。
別名としてフジに似た黄色い花ということで「キバナフジ」(ただしフジと属は異なる)、学名から「ラバーナム」と呼ばれることもあるようだ。
ヨーロッパ原産の落葉樹で、寒さに強い。ニセアカシアなどと同じく、有毒。
【31日追記】一部の図鑑やサイトでは、キバナフジの別名として「キンレンカ(金蓮花)」を挙げているものがある。しかし、標準和名の「キンレンカ」はノウゼンハレン科の一年草で、食用(花をサラダの飾りにする等)。木と草、有毒と食用と大きく違うわけだから、キングサリに対してキンレンカの呼び名は使うべきではないと思う。

黄色いフジのような花の存在は知っていたけれど、見るのは初めて。思ったよりどぎつくなく、優しい黄色で、柔らかそうな葉との組み合わせがさわやか。
木の高さからすれば最近植えた木ではなさそう。新屋駅前郵便局はいわゆる旧・特定郵便局だろうから、局長さんあたりが大事に育てているキングサリなのかもしれない。

【2017年5月26日追記】その後、注意してみていると、民家の庭や鉢植えで、キングサリをちらほら見かける。花に間近で接する機会があったが、フジの花のような香りはなく、無臭だった。

【2018年5月14日追記】この後、2018年5月も、新屋駅前郵便局のキングサリはきれいに咲いた。ただし、その少し前のどこかで局舎の外壁かなにかの工事が行われたのか、低い位置まで切られてしまい、ほんの数房が咲く程度。もとに戻るまで数年かかりそう。

※別の藤の話はこちら
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白い桜/大きい榎

2013-05-25 23:10:04 | 動物・植物
ツツジが咲き、木々の緑が濃くなりつつある秋田の木から2題。
●白い桜(ちょっと古い話題です)
ソメイヨシノが散った頃、千秋公園の西斜面北側に真っ白な木が1本あるのに気付いた。コブシの花も白く見えるが、それよりも白い。
左側
位置的には千秋矢留町や保戸野方面から見えることになるが、家並みに遮られて見られる場所は少ない。

現地へ行ってみると、市立明徳小学校裏側へ上る階段のところだった。
 
遠くから見たよりは、小さく感じた。

今年のソメイヨシノよりはびっしりと花が付いてる?
山桜の1種ではあるかと思うが、こんな真っ白な桜は初めて見た。わりと大きな花。
風が強くて乱れています
「カスミザクラ」だろうか。
花が咲いた木を遠くから見ると、霞のように見えることから名付けられたそうだが、たしかにそう見える。

なお、カスミザクラと近縁で、桜餅の葉っぱや、いくつかの桜の園芸品種の親である「オオシマザクラ」かもしれない(葉の毛の有無で識別するそうだが、よく分からなかった)が、だとすれば秋田には自生しないので人為的に植えられたことになる。
何度か取り上げているように、千秋公園西側は公園としての整備の手はあまり入っていない。そんな場所ならではの、美しい桜だった。

2015年の様子
※周辺の白い桜については、こちらこちら八重桜並木に混ざって咲くものも。
秋の紅葉もきれい


●大きいエノキ
昨年取り上げた、「エノキ」の木。秋田ではあまり多くないと思う。
今春、秋田市内のエノキを見てみると、芽吹きは遅い。同じニレ科(属は別)のケヤキやハルニレの葉は若草色から濃い緑色になりつつある中、エノキはまだ枝が見えている。

ネムノキやムクゲ、あとハンノキもそのようだけど、エノキも芽吹きが遅い木の1つと言えそう。
エノキは落葉は早い。つまり、葉っぱが茂っている期間=光合成して生長できる期間は他の木より短い。どことなく照葉樹っぽい趣もあるし、本来は暖地向きであまり秋田の気候に適していないのかもしれない。

昨年記事にした時、コメントで土崎の「寺小山公園」という所にもエノキがあると教えていただいた。
秋田市環境部環境保全課が、2001年度に市民から募った情報などから作成した「秋田市木かげマップ」にも掲載されていて、「土崎港中央7丁目寺子山のエノキ(原文ママ)」となっている。
また、秋田県教育庁生涯学習課文化財保護室の「秋田県遺跡地図情報」によれば、木がある付近は「寺小山」という縄文時代の遺跡になっている。
そして、このエノキは秋田市の保存樹に指定されており、指定時の1989年3月20日付広報あきた1130号では、「土崎港中央七丁目にあるエノキ(秋田市所有)」で「安東氏が築城のおり、この地を見張り台として使用した時に植えたといわれている。樹高7.3メートル、幹周2.4メートル。」とある。土崎を治めていた安東氏の築城時期は正確には分かっていないようだが、西暦1400~1500年代頃のことらしく、言い伝え通りなら相当の樹齢になる。
線路沿いから見る夕暮れの寺小山。中央右がエノキ
奥羽本線の線路から見える、ちょっと小高い場所にきれいな形の木があるのは知っていたが、それがそういう場所で、そういう木だとは知らなかった。エノキでなく桜だと思い込んでいた(隣に数本のソメイヨシノがある)。

そんな由緒ある木だと分かったからには、行ってみることにした。
土崎駅から歩いて行かれる距離ではあるが、入り組んだ複雑な場所。奥まっていて周囲から隔絶された場所にも感じるけれど、線路から見えるし周りには民家もある。なんとも不思議な空間だ。
秋田市の都市公園にあるものに似た標柱が立ってはいるが、取れてしまったのか文字はない。秋田市の都市公園のリストにもこの場所は出ていない。途中の道は草ぼうぼうだけど、エノキの周りはしっかりした遊具や水道があり、掃除やきれいなユキヤナギの生け垣など日頃から手入れされている形跡もある。そんな意味でも不思議な場所。

場所についてはこのぐらいにして、エノキを観察。
5月5日。ユキヤナギに囲まれ、手前はサクラが見頃だけど、エノキは枝だけ

現在。若葉が茂る
他のエノキでも感じたけれど、枝ぶりはどことなくケヤキっぽくもあるが、より細かいのが特徴的か。さらにこのエノキは、縦よりも横方向に悠々と枝を広げた姿(これがエノキ本来の樹冠なのか)が美しく、秋田では珍しい形の木。
日立の「この木なんの木」シリーズに出てくる木に見えなくもない。(日立の樹としてはネムノキの仲間が有名だが、かつては別の木が登場したこともあった)

よく見ると、
葉が出たばかりで開き切っていない
さらによく見ると、
花殻
ケヤキやハルニレと同じく、芽吹きと同時に花が咲くらしい。
【26日追記】エノキは1本の木の中で性別の違う花を咲き分ける「雌雄異花」だけど、少し変わっているらしい。雄花と雌花でなく「雄花」と「両性花」が咲くという(こういう咲き方の植物は他にもたまにある。ケヤキは雄花・雌花・両性花の3つが咲く?)。
たしかに、このエノキにも花殻が2タイプあった。


堂々とした幹
やはり相当の樹齢なのかもしれない。湊町・土崎の町の変遷を見届けてきたわけだ。

エノキはこれからさらに緑が濃くなりそう。

一説には、横に広い樹冠のエノキが夏に広い木陰を作ることから「榎」という漢字になり、その目的で旅人の休憩所として一里塚に植えられたのだとか。
寺小山は海風が吹き抜けそうだし、地面は草。夏に涼む場所として好適地かもしれない。

黄葉のようす

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雪柳

2013-05-15 23:17:58 | 動物・植物
ソメイヨシノはあっけなく終わってしまったので、例年以上に他の花に目が向いてしまうのかもしれない。その1つが、バラ科シモツケ属の落葉低木「ユキヤナギ」。
ヤナギの仲間ではなく、白い花が房状に連なって咲くさまを「雪柳」と形容したもの。「コゴメバナ」と呼ばれることもあり、これは小さくて白い花弁を米粒に例えて「小米花」のようだ。

ユキヤナギは日本原産だそうだが、自生地は関東(宮城という話も)以西。
秋田では自生しないが、耐寒性は強く、細かくてしなやかな枝が積雪にも耐えるので、秋田でも庭先によく植えられている。
今年も、ソメイヨシノが咲いているのと同時期に、白い花が目に付くようになった。見頃は数週間ほど続くようで、今は終わりかけている。

僕はユキヤナギといえば民家の庭木としてこんもりと植えられているイメージしかなかったが、生け垣にも使われるという。ということは、今の時期は生け垣が白くなっているはず。

秋田市内の農村部(仁井田、外旭川、飯島)を回ってみた。
※それぞれのお宅や土地の生け垣を勝手に撮影させてもらいました。この場を借りてお礼申し上げます。
水辺のユキヤナギ
仁井田の大野地区では、ユキヤナギの垣根が地域固有の風景として知られているそうだ。
ここかな
咲き方や光線の状況でうまく撮れなかったが、カーブした道の両側にユキヤナギが連なっていた。
ユキヤナギの向こうに太平山

保存樹「大野のえのき」はまだ芽吹き前(他のエノキも同様)

ユキヤナギの道を大野線がやって来た
大野線にも小田急中古のノンステップバスが入っていた。写真はエルガミオではいちばん最近来た「976」で、大型のエルガ「977」と連番。


飯島にて

松林の中なのが飯島らしい
キジに会ったのもここでした。

ちなみに、元垣根だったのが放置されたらしいのが、
これ?
ユキヤナギはいろいろな環境に適応して、旺盛に生育するようだ。


外旭川にて

長い房。このお宅は特に見事だった

花がないと区別しづらいとはいえ、こんなにも生け垣にユキヤナギが使われていたのかと驚いた。
農家の家や耕作地を囲うように植えられているのが多く、農地が新しい家やアパートに転用されても、生け垣は残っているような場所もあった。
紹介したのはどこも見事な咲きぶりのユキヤナギだったけど、中にはほとんど花を付けなかったり、花の房が短いのものあった。剪定の時期や栄養状態のせいだろうか。枝をきれいに切り揃える生け垣において、のびのびと花を咲かせようとするのは相反することであり、両立させるのは難しいかもしれない。

ユキヤナギは葉っぱも小さくてかわいらしいし、赤く紅葉するのも美しいので、別の季節にも注目したい。

※ユキヤナギの2016年の別のユキヤナギの記事
2023年の別のユキヤナギの記事
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田んぼのウミネコ/キジ

2013-05-14 23:53:50 | 動物・植物
5月10日から16日まで「愛鳥週間」ということで、秋田市内で見かけた鳥2題。
仁井田地区の田んぼ
太平山の雪もだいぶ減った。昨年4月末と同じくらい。
やっと田植えが始まってきたようだけど、撮影時はまだで、水が張られていたのも一部だけ。

南東方向に目を向けると、
ひときわ雪が残る山並み。電車は奥羽本線
奥羽山脈本体の山のどれかかと思うが、秋田駒ヶ岳とか?

その雪山を背にした水を張った田んぼの中に、鳥が下りていた。
ウミネコだ
ウミネコは秋田市中心部に来ることがあるが、それは海が荒れた日が多く、何羽かまとまって来る。
天気のいい日の田んぼに、1羽だけ来るのは初めて見た。なんか場違いだけど、目的は、
やはり餌探し?
ウミネコは魚でもかっぱえびせんでも虫でも食べる雑食性だから、田んぼに来ても食べ物にありつけるらしい。
最近は、水田の減農薬により、内陸で繁殖するウミネコも出ているそうだ。

別の田んぼにはおなじみのアオサギが1羽来ていた。
人がいて代かき作業をしているすぐ後ろに、白くて小さいサギがたくさんいることがあるが、この時はいなかった。


向こうには、JR東日本の秋田車両センターがある。
ウミネコと583系電車
ちなみに583系電車。上の写真では走っているのではなく、センター内の所定の位置に留置されているもの。
ここ数日は、秋田駅の留置線に移動している。例年、この時期に見られる現象で、乗務員の訓練か何かのようだ。



秋田市では、ちょっと郊外へ行けばキジに出会える
飯島地区にて。
乙女椿とヒメオドリコソウ(かな)と雄のキジ
車は警戒していたが、人には比較的無関心。
順光できれいに撮れた

離れた草むらがガサガサした。
雌のキジもいた
キジトラという模様のネコがいるけど、たしかによく似ている。そして、それは自然の中では溶けこんで目立たないもんだ。
この後、雌キジはすたこらと走って雄キジのほうへ向かい、「ケーン」という鳴き声が聞こえた。(キジの雄は縄張り主張でよく鳴くそうだが、雌も鳴くとのこと)
コメント (3)
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シンビジウム2013

2013-01-12 18:09:19 | 動物・植物
昨年咲いた、我が家のシンビジウム。(記事をアップしたのは2月だったけど、咲いたのは今頃)
今年の状況。

昨年今頃はまだまだつぼみだった株は、
黄色い花が満開!
しかも、花茎が2本も出ているし、花が密に付いていて、いい感じ。
逆光ですみません


一方、昨年咲いているのを紹介した赤(茶)系統の株は、
まだつぼみ

2株の咲く順番が逆転した理由は分からないが、総じて昨シーズンより元気。
置き場所などの条件は変わっていないはずだが、早く咲いて元気な理由として2点考えられる。
まず、昨年の夏から秋にかけて、気温が高かったこと。生長して栄養を蓄え、早めに花芽を作れたのだろう。
そして、ちょっといい肥料に変えた(無機液体肥料→有機液体肥料。価格は倍だけど、1年以上持つ原液1本900円ほどだから大して高くもない)こと。葉の色つやは良くなったと感じていたが、花芽形成にも効果があるのだろう。


現在の置き場所は、1日中ストーブを点けている部屋ではなく、日当たりも充分ではないだろうから、元々丈夫なシンビジウムとはいえ、もう少しいい環境に置いてやりたいのだけど。(あまり暑い部屋だと、それもまたまずい)
そしてやっぱり、雪の中の今の時期に花を見ると、心がなごむ。

【2月8日追記】茶系統の花は、2月に入ってやっと開いた。
※別の蘭の話題はこちら

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冬の柳

2012-12-20 22:47:57 | 動物・植物
カテゴリーが違いますが、まずは、以前の記事の補足。
あさひタクシーの車種と車体色の組み合わせは、いろいろあることを紹介してきた。※前回の記事
その1つである「トヨタコンフォートの黒」の車両が同社ホームページに「小型タクシー(黒)」として掲載されているが、実物は見たことがなかった。
それをついに、
発見!
高級感はあるけれど、白いのと同様、行灯を見ないとあさひタクシーとは分からない。
一瞬、中型タクシー扱いになる、クラウンコンフォートかと思ってしまうが、前のエンブレムが王冠でなくトヨタのロゴなので、小型のコンフォートでいいのだろう。(同社にはクラウンの黒いタクシーもあるが、それには行灯がないようだ)
ホームページの写真の黒いコンフォートより、ナンバープレートが2番若い。ということは少なくとも3台は黒いのが存在するのか。
前ドアには、金色で何か(ロゴ?)が表示されているようだ。


次は、昨日の続きで、雪。
昨夜以降も雪が降り、今日11時には積雪32センチとなった。今の時期としては多い。
最高気温は2.6度で、時折日が差して、昨日よりは過ごしやすいものの、雪が融け気味で、歩行・車の通行はやや難あり。
いいお天気だけど、車道は凸凹の洗濯板状【23日追記】「そろばん道路」という形容もある
上の写真の場所(土手長町通りの一部)では、歩道は融雪装置が作動し、雪が消えて歩きやすい。本当に融雪装置はありがたい。
でも、融雪装置があるはずなのに、こんな所も…
竿燈大通りの交通公社前バス停付近
この歩道の融雪は、昨年末にも作動しておらず、その時は「現在点検中で、近日中に稼働します」という張り紙があって、たしかその後(今年初め)にはちゃんと雪が消えていたかと思う。
再掲)昨年末
それなのに、今はまた作動してないの?
点検とやらをしないと使えないの? ここは県道だが、市道や県道でも他の箇所では既に作動しているのに。

さらにその斜め向かい。
日本銀行秋田支店脇から秋田銀行大町支店にかけての歩道。
歩道が工事中で通れない
歩道で工事をしているので、車道1車線を塞いで、迂回歩道(兼工事スペース)としている。
ガスか何かのライフライン関係の工事っぽいが、いずれにせよ、いったん路面のブロックを全部剥がして、融雪装置もいじったようだ。
ここは数年前に融雪装置が更新されていて、その時にブロックをいったん剥がしてまた元に戻しているから、2度目のジグソーパズル作業か。
その工期がまた長い。
11月9日撮影
同じ場所でオリンピック並みの周期で工事をされるのは、あまりいい気がしない。
それに、雪が積もって歩きにくい・渋滞しやすい時期に、道を塞いで工事するのは、歩行者も車も迷惑。
ライフライン工事だとすれば道路管理者の秋田県だけではどうにもできないのかもしれないが、秋田では12月には雪が積もるのは常識なんだから、もうちょっと計画的にできないものだろうか。※続きの記事



前置きのほうが長いですが、ここから、カテゴリー通りに植物の話。
旭川沿いに柳(シダレヤナギ)並木が続く、土手長町通り。
二丁目橋付近
柳という植物の葉っぱは、見るからに落葉樹っぽく、実際に冬には葉が全部落ちて、春に芽吹く。
でも、柳が紅葉とか落葉する姿は記憶になかった。わりと秋遅くまで葉がついているし、いつの間にか葉がなくなっている感じ。

雪が降った今も、上の写真のように、木に葉は付いている。
ところが、路面を見ると…(ここは融雪が快調に作動)
 落ち葉がたくさん
柳の葉が緑のまま落ちていた。木に残っている葉も、早晩落ちるのだろう。

なるほど。柳はこんなに遅くまで葉が残っているのか。
季節の変化に合わせて時期が来て落ちたというより、雪や寒さに耐え切れなくなって、やむを得ず葉を落としたようにも見える。
シダレヤナギは中国原産で、元々日本には自生しない植物だそうだが、日本と原産地の気候が少し違って、対応し切れていないのかもしれない。
【21日追記】木に残っている葉をよく見たら、チリチリの枯れた状態で付いていた。「落葉しそこねた」ような状態。

そういえば、我が家のバラもまだ葉が付いているが、いつの間にか落葉しているのが恒例。植物の環境や気候への対応のしかたはさまざまだ。
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ポプラとニレのある学校

2012-11-18 23:01:26 | 動物・植物
秋田の話題ですが、まずは北海道のこと。「北海道らしい木」といえば、何を連想しますか?

エゾマツ、ライラック等々もあるが、「ポプラ(セイヨウハコヤナギなど)」と「ニレ(エルム)」も北海道のイメージがないでしょうか。
とはいえ、ライラックやポプラは外来種を栽培したもので北海道の自生種ではないし、本州以南でも普通に育つ木も多い。並木や観光地の木などが有名で、北海道が印象付けられてしまったこともあるのだろう。


秋田市内でも、ポプラはたまに見かける。
再掲)広面(ひろおもて)の市立城東中学校グラウンド
城東中は1979年開校だから、そんなに古い木ではなさそう。

県庁第二庁舎裏の「山王第一街区公園」
※山王第一街区公園は、隣の山王中学校がサブグラウンド的に使うこともあるが、秋田市公園課管轄の都市公園。

比較的古そうなポプラといえば、こちら。
右側奥
市立保戸野(ほどの)小学校のグラウンドにもポプラがある。
2本だけ
現在は、隅の方に2本しかないのだが、20年ほど前は、その並びにもっと本数があり、反対側にもあったはず。
手前はソメイヨシノだけど、昔はここにもポプラがあったはず
ポプラは根が浅く、特に年を経ると倒れやすいそうなので、強風で倒れたり、予防として伐られてしまったのかもしれない。(北大のポプラ並木でも問題になっていて、立入禁止にしたり、若い木に更新したりしている)

そんな保戸野小では、(今はどうか分からないが)児童の国語科の作品集を「学校文集『ポプラ』」という名称で発行していた。
「秋田大学附属図書館 北方教育資料コーナー目録」によれば、1960年に第7巻が出ているので、1954(昭和29)年から刊行されていた可能性がある。
つまり、ポプラは保戸野小のシンボルツリー的存在であったと言える。

【2018年4月4日追記】保戸野小にポプラが植えられた経緯について。
2018年春の保戸野地区の広報紙(?)に、「八丁(保戸野八丁)で起きた火災を教訓に植えられた」といった趣旨の一文があった。
調べると、1950年3月29日に、保戸野八丁から出火して82棟86世帯を全焼する火災があり、当時は「保戸野大火」とも呼ばれたとのこと。
その直後にポプラが植えられ、「文集ポプラ」が1954年頃から発刊されたとすると、辻褄は合う。

また、昔は保戸野地区に「ポプラ新町(しんまち)」という名称の町内会(町内子ども会?)があった。具体的にどこにあるのか、現在もあるのかは不明。(以上追記)


ところが、保戸野小には、別のかつ正式なシンボルツリーがある。
場所はグラウンドの反対、正門脇。バス通りの菊谷小路からも、一瞬見える。
この木(5月20日撮影)
3階建ての校舎と同じか少し高いくらいの落葉広葉樹。2本並んでいて、外から見て右側の木のほうが大きく、左の木はちょっと控えめ。
保戸野小はここに移転して124年経つそうだが、その頃、もしくはそれ以前からあったとしても、おかしくない風格の大木だ。根本は、校門の門柱よりも太そう。
したがって、校舎の壁画や時計塔(もどき)が、この木に隠れて、敷地外からはほとんど見えない。
【2013年12月19日追記】この保戸野小学校の敷地には、学校ができる前から「愛宕神社」があったらしい。(愛宕神社は1922年に近くの諏訪神社と合祀され、現在は諏訪愛宕神社=開校~合祀までは学校と神社が同居していたようだ)もしかすると、神社当時からあった木なのかもしれない。

歴史がありそうな門柱
この木を、学校では「ニレの木」と呼んでおり、「1985年の創立111周年の際、学校の木とした」旨を記した説明板が立っている。
実際に保戸野小では、児童会活動や学校行事などにおいて「ニレの木~」という名称を使っている。

ただし、制定以前の卒業生や保護者であった地域住民には、保戸野小にニレの木があること自体、印象になく、保戸野小といえばポプラを連想する人が少なくないようだ。
グラウンドのポプラは、明確にシンボルツリーと定義づけられていたわけではなかったし、ポプラが高齢化していることを考慮して、ニレの木をシンボルとしたのだろうか。


説明板には、ニレの木の別名が「ニレケヤキ」であるとも表記されている。
「ポプラ」もそうだが、「ニレ」というのはニレ科ニレ属の総称であって、特定の種名ではないので、「ニレ」という木(種)はない。ニレには20~45種があり、交雑種もあって、同定は難しいという。
北海道で「ニレ」と呼ばれるのは一般に「ハルニレ」という種。ほかに日本では「アキニレ」という種もある。
また、説明板にある「ニレケヤキ」はあまり一般的な呼称ではないようで、アキニレを盆栽にした時の呼び名のような感じがする。

アキニレは温かい地方に生育(自生は中部以南、植栽でも関東辺りまで【2020年12月16日訂正・山形県にも自生があり、植えれば秋田市でも育つようだ。この記事参照】)することや、葉っぱの感じなどからすれば、個人的には、保戸野小のニレはハルニレかそれに近い種ではないかと思う。
すなわち、北海道のニレとほぼ同じ木として差し支えないように考える。(何か情報をお持ちの方、お知らせください)
【2013年5月21日追記】秋田市環境部が作った「秋田市木かげマップ」では、この木を「ハルニレ」と断言している。やっぱりハルニレで間違いないだろう。
【2013年10月31日追記】札幌の北大植物園を訪れた(リンク先中ほど)ところ、この木はハルニレではなく「ノニレ」または「マンシュウニレ」と呼ばれる、ハルニレに近縁の別の種ではないかと感じた。とすれば、これは日本に自生しない中国大陸からの移入種なので、人為的に植えられたことになる。
芽が吹いてすぐ、こんなものが落ちていたのだけど、実?


ニレ科といえば、当ブログでは秋田市の木である「ケヤキ(ケヤキ属)」、秋田ではちょっと珍しい「エノキ(エノキ属)」を紹介している。
科と属の中間の「亜科」で分類する場合もあり、エノキ属は「エノキ亜科」、ケヤキ属とニレ属は「ニレ亜科」なので、ケヤキとニレはより近縁とも言える。

たしかに、保戸野小のニレは、ケヤキに似ている所が多い。
枝ぶりなど全体的には、ケヤキを繊細にしたような雰囲気。細かく見ると、葉はケヤキを若干丸っこくした感じ。幹だけはゴツゴツしていてケヤキとは違う。
ニレの木の葉と幹。結構大きい葉だ

樹形は、北海道によくあるニレや、ケヤキは丸いのに対し、保戸野小のニレは縦に長すぎる印象。これは広いとはいえない生育環境や人為的な剪定によって、横よりも縦方向によく伸びてしまった結果だろうか。
ケヤキでも似たような樹形の木が近くにあった。
竿燈大通りの當福寺のケヤキ


夏の夕日を受けるニレの木(8月21日)
落葉樹であるからには、紅葉する。
エノキの紅葉は見逃してしまったが、ニレの木は見ることができた。(芽生え・紅葉とも、ケヤキとほぼ同時期のようだ)
(11月5日)「黄葉」するのだった
風に徐々に葉を散らし(周辺住民の皆さんはお掃除が大変でしょう)たものの、意外にしぶとく木に残る葉も多かった。
(11月15日)だいぶ葉が減り、枝ぶりや背後の時計塔もどきが見えてきた
先週からの強風で、今頃はついにほとんどの葉が落ちてしまったはず。

来春の新入生が学校に慣れてきた頃、また新しい若葉を出すことだろう。
(5月1日)新芽が出てきた頃
138年の歴史がある保戸野小の卒業生は15370名。そのほとんどがここの場所の3世代(4世代?)の校舎に通い、(意識していなくても)ニレの木を見てきたはず。
ニレの木には、これからもずっと、保戸野小や周りの街を見守っていってほしい。


ところで、秋田には他にニレの木ってあるのだろうか?
ないわけはないはずなので、どなたかご存知であれば教えてください。
※秋田市にあるハルニレについてはこの記事中ほど
※2014年春に、ニレの枝切りが行われた(リンク先後半)
弘前公園に樹齢200年とされるハルニレがあった。
秋田市土崎にアキニレが植えられているのを発見。


最後にポプラに戻ります。
ポプラも黄葉する
ポプラは、下の葉から順番に落葉していくようだ。

ポプラは、葉が硬いためか、葉擦れの音が「さわさわ」といった特徴的な音。
ポプラはその学名「Populus」にちなむものだが、「震える」という意味で、葉が風にそよぐさまから付けられたそうだ。
久々にその音を聞いて、学名に納得すると同時に、子どもの頃聞いた音の記憶がよみがえった。

※保戸野小の別の木に関する記事
※ポプラのその後の記事(末尾)

■秋田市立学校に関する過去の記事■
学校名と東小の色似た校舎憧れの明徳小坂の途中の学校旭南学区は広い近い学校に通いたい)、南中と東中の校舎集合煙突最近の小学校校舎校内の家?/138周年、ポプラとニレのある学校(この記事)
※次の記事はこちら
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けやき通りのエノキ

2012-07-17 20:48:19 | 動物・植物
秋田市の八橋(やばせ)地区と川尻地区を結ぶ市道(「川尻総社線」というらしい)のうち、八橋の旧国道~秋田市消防庁舎前・八橋運動公園東側~市役所・県庁・裁判所の横~山王4・5・6丁目までの850メートルほどの区間は、中央分離帯のある広い道。
この区間は「けやき通り」と呼ばれる。
けやき通り南端(山王側)
秋田市が「市民に親しまれる道路愛称」として(市道以外の道も対象に)公募して決定しているもの(※以前の記事)で、けやき通りは1985年度の第2回で命名されている。
「市民に親しまれる道路愛称」で決定した名称の中には、秋田市民や道路利用者に必ずしも浸透しているとは言えないものもあるが、けやき通りは多くの人に認知されていて、周辺の店舗名に使われるなどしている。
とはいえ、このマンションは、
「朝日プラザ欅通」(正式には「朝日プラザエース【21日訂正】エザース欅通」らしい)
なんで「けやき」を漢字にしたんだろう。入居者は住所が書きづらい・覚えづらいでしょうね…


「けやき通り」の由来は、道の中央分離帯がケヤキ並木であるからだろう。
といっても、秋田市内では竿燈大通り(これも1995年に公募された名称)も同じようなケヤキ並木だし、他にもケヤキ並木の道路はいくつもあるのだけど。

実は、けやき通りには、ケヤキ以外の植物(樹木)もいくつか植えられている。
まず、車道と歩道の境にはプラタナス(モミジバスズカケノキ)が植えられている。

それから、中央分離帯のケヤキの間(特に「県庁西」交差点より南側に多い)には、また別の木(低木)が。それは、
アジサイ
※この記事のアジサイの写真は少し前に撮影したものもあります
セイヨウアジサイが多く、ガクアジサイが少しだけ(奥のほう)

セイヨウアジサイは花の色が微妙に異なるものも
6月下旬には草ぼうぼうでアジサイが埋もれたように見えたが、花に合わせたのか草刈り作業を行なってくれた。

アジサイは家庭の庭や公園ではおなじみの木だけど、街路樹それも中央分離帯にあるのは珍しいのではないだろうか。
アジサイという木は、暑さというか強い日射には弱いらしく、庭に植えているものも夏の炎天下では葉がぐったりしてしまう。中央分離帯のアジサイもぐったりしているのを見たことがある。(放置しても枯れてしまうわけではなく、夜に涼しくなると復活することが多い)
けやき通りのアジサイ


さて、最後の木。これは最近、存在を知った。
けやき通り北端(八橋の旧国道との交差点)
中央分離帯の木に注目。ずらりとケヤキが並んでいるわけだけど、実はいちばん端(写真手前・信号柱の後ろ)の1本だけはケヤキではなかった。
ケヤキに比べて小さい

木のそばに何やら標柱と看板が設置されている ※後ろは解体されたビル
分離帯上なので見に行くのは危険なのでズームしてみると、
「一里塚跡」 「八橋一里塚のえのき」立派な割にちょっと分かりにくい文面のような…
この木はエノキ(榎)だそうだ。

申し遅れましたが、このけやき通りと旧国道の交差点には「八橋一里塚」という名称(地点名)がついている。
旧国道は旧羽州街道であり、その一里塚がここにあったのだ。

一里塚は江戸時代に街道上の距離の目安として、1里(約3.9キロ)ごとに設置されていた塚。秋田市内には、牛島や土崎、追分などにもあったようだが、今となっては明確に場所が分かるのはここだけ(だと思う)。
その八橋の一里塚は、特に塚がそのまま残っているとか復元されているとかではなく、交差点名に名を留める程度だと思っていたけれど、このエノキも関係するようだ。

一里塚には木が植えられることがあり、それはエノキが多かったという。
きっと八橋の一里塚にもエノキがあったのだろう。
その当時を偲んで、けやき通りができた後に分離帯にエノキが1本だけ植えられたのだと思われる。
「秋田市緑化推進委員会」による看板設置は平成2(1990)年3月付。それにしても上の写真の通り、看板の文章の時系列がめちゃくちゃ(旅の旅程を示す目標として一里塚“跡”に植えられた?)で分かりづらい。

ちなみに、かつてはこの辺りに「八橋字一里塚」という地名があったそうだ。
1966年に高陽青柳町と高陽幸町、1982年に八橋本町(一、三、四丁目)の各一部となって、消滅している。



ところで、僕が秋田でエノキの木を意識して見たのは、これが2本目。
もう1つは昨年、仁井田大野で見た保存樹の「大野のえのき」。
秋田にはエノキの木はあまりないと思う。(でも、秋田には「榎さん(榎姓)」がそれなりにいらっしゃるけれど)

エノキはニレ科エノキ亜科エノキ属。
ケヤキはニレ科ニレ亜科ケヤキ属なので、そう遠縁でもないというところか。けやき通りのエノキは小さいけれど、本来はケヤキ並みの大木になる。
 
葉っぱを見ると、まずケヤキと違って光沢があるのに気付く。照葉樹っぽくて暖地の植物のようにも思える。
そして、ケヤキと比べてエノキのほうが葉が大きく、葉の縁のギザギザがないようだ。(本当は先端のほうにはギザギザがあるらしいが、ちょっと分からない)

エノキはきれいに黄葉するという。
秋に八橋一里塚交差点に来れば、ケヤキとエノキの美しい紅葉・黄葉のコラボレーションが見られるのかもしれない。
※いちおう、エノキの秋の様子
※秋田市内にある大きなエノキについて(リンク先後半)
※さらにその後の秋の様子

ケヤキに近縁で秋田ではあまり見ない木は、また別の種がありまして、それはまた後日
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日銀のユッカ

2012-06-25 23:06:17 | 動物・植物
冒頭の写真は、秋田市大町、竿燈大通り沿いの日本銀行秋田支店横で撮影。
日銀の正面玄関はニューシティ跡地隣の大町通り側で、竿燈大通り側を含む他の3方は高い塀で囲まれている。
二丁目橋方向を見る
その塀と大通りの歩道の間に、少し高くなった植え込みがある。岩が置いてあったりして普通の道路の植え込みとはちょっと違う趣で、区画整理事業完工記念碑が立っていたりもする。

その植え込みの中に、冒頭の写真のような植物があって、花が咲いていた。
とがってやや厚くて硬い葉っぱが放射状に出ていて、南国の植物っぽい。
サツキとともに咲く
秋田ではヤシ類など南方系の植物は、寒さと雪によって地植えで越冬することはまず無理。しかし、この植物は、かなり以前からここで育っている。冬には雪囲いがされるはず。
花を見るのも今回が初めてではないし、写真でも分かる通り、こんもりと繁茂していてそれなりに貫禄がある。


実は、子どもの頃、秋田市内の親戚の家の庭にも、同種と思われる植物が植えられていた。(今は枯れてしまってないはず)
とがった葉の先端は、触っただけでケガしそうで怖かったのと、葉の付き方がパイナップルの頭に似ていて「パイナップル」と呼んでいたのが思い出。

その後、これはパイナップルではないことを知り、「ユッカ」という植物だと認識していた。
でも、それはプリムラ、ポプラ、プラタナスなどと同様、総称であって、特定の種を指すものではない。ユッカはリュウゼツラン科ユッカ属の植物の総称。
「リュウゼツラン科」の他の属には、観葉植物としておなじみのものやテキーラの原料になる種があるが、いわゆる「蘭(ラン科)」とは別。サボテンとも違う。(ちなみにパイナップルはパイナップル科(別名アナナス科)なのでこれまた無関係)

ユッカ属には50種程度があり、どれも北~中央アメリカの熱帯・乾燥地域が原産。「青年の木」と呼ばれる「メキシコチモラン」も含まれる。
山と渓谷社「新 ヤマケイポケットガイド 庭木・街路樹」によれば、ユッカの中で、耐寒性の強い種が2つあるそうだ。それが「イトラン」と「アツバキミガヨラン」。
葉や花の形からすると、日銀横のユッカは「アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)」だと思われる。

アツバキミガヨランは北アメリカ原産の常緑低木で、日本で栽培すれば高さ2~3メートル、原産地では5メートルになるという。日本には明治中期に渡来。
地上部が枯れないからか、いちおう木の扱いなようだ。日銀横のは本体(花を除く)の高さは1メートルくらいだから、本来はもっと高くなる。
花は春と秋に咲くそうだ。秋の花は色が淡い紅紫色を帯びるのだとか。
実がなるには「ユッカガ」という蛾の媒介が必要で、日本にはそんな虫はいないから、結実しない。

原産地とはだいぶ異なる環境下でそれなりに元気に育ってしまっているのは、種本来の丈夫さ(耐寒性のほか“耐湿”性)と、東西南の3方が開けて日当たりがよく、雪囲いや北側の壁で風雪が緩和されているという条件の良さによるものだろうか。


僕はここにユッカがあることも、白い花が咲くことも知っていたけれど、咲く時期や花の細部は気に留めていなかった。
よく観察してみると、まず、花茎の高さに驚く。木本体よりも高い。
 
さらに、ひとつひとつの花も、大ぶりな釣鐘型で花弁の先端がとがったものが、密にぶら下がっていて、なかなかかわいらしい。
その色も、単なるクリーム色でなく、花弁の先端を中心に紫色の細かな点が入る。(秋に咲くのはこれがもっと多いということか?)
【26日追記】いい香りがしそうな花に見えたので、鼻を近づけてみたが、無臭だった。

先週後半の段階で、
散り始めていた
今日には、ほぼすべての花が散っていた。秋にまた咲いてくれるのかな?

【7月11日追記】国道13号線に架かる猿田川の橋(牛島交番そば)付近の堤防斜面に、ユッカが咲いていた。南東向き。
【8月4日追記】秋田市土崎南児童センター(土崎南小学校敷地北側)に何本かユッカが植えられており、数本に花殻が付いていた。
大町のみちのく銀行秋田支店前にもあった。

【2013年7月10日追記】翌年の6月には、日銀のユッカを見るのを忘れてしまっていた。7月10日に見ると、葉は前年同様元気に茂っていたが、花や花が咲いた痕跡らしきものは認められなかった。
※その後、秋に咲いた
※2016年7月に、秋田市内の複数の民家で、これと同種と思われるユッカが咲いていた。その頃、日銀のユッカは元気そうに葉が茂っているが、花は咲いていなかった。初夏か秋かどちらかに咲くということか。

【2015年5月23日追記】2015年5月下旬には、つぼみをつけた花茎が伸びていた。
【2017年7月15日追記】2017年初夏には日銀では咲かなかったが、6~7月にかけて市内の複数の民家の庭で咲いていた。

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シラン

2012-06-12 23:53:19 | 動物・植物
秋田では今、記事冒頭の写真の花が咲いている。
「この花、なあに?」
「しらん」
「知らんって、知らないの?」
「いや、しらん」
こんな風に、植物とダジャレが好きな人なら、1度はネタにしてしまうのが、この植物。

これは「シラン(紫蘭)」という植物。
その名の通り、紫色の花が咲くラン(ラン科シラン属)。縦の筋が目立つ、やや淡い緑色の葉も特徴。

日本に野生のものがあるそうだが、準絶滅危惧種になっているという。
一方で、ランは一般に素人が栽培するのは難しいが、シランはかなり容易。我が家の庭でもほぼ放ったらかしなのに、毎年咲く。
※栽培されるシランは、人為的に品種改良されたり、他の系統との交雑種であるものも多いはずなので、それをそのまま山に植えれば野生種の絶滅が解消されるというわけではない。


冒頭の写真の場所では、たくさんのシランが咲き乱れている。これほど多くのシランを見たのは初めて。
場所は、秋田市八橋運動公園球技場の前。
昔は「ラグビー場」といっていた施設で、おそらく2004年にメインスタンドの改修が行われた際、同時に道路際の一部が公園風に整備された時に新設されたと思われる、植え込みで咲いていた。
ケヤキの根元に一面のシラン
こんな所にこんな植物があったなんて。そういえば、夏に通った時、特徴的な葉っぱの植物だけど何だっけと思った記憶はあった。

個人的なイメージでは、シランは民家の庭先の日陰でひっそりと咲いているものだった。
ところが、球技場のシランによってそのイメージが覆された。

まず、日当たりのいい開けた場所で、グラウンドカバー的に植栽されるということ。
上記の通り、シランはとても丈夫な植物であり、日陰だろうが日向だろうが構わないようだ。
日向のシラン
花の咲く時期は短いが、比較的大きな葉っぱが地面を覆うように茂り、たしか秋には黄葉するので、雑草対策や景観のために使われるのだろう。

そしてもう1つ。
これもシラン
なんと白い花のシランもある。(むしろここでは紫よりも多いかもしれない)
僕はシランといえば紫だと思い込んでいた、白花の存在自体、知らなかった。
白いのに“紫”蘭とはヘンだけど、園芸品種としてけっこう売られているようだ。

白花も品があって美しい。どことなく、サギソウ(白花のランの一種)を連想させられる。
花が終わると茶色くなって目立ってしまうけれど
紫花と白花を、仕切りなどで物理的に区分して植えている部分もあるが、同じ区画の中に2色が植えられている所もあった。(冒頭の写真では、紫の中に白が少し混ざっている)
同じ種の植物の複数の系統を同じ場所で育てる場合、放っておくとどれか1つの系統だけが他を駆逐してしまうことがよくある。そうなっていないところを見ると、定期的に適切に管理されているのだろう。(不自然に地面が露出している部分もあったけど)
ケヤキと紫のシラン

先日紹介したトチノキもそうだけれど、画一的でないちょっと珍しい植物が植えられているのを見ると、設計者や発注者のセンスや好みなのかなと、うれしくなる。


最後に、秋田市役所前の花時計。※前回はこの記事後半
文字盤周辺に植えられている植物はパンジーで、変わっていない。
パンジーのさらに外側にある刈り込まれた木。何の木か気にしていなかったが、今、花が咲いている。
ちょっとまばらだけど(咲き始めだった模様)
何の花でしょう?
赤いサツキか!
なるほど。“秋田市の花”であるサツキだったのか。

ちなみに、前回触れたように、一般的な花時計は文字盤の下にも花を植えるようになっているのに、秋田市役所の花時計は、周辺にだけ花を植えて文字盤の真下は砂利敷きなのが珍しい。
先日、テレビで秋田県外のどこかの花時計の植え替えの模様が映っていた。これは文字盤の下も花壇になっている通常のタイプで、針を取り外して植え付け作業をしていた。(付けたままやると、何かのゲームのように針から身を交わしながら作業しないといけないものね)
秋田市の花時計は「使う苗の量を少なくできる」「植え替え作業時に針の着脱が不要」というメリットがあるようだ。
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市民市場の栃の木

2012-05-29 23:24:05 | 動物・植物
秋田駅からすぐのところにある、“市民の台所”こと秋田市民市場。2003年に新しい建物ができた。
南西角から。道路の向かい(写真左端)はNTT東日本
この交差点も、通町・菊谷小路の交差点と同じく、いつの間にかスクランブル式に変更された。
7月からは循環バスがここを走ることになる。

さて、市民市場前の建物に沿って(自転車置き場などがあり空間が開いている)、木が植えられている。
街路樹のように見えるが、歩道寄りの市場の敷地に植えられているので、市場側で植えたものらしい。
今まで、木があることは意識していたが、その樹種は気にも留めていなかった。よく見ると、
高さがでこぼこ?
2種類の木が1本ずつ交互に植えられていた。
そのうち、背が高いほうの木は…
なんか花が咲いてる
この木って…
※撮影時は風が強かったので、葉が乱れています
葉っぱの形、そして白い房状(円錐花序)の花。トチノキだ!

先日、これの仲間の西洋種をさらに改良した「ベニバナトチノキ」が大町のサン・パティオで咲いているのを2度に渡って紹介した(こちらこちら)が、その日本版(在来種)に当たる種だと思われる。
西洋種で白い花が咲く「セイヨウトチノキ(マロニエ)」は、もっと、もやもやっとした花のようなので、それではないと判断した。
 
花をよく見ると、花弁の一部に濃いピンクというか赤い点が入る。
ベニバナトチノキに比べると控えめだけど、これで虫の目を引くのだろう。


何本かトチノキがあるうち、上の写真のように盛大に花が咲いていたのは、実は1本だけ。
他はまったく花を付けていなかったか、1つ2つしか咲いていなかった。
花が1つだけ咲く木(横の信号機、音響式用のスピーカーの配線がやや雑ですな)
桃栗三年柿八年…というが、トチノキは花が咲くようになるまで、相当の年数を要するという。発芽後10年以上はかかり、20年近いという話もある。
ここのトチノキは、樹齢20年には達していないだろうから、やっと咲くような程度まで生長してきたということだろうか。

そういえば先日、とあるお宅の庭にトチノキが植えられているのを見つけたが、それは小さな木で花が咲いていなかったから、若い木なのだろう。
では、サンパティオのベニバナトチノキは、種が違うし、多少樹齢が進んでいるとはいえ、まだ小さいのにあんなにたくさん花が咲くのはなんでだという疑問も出てくる。あまり大きくならない(矮性)品種なのかもしれない。


トチノキは山に行けば生えているけれど、街中でも咲いていることを知った。
NTTのアンテナとトチノキの花

市民市場で栃の実が収穫できる日が来るかもしれない


最後に、市民市場前のトチノキでないほうの木。
小さくて丸っこい、ハート型のような葉がついていて、かわいらしい。「シナノキ(科の木)」のようだ。
こちらには、あまり目立たないつぼみが付いていた。
「苞(苞葉)」という細長い葉のようなものがつぼみの根元から出ている
身近なところにもいろんな木があるものです。

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