広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

ユッカ・タイル・横断@竿燈大通

2013-11-18 23:41:11 | 秋田の季節・風景
秋田市中心部の竿燈大通りでは、もはや“季節の風物詩”となった歩道のロードヒーティングの更新工事が行われている。今は中央部の南側付近で施工中。
そのため、通りづらいので敬遠していた間に、ちょっとした変化や発見があったので、紹介します。

●初冬のユッカ
以前紹介した、日本銀行秋田支店脇の植え込みにある「ユッカ」という植物(ユッカは総称。種名はアツバキミガヨランか?)。
春と秋に開花する植物だそうだが、2012年は6月に咲いて秋には咲かなかったようだ。
で、今、
咲いている!
やはり秋というか雪が降った後の初冬にも咲くのか。
今回も3本の茎で花が咲いているが、2012年のとは違う位置だし、各株の高さも違っていて、変化がないようでもちゃんと生長している。
以前見た花は、白に所々紫色の点が入っていて、秋に咲く花はさらに紫がかるというような情報もあったけれど、今咲いているのはむしろ紫色が少なくてより白い感じがした。
終わりつつあるケヤキやイチョウの紅葉とユッカの花の組み合わせが楽しめる。
 


●こんな所に懐かしのアレが
上の写真のユッカの近くに、「どーもくん」みたいな四角い物体が建っている。
「山王大通り完工記念」
昭和46年7月付で当時の小畑勇二郎秋田県知事の名が入る、記念碑。
現在、この通りは「竿燈大通り」と呼ばれていて、山王十字路以西が山王大通りと呼ばれているが、元々は竿燈大通りの区間も含めて山王大通りだった。※今も山王大通りに含める場合もあるが、当ブログでは竿燈大通りと呼んでいます。

記念碑では、完成区間が「862.8メートル」と記されており、それだと山王十字路以東の現在の竿燈大通り区間を指していることになる。(十字路以西は、それ以前から今の道幅だったらしい)
着工は昭和43年4月、12メートルを36メートルに拡幅したとのこと。

「茂りゆく けやき並木に 日はあふれ 朝夕の道 人さきくあれ 玲水」
という歌も刻まれている。元秋田魁新報社員で歌人・俳人の石田玲水(出身は八郎潟町一日市、1908~1979年?)という人によるもの。

記念碑の文面よりも注目したいのは、その脚。4本に分かれていて中央が空洞になっている、なんか不思議な造りだけど。
 何か見覚えが…
いずれもタイル張りで、外側は微妙に色が違う光沢のある茶系統の横長、内側はクリーム色の正方形の細かいものが使わている。

これって、竿燈大通り区間にある(あった)地下横断歩道(地下道)の、完成当初と同じタイルだ!
1995年に地下道がリニューアルされるまでは、地上部の外側が茶色、地上部内側や内部は正方形のタイルが使われていたはず。
再掲)現在も、新しいタイルの下に残っている
地下道とデザインを揃えたのか、地下道で余ったタイルを使ったのか。


●歩行者も渡れます
上の以前の記事のリンク先でも書いたように、竿燈大通り区間には5か所の地下横断歩道が造られた。地上に横断歩道は設けられず横断禁止。一部の交差点(=現在横断できる箇所よりは少なかった)には自転車横断帯が設けられた。
その後、1990年代に入ってからだろうか、自転車横断帯の一部が歩行者にも開放(横断歩道化)または横断歩道・歩行者信号機が新設され、さらに1か所の地下道が廃止されたこともあって、竿燈大通りを歩行者が横断するのは当たり前の光景になった。

現状では交差点6か所合わせて、自転車横断帯が4本、歩行者も渡れる横断歩道が5本設けられていた。
歩行者が横断できる箇所と自転車横断帯のままの箇所が混在しており、中には歩行者が自転車横断帯を渡ってしまうケースも見られる。※それで万一事故になれば、横断歩行者の過失を問われる可能性があり、面倒でも決められた横断歩道を渡るべきだと思うのですが。

ただ、どうしてこっちは自転車だけで、あっちは歩行者も渡れるように指定したのか、根拠が分からない箇所も多い。(場所によっては、青信号の時間や通行量から自転車だけにしたのかと推測できる所もある)ここまで開放したのなら、全部を歩行者が渡れるようにしてもいいようにも思っていた。


竿燈大通り中央部の交差点。昔は「大町西」交差点という名称だったのだが、表示板がなくなって幻となってしまった。(バス停や地下道の名称では残る)
ここは地下道があるためか、東西どちら側も歩行者は渡れず、自転車横断帯が設けられていた。
白線が薄れていますが、左右(東西)とも自転車横断帯
先週末、久しぶりに通ったら、
西側に横断歩道が!
羽後交通観光がある西側が、自転車横断帯から横断歩道に変更されていた。
 
白線が引き直され、信号機は車両用と同じ3灯のものから2灯の歩行者用に交換された。「カッコー」の「視覚障害者付加装置」いわゆる音響式信号も設置。

これによって、竿燈大通りは自転車横断帯3本、横断歩道6本になった。

どうして唐突にここが横断歩道化されたのかは分からない。【19日追記】自転車は車道通行を原則とする法改正を踏まえたのかもしれないが、だったら他の横断帯でも実施するはずだからここだけなのは不自然。
実は、この付近では数年前、夜間に横断歩道でない所を横断していた人が、車とぶつかって亡くなっている。街路樹や地下道の地上部に隠れて、見通しが良くはない場所でもある。地下道を通らなくても歩行者が安全に横断できるようにということだろうか。
さらに、昨年だったか地下道の中で自殺した方がいた。そのことを知ってしまった者としては、正直、千秋トンネルなどよりよっぽど通るのに気が引ける地下道であったから、落ち着いて横断できるようになったとも言える。
横断者も車も、よく見て気をつけて通行しましょう。


最後に、この交差点の信号機に注目。
左が今回設置された歩行者用信号機
もちろん、現在の主流である薄型・短いフードのLED式が設置された。既存の信号機と揃えた緑色のボディなのは感心(微妙に色合い・濃淡が異なるのは、誤差の範囲でしょう)。
銘板(プレート)を見ると、【21日訂正】↑上の写真は北側の柱。この↓プレートは、向かいの南側(羽後交通観光側の柱に設置)のものでした。
2013年11月 日本信号製
今月製造されたばかりのできたてホヤホヤ。長くとも出荷から2週間で設置されたことになり、けっこう迅速なもんだ。
製造番号が「K0000001」と妙にキリがいいのも気になる。(向かい側のもう1台は未確認。このボディカラーで1台目ってことだろうか??)【22日追記】北側の歩行者用は「K0000002」だった。
※製造番号についての考察はこの記事中ほど

同じ柱に付いている、東西方向の横断用の信号機は、LED式ながら電球式と同じ厚いボディ。竿燈大通りは、秋田市内(県内?)でいち早く、LED式信号機が本格設置された道路であった。
広小路、中央通りでも同時に設置され、それぞれの通りごとに異なるメーカーの製品を設置したようだ。ここは2003年7月 京三製作所製。
つまり、ちょうど10年の差がある

北側の信号機たち。歩行者用はやや設置位置が高すぎるような…
次に、自転車用。西側は撤去されたが、引き続き残る東側と同じものが設置されていた。
車両と同じサイズの製品でLED式だけど、点灯時にLEDの粒が見えず、消灯時は黒でなく白っぽい。「プロジェクター式」と呼ばれるタイプだと思う。
今はまったく製造されていないはずで、LED信号機黎明期の試験的要素の強い製品なんでしょう。

以前の南側の信号機たち
この交差点の南側(保戸野側から進む時に見る側)の信号機は、妙にいかつい。
この記事この記事などで紹介した、細かいルーバーによって信号機の色が見える角度を狭めた信号機(視覚制限灯器)。

大町西交差点とその北側の2つの交差点(通町・菊谷小路まで)が一直線に並んでいるため、通る車が先方の交差点の信号機を誤認して発進してしまうことに起因する事故が多発していた。その対策の1つとして、南進する車から大町西交差点の信号機が見えにくい(一定の距離に接近するまで見えない)ようにしたのだった。
北隣から南進するとこう見える。矢印が大町西交差点の信号機
秋田県警は、今は積極的に視覚制限灯器を設置しているが、ここがその走りだったのではないだろうか。そのためか車両用信号機は珍しく横型で設置されて、今もそのまま使われている。
ごっついけど、隙間に雪が積もると全然見えなくなるのが欠点(今は対策されたものもある)
自転車用は縦型(だったら車両用も縦にできそうなものだけど?)。
ルーバーの向きに注目
この自転車用のルーバーの向きは、赤と黄が縦方向、青が横方向と違っている。
縦方向のルーバーは左右の角度を制限するもので、距離を制限するなら横方向でないと意味がない。左右とも同じだったから、設置ミスではないはずだけど。
新しく設置された歩行者用には、視覚制限の対策は施されていない。夜とか大丈夫かな。

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7 コメント

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地下道は封鎖? (FMEN)
2013-11-19 00:03:27
地下道はどうなるのですかね。
多分封鎖にすると思うんですが。
横断歩道では危ないから地下道だ!歩道橋だ!→誰も通らないし治安に関わるからやめた!は場当たりな気がしますけど。
もし、また事故があればなぜつぶした!とは必ず言われます。
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出入口がジャマ (taic02)
2013-11-19 00:17:01
横断歩道ができた以上は使う人は減りそうです。竿燈演技中には行き来で活躍しますが…
ここの場合、地下道の出入口の存在が歩道を狭めたり見通しを悪くしたりしている状況もあります。
こういう状況なら封鎖・撤去ということもアリの気もしますが、費用もかかるでしょうけれど。
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山王大通り (あんなか)
2013-11-19 08:06:05
竿燈大通りの拡幅工事は丁度中央病院に入院していた頃で何となく記憶にあります。
中央分離帯部分も車道にすれば良いのにという声もあったそうですが
県庁移転での山王新都心計画も含めて故小畑知事は先見の明があった知事と言えます。

日銀秋田支店ですが実はちょっと不安に思うことがあります。
かつての小樽支店のように昨今の経済事情で北東北の中心都市盛岡市に移されてしまう様な気がするのです。
盛岡は日銀盛岡事務所なのですが秋田から支店を移す形で支店に降格されてしまう不安があります。
杞憂で終われば良いのですが・・。
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広い通り (taic02)
2013-11-20 00:13:52
県外から来た人の中には「秋田市は道が広い」と感じる人がいます。この通りの影響でしょう。
大昔は行き止まり(お寺・墓地が連なっていた)で、そこに細い道が貫通し路面電車が通り、拡幅されという変遷があったみたいですね。生まれた時には既に今の道路だった者としては、想像が付きません。

日銀秋田支店は、以前は改築だか市内で移転するとかいう話もあったようですが、立ち消えたのでしょうね。
隣のニューシティ跡地の使い道も絡んできて、動きがあるでしょうか。
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はじめまして (信号乱歩)
2013-11-20 21:28:25
 はじめまして信号乱歩と申します。私、信号情報にとっても詳しいです。よろしくお願いします。主に関東地方ですが、東北ですと福島県、山形県、宮城県、岩手県、青森県も結構話せます。特に福島県と青森県には熱が入っております。所で記事の話題ですが、画像の電材従来型ルーバー付き横型は電材自社製なのでしょうか?ちなみに自転車信号ルーバーの青が距離制限で、黄・赤が左右制限なのは青は記事で述べた通り、手前の交差点から誤認防止、黄・赤は自転車信号が自動車用よりも先に黄から赤に変わるのと自動車用の縦型と誤認しないためでしょう。しかし地下道から横断歩道に切り替わるのは数年前、地下道で自殺した人がいるからでしょう。死人が出た地下道は不気味だと思って近づかなくなった人が多いのだと思います。
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地下歩道 (祇チ)
2013-11-20 21:32:55
ご無沙汰しております。
ここ・・・既に取り替えられていたのですね。。 最近未確認だったので・・・。
自殺した方がいたのはここの地下道でしたか・・・。日銀前の方だと思っていましたが。。 たしか魁に掲載されましたね。

歩灯の方は製造番号が1番ですか!!
以前仙北市の田沢湖辺りで見かけたことがありますが・・・。またリセットされたのでしょうか。。

プロジェクタレンズ・・・貴重だったのですがね。。 図面によると確かスクラップ処理でしたね・・・。西側も横断歩道に改良するのでしょうか・・・?

何故ここだけルーバーフードを使用しているのか以前から疑問でしたが・・・。自転車用灯器と誤認しないように車灯を横型にしていると予想していますが・・・実際はどうなのでしょうねぇ。


自転車用と車両用の灯火のかわるタイミングが違うために誤認しないように自転車用の黄・赤のルーバーが縦板になっているのでしょう。横と縦の板の二種類がある灯器は珍しいと思います。
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コメントありがとうございます (taic02)
2013-11-20 22:26:07
>信号乱歩さん
はじめまして。こちらは中途半端な信号好きですけれど、よろしくお願いします。
横型ルーバー付きは、信号電材のプレートが付いています。製造年は判読できなかったですが、同じ柱の自転車用は信号電材平成15年製のはずです。

この地下道、知らずに通る人もいるのですが、我々知っている人たちにしてみれば、通りたくはないですね。

>祇チさん
ご無沙汰でした。先週金曜日、久々に通ったら横断歩道になっていて驚いたところでした。
穴に落ちて怪我をして県が訴えられた地下道もありましたが、それが日銀前かもしれません。考えてみれば、いろいろいわくつきの一帯のような…

ハイペースで更新作業が進んでいますね。電球式の処分は仕方ないにしてもLED式はもったいないと思ってしまいます。
茨島交差点なんかはカプセルフードに変わりましたが、それも先週辺りの工事でしょうか。
あと、信号柱が交換されるも、以前のコンクリ柱がなかなか撤去されず、位置関係から代わりの歩灯が数か月ほど稼働していたニューシティ跡前も、先週やっと古い柱が引っこ抜かれて、本来の歩灯(以前と同じもの)が再稼働しました。
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