「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

地区防災計画と防災ボランティア

2014-10-13 23:05:36 | 地域防災
10月8日午後、以前にも少し触れた防災ボランティアの集まりでの話。

防災ボランティアに関する会合ではあったのだが、地区防災計画についても話題となる。

支援の手が行き届かない人を減らすため、
究極的にはすべての人に誰かしらの手が差し伸べられるような仕組みを作るためには
どうすればよいか。

その方法(の一つ)として、(地域防災計画ではなく)地区防災計画に、
被災地域外からのボランティアによる支援について書きこんでもらえるよう働きかけるべきではないか。
このようなアイディアが提示された。

「最後の一人まで見逃さない」というのは、
「旅の坊主」自身、いささか夢見がちと思っている課題設定ではあるが、
しかし決して間違ってはいないし、この目標を取り下げることは許されない。
追求すべき大目標、ではある。

地区防災計画は、災害対策基本法の見直しにより新しく生まれた制度。
内閣府防災担当のHPはお粗末極まりなく中身もゼロに等しいが、とはいえ、
この制度の潜在的な可能性を否定することはない。
外部の者も含めて地区防災計画の検討が出来るならば、
それはそれで新しい展開を生むことになるのかもしれない、
とは思う。もっとも……。

英語にはPaper Plan Syndromeなる言葉があるのだそうな。
日本でも、「(  )に固有名詞を入れれば計画が出来上がります」などという乱暴な計画作りも、
どこかで残っているかもしれない。
「ドキュメント(文章)作りが計画立案ではない」ことは明らか。

地区防災計画にはまともなひな形がなく、これからそのひな形を作っていこう、という段階。
それゆえ、そのひな形に、
(域外からの)防災ボランティア(による支援)まで盛り込むことが出来たならば、
これは面白いものになるかも、とは思った。

現状では、地域防災計画においてすら、
域外の防災ボランティアの受援をどこまで織り込んだものとなっているか、甚だ疑問のあるところ。
それゆえ、一足飛びに地区防災計画に取り組もうということに、
いささかならぬ危惧の念がない訳ではないが……。

ともあれ、問われるべきは、そのような域外からの支援をも盛り込んだ地区防災計画を、
誰がどうやって作るか、ということ。

では、その作業は誰が担う?


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