「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

【大阪府北部の地震から何を学ぶか(その3)】

2018-08-03 13:14:03 | 大阪府北部の地震
一昨日、昨日の話の続きです。

先日入稿した『近代消防』での連載の中で私は、
高槻市消防本部や大阪市消防局が小村流の地震防災IGをやりたいというなら、
喜んでお手伝いさせていただく、と書きました。
「旅の坊主」生活ではなく、「旅の坊主、庵に籠る」の年に達しているだろうに、とは思いつつ、
大阪府北部の自治体が地域防災に改めて取り組もうというのであれば私としても精一杯の応援をしなくては、
という意味です。
三宅璃奈さんと安井実さんというお二方の死に対する、自分なりの「落とし前のつけ方」のつもりです。

これを含め、私が直接携わることの出来るDIGの場面では、この、
「震度6弱というザコキャラ級の揺れで倒れるようなブロック塀が、なぜ、今まで放置されてしまっていたのか」について、
少なくても再来年の春までは、徹底的にこだわって行きたい、と思っています。

私が行うDIGでは、まず、
「震度6強の揺れは全国どこでも起こり得ると覚悟しておくべき」という、地震大国日本の現実を説明し、
「震度6強の揺れを受けたら地域はどうなるか?」をイメージさせることから話を始めます。
その後、前述のように「震度6弱なら実質無被害」「震度7や震度6強でも致命傷なし」という防災目標を掲げた上で、
「その目標を達成するための課題を明らかにしよう」「可能ならばそれを具体化するための方法論を考えよう」
という議論の導きをしています。

ありがたいことに、さっそく今週日曜日(8月5日)、東京消防庁防災部からの頼まれ仕事で、
東京都下でDIGのファシリテーターをやってくれそうな方々向けに、
2時間半のDIGセミナーを行う機会があります。
璃奈さんと安井さんの犠牲を無にしないための、ブロック塀の安全性確認にこだわったDIG、
展開させていかなくては、と思っています。