***** 災害備忘録 No.15 *****
◆ 不慣れな自治体 ◆
これまで、大きな災害見舞われなかった
ような場所で有事が発生すると、
自治体の担当者の狼狽ぶりが
否が応でも目につきます。
確かに、正誤の入り混じった情報を見極め、
正確な被害状況を周囲と共有認識し、
的確なタイミングで避難を促すのは、
その道の専門家でさえ難しいものです。
特に、台風上陸時のように、
「避難準備・高齢者等避難開始」
「大雨特別警報」「土砂災害警戒情報」
「避難指示(緊急)」……等々、
似たような名称の警報が数分おきに
飛び込んでくるような災害の場合、
該当区域の住民に対し正しい情報を
伝えるのは至難の業でしょう。
ちなみに、昨年の台風襲来後によく耳にしたのが、
「お役所に聞いても避難しろと
言うばかりで、どこに逃げればよいかは
教えてくれない」という話でした。
「自分の身は自分で守る」ことを前提とすれば、
避難経路を確認しておかない
住民側にも責任がありますが、
これまで自治体が「真剣に」災害対策を
考えていたかと言えばそうとも言い切れず……。
「避難場所の選定」はもちろん
「被災情報の分析」や「地区担当者との連携」など、
多方面からの「救命」を模索する義務が、
自治体側の人たちには求められるのですね。