<雲南市・釜石>
スサノオが自らの御魂を安置した布須神社(室山)の麓に、
「釜石」といわれるオロチゆかりの神石がありました。
何でもこの石には、スサノオがオロチを退治するために、
クシナダヒメの両親であるアシナヅチ・テナヅチに命じて、
「八塩折の酒(やしおりのさけ)」
を造らせたという言い伝えがあるのだとか。
八塩折の酒と言えば思い浮かぶのが、
数年前に大ヒットした映画「シン・ゴジラ」の中で、
ゴジラを倒すために主人公の「矢口」が提案した、
「ヤシオリ(八塩折)作戦」というプランですね。
越の「八口」を暗示させる「矢口」という苗字しかり、
ゴジラに凝固剤を注入するタンクローリー車の
アメノハバキリ(草薙の剣の別称)という名称しかり、
制作者がオロチ伝説に関わるモチーフを、
随所に取り入れたことは明らかです。
「シン・ゴジラ」のネタに関しては、
ネット上にも多くの指摘がありますので、
詳しい説明は省きますが、オロチ(およびゴジラ)を
「荒ぶる自然」と置き換えるなら、
自然の猛威を鎮められるのは、
「ヤシオリ」しかないということなのかもしれません。
だとすれば、スサノオがアシナヅチ・テナヅチに造らせた
ヤシオリという名の「酒」とは、
いったいどのような代物だったのでしょうか……。