たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鉄穴の神 

2019-04-09 09:41:53 | 鉄の神々1

<千種町・たたらの里学習館>

 

イズモを代表する神と聞いて、

まず思い浮かぶのが言わずと知れた大国主神です。

大己貴命(おおなむち)、大物主神(おおものぬし)、

葦原志許乎(あしはらしこを)、伊和大神(いわのおおかみ)

……など様々な別称を持つこの神は、

「国譲りの神」であると同時に「鉄穴の神」とも呼ばれており、

大己貴命(別表記:大穴持命)という名称は、

大国主神の「製鉄の神」としての一面を表すという説もあります。

 

言うなれば、「製鉄」を象徴する存在が、

大己貴命としての大国主神であり、

石器・青銅器文化から鉄文化への転換期に登場する、

極めて重要な存在だと考えられるのですね。

ちなみに、オオナムチは「洞穴に坐す神」という意味を持ち、

古代「穴」は「鉄」と同義語として認識されていたのだとか……。

大国主神とは別に「大己貴命」という神が創造されたのも、

「鉄穴流し(かんなながし)」による砂鉄の採取が、

「イズモ」の国造りの根幹を支えていたことの証なのでしょう。

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