<千種町・たたらの里学習館>
播磨国周辺の「鉄」について掘り下げる前に、
古代日本の鉄に関するおおまかな流れを
探ってみることにしましょう。
(参考サイト:日立金属株式会社~たたらの話)
1.現時点で残る最も古い鉄製品は、
縄文時代晩期(紀元前3~4世紀)のもので、
石器と一緒に発見された。
2.弥生時代前期(紀元前2~3世紀)から、
次第に水田開発が活発化し、
土地を巡る闘争が激しくなると、
鉄斧などが制作されるようになる。
しかし、この頃もまだ武器・農具とも石器が主体。
3.弥生時代中期(紀元前1世紀~紀元1世紀)、
青銅器の国内生産が始まる。大陸との間では、
青銅器や土器だけでなく、鉄器の交易が行われた形跡もあり。
4.弥生時代中期中頃(紀元前後)、
鉄器の急速な普及と同時に石器が消滅。
鉄の加工はこの頃に始まったとみられる。
5 .現時点で弥生時代の製鉄炉の跡は発見されていない。
鉄の国内生産が本格化したのは、
古墳時代(5世紀)あたりからという説が主流。
鉄加工が始まった当時、原材料の多くは輸入に頼っていたものの、
弥生中期後半(3世紀ごろ)にはすでに、最も原始的な手法である、
「褐鉄鉱(スズ)」を利用した製鉄が行われていた可能性があります。
その後、タタラ製鉄に代表される「砂鉄」での鉄器生産が普及しました。