たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

海の防御壁

2018-10-21 09:04:00 |  出雲の神話

<出雲市大社町>

 

東の果ての鹿島神宮は太平洋に向けて、

そして西の果ての出雲大社は日本海に向けて、

まるで「海からの侵入者」ににらみを利かせるように、

神たちの目線は海の方向を凝視していました。

鹿島神宮と出雲大社という二つの古社が、

本殿・神座の配置をこのような形に決めた理由とは、

もしかすると天津神と国津神の相克、

あるいは古代氏族の間で起きた争い……、

などの理由だけではなかったのかもしれません。

 

それは恐らく、「のちの世の日本人」を守護するために、

古代のある時期に施された壮大な仕掛けだったのでしょう。

もちろん、記紀神話が示すように、当時の人々の間で

凄惨な争いの歴史があったことは事実ですが、

国津神と呼ばれる神々(およびその御霊を宿した人々)が、

言うなれば人柱となって日本を支えることで、

「海の向こうからの侵略」を防いだのだと思われます。

 

ここ数年、鹿島神宮の周辺では地震が相次ぎ、

また今春には、出雲の隣の大田市付近を

震源とする震度5強の地震が起こりました。

また、これらの二社だけに限らず、

全国各地の「国津神に縁する土地」で、

立て続けに地震などの天災が発生しています。

長い長い眠りから覚めた国津神という名の神々は、

身を挺して守ろうとした後世の日本人の姿を、

いったいどのような思いで見つめているのでしょうか……。

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