<鹿島神宮 かしまじんぐう>
出雲大社の神座の配置が特徴的なのは、
一般的にもよく知られた事実ですが、
実は鹿島神宮という神社の構造も、
出雲大社のそれとよく似ているのだそうです。
確かに、本殿自体は北向きにも関わらず、
鹿島神宮の神座はなぜか東を向いており、
南向きの本殿でありながら、
神座が西を向いている出雲大社とは、
お互いに対を成すような位置関係にも思えます。
もしかすると、鹿島神宮も出雲大社と同様に、
国津神との因縁を抱えた場所なのでしょうか……。
仮にそうだとすれば、鹿島神宮のご祭神は、
藤原氏の氏神であるタケミカヅチではなく、
この地を守っていた別のタケミカヅチだった
という話が、さらに信憑性を増しそうです。
ちなみに、出雲大社と鹿島神宮とを直線で結ぶと、
諏訪大社および白山系の主要神社の上を通過する、
巨大なレイラインが描かれるという話があります。
恐らく、東の突端と西の突端とに鎮座する
「特徴的な神座」を要した二つの古社は、
単なる「怨霊封じ」のひと言では片づけられない、
深遠な役目を担った場所なのかもしれません。