たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

藤原氏の思惑

2018-10-18 09:43:38 |  出雲の神話

<鹿島神社 かしまじんじゃ>

 

国譲りの件で登場するフツヌシという神は、

「神剣に宿る神霊」を表す神名であり、

フツヌシが宿る神剣を「布都御魂」と呼びます。

布都御魂は現在、初代の刀が物部系の石上神宮に、

二代目の刀が藤原系の鹿島神宮に祀られておりますが、

一説には、もともと藤原氏が所有していたものを

物部氏が奪ったため、二代目が造られたという話も……。

 

真偽のほどはさておき、藤原氏が物部氏を牽制し、

「布都御魂は自らのもの」と喧伝することに、

執念を燃やしていたのは確かでしょう。

 

ちなみに、中臣氏の出と言われる藤原不比等という人物は、

実は中臣とは別の渡来部族の出身であり、

「権威付けのために中臣の系譜を利用した」という説が有力です。

日本神話の見せ場とも言える大事なシーンにおいて、

たびたびタケミカヅチが布都御魂とともに登場する背景には、

陰の編纂者とも言われる藤原氏の思惑があったのでしょうか……。

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