<内宮 ないくう>
ここ数年の伊勢神宮の様子を見ておりますと、
特に若い人の姿が目立ってきたように感じます。
大部分は行楽目的だとは思いますが、
数ある観光スポット、数ある神社の中から、
あえて伊勢神宮を選ぶ人が増えているという流れは、
昨今の世情などを鑑みても非常に興味深い現象です。
どんなに一時しのぎの快楽を求めても、
決して心が満たされないという現実に、
多くの日本人が気づき始めたのでしょう。
「神様を敬う」「祖先を敬う」
「神話を敬う」という気持ちが、
これからの日本を救う有効な術になることを、
すでに若者たちはわかっているのかもしれません。
私たちのDNAに組み込まれた
神様や祖先、神話への憧憬は、
そう簡単に打ち消せるものではなく、
「生まれてきた元を知ること」こそ、
本当の意味での「安心」につながります。
長い間「生きる根っこ」を断たれた私たちは、
自らの力で新たな根を伸ばすしかないのですね。