<小阪・飛鳥神社 こざかあすかじんじゃ>
たくさんの神社を巡ってきて感じるのは、
「神社は裏が重要」ということで、
立ち入り禁止の区域ではない限り、
できるだけ境内をぐるっとひと回りし、
全体像をとらえるよう心がけています。
参道の入り口や社殿の向きなどは、
後年になって変更されている場合も多く、
当時の姿が失われてしまいがちですが、
神社の裏には「川の有無」や「祭壇の後」など、
大昔の名残を目にすることもできるのです。
小阪・飛鳥神社の裏手に回り込みますと、
小さな岩があちこちに転がる、
大又川が見えてまいりました。
「川のそば」という立地は、
聖地となりうるための必須条件でして、
境内を清浄に保てるかどうかのカギを、
「川」という存在が握っているのでしょう。
本来であれば、直接川を渡ることで、
聖域に立ち入るための禊をしたのだと思います。
現世と神界との境が明確だった古代、
私たち人間は今よりもずっと、
神様とのよい関係を築いていたのかもしれません。