<小阪・飛鳥神社 こざかあすかじんじゃ>
小阪・飛鳥神社には多くの神々が祀られておりますが、
そのどれもが「国津神」としての性質を持っています。
この神社のシンボルでもある四本杉に、
スサノオの化身・祓戸四神が宿るとされるのも、
この神社の主はスサノオ命であり、
熊野という土地そのものが
「国津神の聖地」であることの証なのでしょう。
神武天皇がヤマトへ侵攻する際、
どうしても許可を得なければならなかったのが、
太古の昔から熊野の地を支配する
国常立大神という国津神の親玉でした。
熊野を通して日本全土ににらみを利かせるこの神は、
国内に入り込んだ異分子をシビアな目で選択し、
この国にふさわしい人間かどうか精査するのです。
国常立大神からの命を受け、
国土を駆け回る役目を授かったスサノオは、
「巨樹」「巨岩」「大河」など、
自然信仰の崇敬対象へと姿を変え、
太古の世から今に至るまでずっと、
日本人の営みを見守っているのだと思います。