<上一宮大粟神社 かみいちのみやおおあわじんじゃ>
大粟比売命、あわわ神、阿波女(あわめ)、
豊受の大神、気比明神……等々、
様々な神名を持つ大宜都比売命ですが、
そのほとんどは「穀物神」を表す名称です。
また、大宜都比売命の「げつ」は、
狐を意味する「けつ」を表すとも言われており、
稲荷神とのつながりも否定できません。
キツネと聞いて思い浮かぶのは、
その昔空海が追い払ったとされる、
「四国の狐たち」の話ですね。
実は、徳島という地は「狸」の昔話が多数残る、
「たぬきの聖地」であることをご存知でしょうか?
逆に「狐」が登場する物語は極端に少ないため、
地元では「空海が追い出したから」という噂が、
まことしやかに流れているのだとか。
大宜都比売命がキツネの一面を持つとするなら、
タヌキというのは、古代阿波国にやってきた
渡来人を暗喩している可能性もあります。
本土と四国を結ぶ「鉄の橋」がかけられた今、
狐たちは再びこの地に戻ってくるのでしょうか……。