たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

縄文呪術の空白域

2019-12-05 09:33:42 | 縄文への旅

<国立歴史民俗博物館>

 

「移住生活」を優先し、少人数での移動を

繰り返していた中国地方の縄文人たちは、

他の地域に比べて集落の人数や

対人ストレスが少なかったため、

集落内で葬送の儀式を行ったり、

魔除けなどの「呪術」を施したりする

機会があまりなかったと聞きます。

ゆえに彼らは、「見えないもの」

に頼らなくても生きていけるような

生活スタイルを維持できたのだそう……。

 

これらの事象を逆から見れば、

それだけ中国地方の縄文人は、

「縄文呪術」に対しての執着がなかったともいえるわけで、

ある意味そのあたりの「隙」を突くかのように、

「渡来系呪術」が浸透した可能性もあるのでしょう。

恐らく、弥生系の呪術というのは、

縄文系の呪術以上に「実践力」があったため、

渡来人や稲作文化の到来とともに、

爆発的に人口が増えた西日本の人々にとっては、

非常に魅力的なツールだったのかもしれません。

 

「葬送儀礼」に関わる渡来系の氏族が、

岡山や兵庫などを拠点に定めたのも、

もしかすると、中国地方というエリアが

「縄文呪術の空白域」だったからなのでしょうか……。