たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

倭鍛冶・韓鍛冶 

2019-04-11 09:51:59 | 鉄の神々1

<射楯兵主神社 いたてひょうずじんじゃ>

 

もともと倭鍛冶部という集団は、

砂鉄を利用した鉄穴流し製鉄が主流となる以前に、

すでに銅を原材料に青銅器の鋳造を行っていた人々、

また、褐鉄鉱(スズ)による産鉄作業に従事していた人々

(およびその後裔)だったと思われます。

当初彼らは、水田耕作の普及により大量に必要となった、

「農具」等の製造をしていたと想像されますが、

韓鍛冶部と呼ばれる渡来系の技術者から、

より効率的な製鉄技術を学んだことにより、

次第に武器の生産へとシフトして行ったのでしょう。

 

韓鍛冶との交流が深まるにつれ、

倭鍛冶は自らの古い先祖であるイソタケルや、

イソタケル直系の子孫・大国主神への信仰と同様、

渡来系技術者の持ち込んだイタテ神・兵主神も、

「鉄の神」として崇めるようになったのかもしれません。

恐らく、生活と労働のために鉄を製造していた倭鍛冶に、

争いの武器として鉄を活用することを指南したのは、

新たな技術を携えてやってきた韓鍛冶だった可能性が大です。

だとすれば、韓鍛冶たちはいったい何の目的で日本へと上陸し、

「武器」の製造を広めようとしたたのでしょうか……。

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