<松江市美保関町>
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大国主神がカミムスビに確認してみると、
「これは確かに私の子だ。多くの子がいたが、
私の手の指の間からこぼれ落ちたようだ。
ともに力を合わせて国造りを進めて欲しい」
と言われたので、二神は協力をして国造りに励みました。
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造化三神(天地開闢の際、初めに高天原に現れた神々)
の一神とされるカミムスビは、
同じく造化三神の一神であるタカミムスビと、
対を成す形で語られる機会が多い神様です。
これら二神の存在は、大きな意味での男性(タカミムスビ)、
女性(カミムスビ)の対比を象徴しており、
主に天孫族が活躍するシーンで登場するタカミムスビに対し、
どちらかと言えばカミムスビのほうは、
国津神や出雲神を助けるポジションを取ります。
先ほどのカミムスビの発言から垣間見えるのは、
もともと大国主神の国造り(および国譲り)は、
「天の主導」によって行われたものであり、
天津神・国津神を束ねる「高天原のさらに上」の神々が、
両者を動かしていたという事実でしょう。
また、日本書紀内での少彦名神は、
カミムスビではなくタカミムスビの子となっており、
大国主神の国造りが、国津神よりも天津神の協力で
成り立っていたことが強調されています。