たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

国造りの現実

2018-10-02 09:25:37 |  出雲の神話

<粟嶋神社 あわしまじんじゃ>

 

国津神を守護するカミムスビから生まれ、

波頭を越えてやってきた少彦名神は、

言うなれば「国津神系の渡来族」とも言える存在です。

ニニギや神武天皇などの「天孫族」とはもちろん、

スサノオや大国主神などの「地祇(くにつかみ)」 とも、

異なる役目を担っていたのかもしれません。

この後、少彦名神は国造りの半ばで去ってしまいますが、

日本書紀ではその場面をこのように記していました。

 

==========================

「我々の国は理想通りに完成しているだろうか」
と問う大国主神に対し、少彦名神は
「良くなったところもあるし、そうでないところもある」
と答え、熊野の御碕から(あるいは、粟の茎に弾かれて)
常世の国へと渡ってしまいました。

==========================

 

大国主神と少彦名神とは、時折意見をぶつけ合いながらも、

大きな目的のために力を合わせたと神話には書かれています。

ただし、「良くなったところもあるが、そうでないところもある」

という言葉に、意味深なニュアンスを感じるのも確かです。

果たして国造りは、本当に順調に進んでいたのでしょうか……。

この記事についてブログを書く
« 天の主導 | トップ | 不協和音 »