たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

蛇とアラハバキ

2020-06-24 09:46:03 | 古代の出雲

<温泉神社 おんせんじんじゃ>

 

一説に、アラハバキの「ハハ」は古語で蛇を指し、

「ハハキ」とは「蛇木」あるいは

「龍木」を意味するそうです。

また、アラハバキとも同一視される、

アシナヅチ・テナヅチの「ツチ」も、

「蛇」を表す言葉だという話がありますから、

アラハバキという土着の神が、

多分に「蛇」のニュアンスを纏った

存在であることは明らかでしょう。

さらに、アラハバキの「アラ」を

大陸由来の言葉だと考えれば、

アラハバキとは「蛇の信仰を持つ

渡来系の人々」とも言い換えられますね。

 

ちなみに、古名を「波波岐(はばき)国」

と記す伯耆国(現在の鳥取県)は、

出雲地方と同様にワラヘビ祭祀が

盛んな土地のひとつです。

伯耆地方には、特出したアラハバキ信仰

の形跡は見られないものの、

ワラヘビという民間信仰の中に

アラハバキが同化している可能性も高いのだと……。

いずせにせよ、石見・出雲・伯耆の一帯には、

何らかの形で「蛇」もしくは「蛇を崇める集団」

が関わっているのかもしれません。

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