<稲佐の浜>
旧暦10月10日から17日までの期間、
出雲大社および近隣の神社では、
全国から神々をお迎えする
「神在祭」という神事が執り行われます。
このため出雲地方では、神有祭が行われる
11月を「神有月」と呼んで特別視し、
地域全体で早くから準備に取り掛かるのだそうです。
ちなみに、このお祭りの主役となるのが、
「セグロウミヘビ」という種類のウミヘビでして、
何でもその昔は、「ウミヘビの漂着」
を合図に神在祭が始まったのだとか……。
現在も、ウミヘビが浜に打ち上げられると、
近隣の神社に奉納するという慣わしがあり、
打ち上げられたセグロウミヘビは、
丁重に保管してミイラ状態にしたのちに、
玉藻(ほんだわら)を敷いた三方の上に
トグロを巻いた状態で乗せ、
神様の依り代として神社に納められると言います。
普段は沖縄近海に生息するこのウミヘビは、
寒くなると対馬暖流に乗って
山陰地方に流れ着くとのことですが、
夜中の海でこのウミヘビに遭遇すると、
まるで「金色の火の玉」が
近づいてくるように見えるとも聞きました。