たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

耳族

2020-11-15 10:18:46 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.77 *****

海人族と鉱物との関係を思い浮かべていたとき、

『青銅の神の足跡』という書籍に記されていた、

「耳族」というワードを思い出しました。

 

何でも、「耳の名のつく人物は、

南方系の種族を指し、それと同時に

鍛冶技術をもっていたと推定される」とのことで、

タカミムスビに代表される北方文化圏の人々

(目の系統の一族)が、この「耳の系統の一族」

と婚姻を繰り返しながら、現在の日本を

形作って行ったと考えられるのだとか……。

 

例えば、神武天皇の后は「ミゾクイミミ」の孫娘、

スサノオが妻にしたのは「スガノヤツミミ」の娘、

アメノヒボコが娶ったのは「フトミミ」

という名の女性……等々。

さらには、紀氏の系譜に属する「紀豊耳」や、

阿蘇氏の始祖である「神八井耳」も

「ミミ」の名を冠する人物です。

 

著者(谷川健一氏)いわく、彼らは

「揚子江沿岸から海南島に至る

中国南部に住む海人族であり、

大きな耳輪をつけていた」という話ですから、

「日本列島への三段階渡来モデル」

に照らし合わせれば、第一段階の終盤あたりに、

朝鮮半島を通る西寄りルートを使って

日本へと渡来した、呉越の人々

(龍蛇族など)である可能性も否定できません。

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