たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

簡素な鳥居

2017-12-24 09:57:54 | 剣山・イスラエル

<栗枝渡八幡神社 くりしどはちまんじんじゃ>

 

栗枝渡八幡神社に鳥居がない理由、

それは熊野の自然信仰の場と同様、

もともと空神という名の「土着神」が、

祀られていたからではないでしょうか。

栗枝渡八幡神社の境内へと続く石段の

一番下に立って上方を見上げると、

わずかに社殿の屋根がのぞくだけで、

視界を占めるのは「森の木々」です。

社殿の裏手には、石垣の跡こそないものの、

山自体をご神体として拝む形式は、

素朴な民間信仰の名残を思い出させます。

 

また、境内の数ヶ所に置かれた

小さな祠や石積みの祭壇の前には、

「竹の鳥居」が設えられており、

よくよく周囲を見渡してみると、

木と木の間を結ぶようにして、

境内の入り口にも細いしめ縄がかけられていました。

恐らくこれが、鳥居の代わりであり、

結界の機能を果たしているのでしょう。

「聖と俗」の境界が見える人たちにとっては、

このような簡素な鳥居で十分だったのかもしれません。

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