<国立民族学博物館>
もし、古代イスラエルの「失われた10支族」が、
日本に到着していたとすれば、ユダヤ人特有の
DNA「E系統のY染色体」の痕跡が、
日本人のどこかに存在していても
不思議ではないと思われます。
ただし、現在の日本人には「E系統」
のY染色体を持つ男子はおらず、
E系統の兄弟遺伝子であるD1b系統(旧:D2系統)と、
ユダヤ系以外の遺伝子が継承されてるだけです。
果たして、これらの矛盾はどのように
説明したら良いのでしょうか……。
現時点で考えられるのは、
E系統の遺伝子が到着後に何らかの理由で消滅したか、
あるいはD系統の遺伝子を所有する支族のみが、
海を渡り日本を目指したという可能性かもしれません。
もしかすると縄文時代、男子の場合は
D系統遺伝子の所有者でなければ、
日本に立ち入ることができない、
あるいは日本に永住するのが難しいなど、
不可抗力的な条件があったとも想像できます。
弥生人が新たな文化を全土に浸透させるまで、
想像以上の時間がかかったのも、
縄文の人々が「遺伝子の入れ替わり」を
拒んだことが原因だったと考えると、
「縄文の壁」は「遺伝子の壁」で
あったとも言い換えられるのでしょう。