<佐美長神社 さみながじんじゃ>
佐美長神社のご祭神は、
「大歳神(おおとしのかみ)」と呼ばれる神様です。
倭姫命を導いた「真名鶴(=大歳神の化身)」を祀った場所で、
古くは大歳社(おおとしやしろ)とも、
穂落社(ほおとしのやしろ)ともいわれたそう。
道路わきにある信号横の鳥居をくぐり、
木々に囲まれた階段を登って行くと、
本殿がひとつ、小さなお社が四つ、
森の中にひっそりと並んでたたずんでおります。
私はこの四つ並んだ小さなお社にとても愛着があり、
訪れるたびに意味もなく写真を撮ってしまうのですが、
実はこの四つのお社、祓戸四神を祀っているとの話。
【祓戸四神とは】
祓戸大神(はらえどのおおかみ)ともいい、
神道において祓を司どる神様のこと。
・ 瀬織津比神(せおりつひめのかみ)
・ 気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)
・ 速開都比神(はやあきつひめのかみ)
・ 速佐須良比神(はやさすらひめのかみ)
この四社が佐美長神社に移されたのはごく近年のことで、
それまでは近くの川沿いに点在していたそうです。
地元の人の話では、もともとお社は五つあったらしいのですが、
洪水で流されてしまい、ひとつはどこかの民家で祀られているとか。
またさらに古い時代には、こちらの祓戸大神は、
伊雑宮にお祀りされていたという噂もございます。
いずれにせよ、伊雑宮と佐美長神社の関係が、
日本の神社や神様を語る上で、 重要なカギになるのでしょう。