***** 災害備忘録 No.17 *****
◆ 誰かが知らせにきてくれる ◆
これまで、自治体に対する苦言ばかりに
なってしまいましたが、私たち住民側にも
反省すべき点があるということもまた事実です。
例えば、田舎の地区の班長を務めていた知人によりますと、
消防自動車がサイレンを鳴らしながら避難を呼びかける中で、
不安そうに家の前に出てきたご近所さんは数人のみ。
特にお年寄りの人たちは、まるで「自分とは無関係」
と言わんばかりに家に籠っていたそうです。
幸いにもこの地区は大きな被害を免れたため、
後日様子を確認がてら近隣の家を訪問してみたところ、
お年寄りは口々に「何かあれば班長が教えてくれると思った」
「何かあれば誰かが助けに来てくれると思った」
と訴えるのだとか……。知人は知人で
「何かあれば町内会長から連絡が来る」
と考えていたそうですから、
お互い様と言えばお互い様ではあるものの、
いかに人間が「依存的」「人任せ」
であるかを証明するような話です。
住民通しのつながりが深いと言われる
田舎でもこの程度の意識ゆえ、
こと都市部においては「近隣の助けは得られない」
と覚悟しておいたほうが良いのでしょう。
いずれにせよ、自分が避難すべきタイミングは
「誰も教えてくれない」、そして自分の命を
「人任せにしていけない」ことだけは確かかもしれません。