<宇倍神社 うべじんじゃ>
因幡国一の宮・宇倍神社のご祭神である
武内宿禰(たけしうちのすくね)は、
享年360歳とも言われる長寿の神です。
景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代にわたり、
およそ300年もの期間を各天皇に仕え、
また、紀氏・巨勢氏・平群氏・葛城氏・蘇我氏
など有力豪族の祖でもあります。
そんな武内宿禰が、なぜ因幡国一の宮に
祀られているのかと申しますと、何でもここが
「武内宿禰の終焉の地」だからなのだとか……。
ただし、それらを示すのは『因幡国風土記』逸文に残る
「武内宿禰は宇倍山山麓で、履いていた双履を残して
行方知らずとなった」という記述のみで、
根拠となる他の物証はないと聞きます。
念のため、社務所で話を聞いてみたところ、
やはり宇倍神社の近辺が、武内宿禰の出身地であるとか、
武内宿禰が管理していた地であるとか、
その他もろもろ武内宿禰とつながるような
由緒はまったくないとのこと。
まあ、ここまではっきりと
「主祭神とは縁もゆかりもない」といわれると、
それはそれで潔く感じますが、
だとすれば、この宇倍神社に祀られている本当の神とは、
いったいどのような神様だったのかが気になりますね。