治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

これが資質

2017-05-17 09:17:20 | 日記
発達障害者支援センターが役立っているかどうかのアンケート、引き続きお答えいただきありがとうございます。とても参考になります。

支援なり特別支援教育なりが役立っていない、というと「人材がいないから」とこれもまた決まり文句になっているのですが、これでまた人材を育成しようとかいうと研修する側として乗り出してくるのはギョーカイ人。そしてまた「伸びしろを奪うような支援」(c月子さん)がなされるだけなので「人材育成が鍵ではない」ことにもっとみんな気づいてくれるといいなと思います。支援は主体的に利用しいらなくなったら抜け出すのが治るコツなんじゃないかと思います。

ととさんのお答えがとても「資質」を説明するのによかったので引用・説明させていただきます。

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Unknown (とと)
2017-05-16 11:10:55
質問2の追記
直接の知り合いではいませんが、治ったといってもいいくらい発達した人がひとり存在することは精神科医の方から教えていただきました

治った方は、集団でソーシャルスキルトレーニングをやってるうちに「SSTって演劇みたいで楽しい!」と思うようになり、アマチュアの演劇サークルに入って楽しみながら切磋琢磨したそうです

ただ、その方以外の方にはSSTは効果が出ていないそうです
SSTで良い会話パターン例を教わって暗記することができても、実際の会話には活かせないで悩む方が多いということを聞きましたね

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ととさんの出会った精神科医の方は最初から赤本勧めるセンスの良さがあったということで、これは幸運な出会いですね。治る、ということは主観的なことなので、東田さんを偽者扱いしたりちゅん平さんに対する評価を変えたりする昆虫採集系の精神科医は治せません。当事者を客体でしかみられない。いや、当事者を客体としてしかみられないのは科学者として当たり前の態度かもしれませんが当事者に主観がありそれが自分たちの科学をもその人にとっては凌駕する想像力がないのですね。だから東田さんにああいう無礼な真似をするのですよ。

ちなみに成人の人たちが殺到する某なんとかだいがくなんとか鳥山病院の医師は来る患者を「当たり」と「はずれ」に分けていることを堂々と講演でしゃべってました。当たりっていうのは当然確定自閉圏。はずれは違った人です。ホームランバーかよ。っていうかはずれの人は支援は受けられないんですかね。

そして、お芝居。
自分でわざわざ券買ってお芝居に行く人いますね。
そしてテレビに出てくる人たちだけじゃなく、舞台俳優なんかでもファンになったりする人いますね。

私はお芝居なんかまったく行く気がしないです。
小さい時ものすごーく遠い親戚が宝塚にいて連れてかれたことがあったのですが、帰ってきてから熱を出しました。

大人になって歌舞伎も何度か見ました。きれいだな~。幕の内弁当がおいしいな~。いい体験になった。それだけです。それにテレビで見る歌舞伎役者の人ってなんかすかしてていけ好かない感じですしね。お相撲さんたちの方がずっと性格がいいですよ。

そして「発達障害は治りますか?」の中で、ちゅん平さんが一人芝居をしていること、神田橋先生がそれはいい自己治療だと言っていたことを皆さん思い出してみてください。

ちゅん平さんは病んだ時解離性障害になりました。
そして立ち直っていくときは「自分のあるべき姿」を思い描きました。

つまりお芝居がはまる人なのです。

このSSTの人もそういう人で、しかもそこで溺れず、「お芝居」だけを抽出してあとは一般のお芝居に入ったのですね。そこで生きがいを得て、そして治っていった。これがその人の資質です。途中まで治したのは支援。その後それを自分で発展させ一般社会に入ったから治ったのです。ここでギョーカイの決まり文句「二次障害が治ってから~」を真に受けていては治りません。

そしてお芝居なんかまったく興味のわかない私が好きなのはお相撲で
お相撲の特徴と言えば言うまでもなく
・勝負事
・引き分けなし
・相手を倒す、落とす、押し出すと勝ち

なのです。
だから私は「やられたら倍返し」がギョーカイトラウマからの一番の立ち直り方法なのですね。
そしてそれは「ギョーカイおかしい」とうすうす感じてきた人たちに発言するきっかけ、ギョーカイに見切りをつけるきっかけ、治るきっかけを与えたわけです。これが「自分の偏りを社会のために活かす」ということです。

その人がどう余暇を過ごすか。
それも大きな資質の手掛かりになるかもしれません。

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