治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

みなさまの○○○

2010-06-22 10:10:00 | 日記
もう10年ほど前のことになる。

ある本を出そうとしたときに、ネット上で出版前不買運動を起こしていた人たちがいた。

著者に対するバッシングの一環だったらしい。
著者の事務所の家賃とか、事細かなところにまで下種な関心を寄せ、突っ込んでいた。
本当にヒマな人たちである。

こういう人たちの特徴は、どっかの匿名掲示板で騒ぎ立ててこっちが見に行くのをじっと待つということだ。
つまり、メール一本会社に送ってくるわけではない。

敷居が高いのかしら。

そういうことでもないらしい。なぜなら花風社とは比べられないほど巨大な放送局に電話をかけて「あの人物(うちの著者ね)を出したら受信料払わないぞ」とか脅しをかけることはできるからだ。

で、その放送局は、あっさりその著者を降板させた。

私は不思議だったので担当者に電話をして訊いてみた。
「なんでうちみたいなちっちゃい会社が脅しに屈しないのに、おたくみたいな基盤のしっかりした放送局が屈するんでしょ?」

もごもごもご、っていう答えしか返ってきませんでした。

今になったらわかる。
大きいから屈しなければならなかった。
みなさまの○○○は、みなさまから受信料を集めなければいけないからだ。
だからみなさまの意見を入れる必要があるのだ。

その点「買う人しか買わないだろう」と最初から決めている小さい出版社は気楽である。
「どうせ読まない人は読まないだろうよ」と最初からわかっているから
自分たちの信じる本が出せる。

そのときも
私はその不買運動が起きた本を平気で出した。
著者のバッシングを続ける匿名掲示板を見たけど、「ああこれは売れ行きには関係ないな」というのが感想であった。
で、その本はそこそこ売れた。
当時のうちとしては結構売ったほうだった。
その後の「自閉っ子」シリーズには及ばないが、まあ売れた。

そういえばその「自閉っ子」シリーズを展開中も
「ニキ・リンコはいない。浅見淳子が演じて詐欺を働いている」と10年主張している人がいた。
それでも本は売れた。

要するに、売れる本は売れるし、売れない本は売れない。
それだけのことなんだと思う。
ネット上でさわいでいる人がいるかどうかは、あんまり売れ行きと関係なさそうである。

ただ会社の方針に決定権がないのにカンチガイしている人間にからまれると面倒くさいので
そういうときのために措置はとっておかなくてはと思いますが。

というわけで今回も「発達障害は治りますか?」
ますます好調です。

ポルトガル爆発しましたね。
スペイン勝ちましたね。でもまだチームとして機能していないみたいですね。
強豪が本気を出すのは決勝からだと思いますが。

都バスキティちゃんです。