【速報】万博への子ども招待「中止」求める申し立て 大阪府の教職員組合「子どもの命は何より重要」 メタンガス爆発事故・下見できず医療体制にも懸念

読売テレビニュース6/5(水)14:00

【速報】万博への子ども招待「中止」求める申し立て 大阪府の教職員組合「子どもの命は何より重要」 メタンガス爆発事故・下見できず医療体制にも懸念

大阪府の教職員組合の会見(5日)

 

 大阪府が2025年の大阪・関西万博に小・中学校の子どもたちなどを招待する事業について、大阪府の教職員組合が5日、府や教育委員会に対し、事業の「中止」を求める申し立てを行いました。

 大阪府は、府内に住む4歳から高校生までを無料で万博に招待することにしていて、各学校に対して校外学習など学校単位で参加するかどうかの意向を回答するよう求め、5月末の期限までに約1740校から回答があり、全体の約7割にあたる約1390校が「希望する」と回答していました。

 これに対し、府内の教職員でつくる3つの組合は5日午後2時から会見を開き、「誰も(メタンガスの)爆発事故が起こらない、安全だという方はいない。遠足に引率する立場として何よりも重要なのは子どもの命、安全が保障されていない」と語りました。

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 教職員組合は、会場への貧弱な交通体制やメタンガスの爆発事故が起きたこと、避難計画が作成されておらず、下見の時期やどのパビリオンに行けるかが未定であること、緊急時の医療体制などの不安があることなどを挙げ、大阪府と府教委に対し、学校単位での子ども招待事業の中止を求めたということです。

■3月にメタンガスの爆発事故 4月に事業見直しを求めるも工事再開

爆発事故があった現場

 万博の建設現場では3月28日、溶接作業中の火花が可燃性のガスに引火する爆発事故が発生。コンクリートの床が約100平方メートルにわたって壊れたほか、天井などにも損傷が見つかりました。

 教職員らの労働組合は4月、「同じような事故が起こるのではという不安や子供を連れていって大丈夫なのかという心配の声があがっている」として、大阪府などに対し、事業の見直しを求めました。

 その後、万博協会は工事前にガス濃度の測定を行わなかったことが事故の原因として、再発防止策をまとめた上で、4月22日に工事を再開したましたが、海外や企業などパビリオンが集結する「パビリオンワールド」の建設現場内でも、再検証した結果、4か所で低濃度のメタンガスを検出したことが判明していました。

■交野市長「希望する学校1つもない」 希望の学校長も「不安は同じ」

交野市の山本景市長(5月24日)

 さらに、万博への子ども招待事業に対して、交野市の山本景市長は5月24日、万博への交通アクセスの問題や来場者が集中することによる児童・生徒の安全への懸念などを理由に挙げたうえで、市内にある13の小・中学校のうち、「希望する学校は1つもない」と明かした上で、「学校単位で行かなくてもいい」と表明。「希望しない」という回答欄がないことについても、大阪府や教育委員会の進め方を批判していました。

 子ども招待事業に「希望する」との回答した府内の中学校の校長も、読売テレビの取材に対し、「基本的には行かせてあげたいし、そのつもりで段取りしている。でも生徒の人数も多いので、バスが足りないとか、下見ができないとかの不安要素があるのは同じ。最後調整がつかなければ学校単位では行けないとなることもあると思う」と明かしました。

 

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