時計、貴金属を販売する富山県南砺市の「中西時計店」が、先月28日までに富山地方裁判所高岡支部から破産手続きの開始決定を受けていたことが、東京商工リサーチ富山支店の調べでわかりました。負債総額は第三者の保証債務を含め約10億とみられ、富山県内では2023年8月以来10か月ぶりの「大型倒産」となりそうです。

東京商工リサーチ富山支店によりますと「中西時計店」は、1935年(昭和10年)個人創業、1971年(昭和46年)9月に法人化した時計・貴金属販売店です。

富山県南砺市の旧井波地区では、戦前からの老舗として知名度を誇り、時計、眼鏡、貴金属の販売を主体に常連客も多く賑わっていました。

本店に加え、ショッピングセンターにも出店し、2006年(平成18年)8月期は売上高1億4300万円を計上していました。

しかし、同業他社との競争激化やネット販売の普及、リピーターの高齢化で商況はジリ貧で推移、2023年8月期は売上高約2000万円に落ち込みました。

こうしたなか社長が急逝し、妻が事業継承したものの業績は回復せず資金繰りが限界に達し、第三者の保証債務約9億円の処理も困難となり、事業継続を断念したとみられます。

富山県内の負債総額約10億円以上の「大型倒産」は、「大型倒産」は、2023年8月以来の10か月ぶりです。