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山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪〜舞鶴1時間短縮、在来線@活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?

2025年04月02日 14時53分08秒 | ニュース
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山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪〜舞鶴1時間短縮、在来線活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?
2025/03/30 05:51Merkmal

山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪〜舞鶴1時間短縮、在来線活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?

北陸新幹線(画像:写真AC)

(Merkmal)

新幹線整備遅延に中速鉄道
 海外では中速鉄道(通常の在来線と新幹線の間の速度帯で運行される鉄道)が当たり前に存在しているが、日本でもようやく注目され始めた。2025年2月26日の衆議院予算委員会の集中審議で、石破茂総理が福島伸享衆議院議員(有志の会)の質問に答えた。質問は、中速鉄道に対する政府の姿勢に関するものだった。

 石破総理は次のように答弁した。

「仮にフル規格の新幹線があと30年くらいで全国に張りめぐらせるのなら、それがベストに決まっている。しかし、北陸新幹線が新大阪まで行って、北海道新幹線が札幌まで延伸されて、(西)九州新幹線が全線開業してから次の新幹線に着手するとなれば、膨大な時間が必要。その間どうするのかという疑問が生じざるを得ない」

「地方人口は減る、(在来線)設備は老朽化する時代にあって、中速鉄道の可能性を真剣に考えなければならないのは、曽根先生(東京大学名誉教授・著書に「中速鉄道のすゝめ」がある)の指摘通りだ。ヨーロッパでは中速運転の鉄道が航空機やマイカーからのモーダルシフトにつながっており、政府も真剣に議論していかねばならないと考える」

 日本には時速130kmまでの在来線と、時速260km以上の新幹線がある。その間の速度帯の鉄道はほとんどない。唯一、成田スカイアクセス線や京成スカイライナーの一部区間で160km運転が行われている。さらに、北陸新幹線金沢開業前に走っていた特急「はくたか」も、北越急行ほくほく線内で160km運転を行っていた。このように、時速160キロ程度の運行は限られている。

 今後の新幹線整備にはコストがかかるため、在来線を部分的に活用し、ショートカットが必要な部分だけ新線を整備するという、低コストで速達性を向上させる案が議論され始めている。

 当初、筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)はこの案に否定的だった。災害時の寸断の可能性が高く、また防災対策や貨物輸送、高速道路に対抗するためのアップグレードの必要性を考えると、基本計画の新幹線はすべて早急に整備すべきだと思っていた。

 しかし、完全な新幹線にすると、途中駅の利用が少なくなり、特に都市圏を中心としたネットワークの根元にある自治体のメリットが薄くなる点が指摘されている。このため、新幹線の整備が進みにくい現実がある。これらを考慮すると、

「山陰新幹線」

では中速鉄道が有効かもしれないと思えるようになった。

山陰本線中速鉄道化案の例(画像:北村幸太郎)
大阪に出にくい山陰線沿線
 山陰線には、短絡ルートを少し作るだけで新幹線に近い時間短縮が可能な区間がある。大阪を起点に、JR京都線の茨木から嵯峨野線(山陰線)の亀岡までの区間と、長らく複線化が求められている山陰線の綾部〜園部間だ。

 山陰新幹線の代替案として、次の三つの提案がある。

・亀岡から東海道線の茨木駅までを結ぶ23.8kmの高速新線を整備する。途中駅も設けて、通勤新線としても活用できるようにし、大阪周辺の自治体にも恩恵をもたらす。

・綾部〜園部間に32.5kmの「新幹線規格新線」を整備する。これにより複線化し、既存の単線と合わせて3線化を実現する。



・茨木から貨物線分岐部までの2kmを線増する。

これらを実施すれば、福知山、舞鶴、綾部から大阪だけでなく、関空にも直通できるようになる。かつて、北陸新幹線小浜・舞鶴ルートを推進していた西田昌司参議院議員が持っていた構想も、これで実現可能となる。

 茨木から貨物線につながれば、うめきた大阪駅と建設中の「なにわ筋線」を経由して関空に達することができる。さらに、快速列車が乗り入れれば、亀岡〜園部間は大阪の通勤圏にもなり得る。この区間は、新幹線では実現できない効果を生み出す可能性が大きい。

綾部〜園部間新線ルート図(画像:北村幸太郎)
わずか56kmの新線で1時間短縮
 在来線車両でどこまで速度を上げられるか。『幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査』2020年度によると、新幹線のような新線なら、JRの狭軌の線路でも200km/hで走行可能だとされている。これに少し余裕を持たせ、秒速50mで計算しやすい180km/hの運転を目指す。

 綾部〜園部間と亀岡〜茨木間の新線区間で、特急を180km/hで走らせれば、わずか56kmの新線整備で最大1時間の時間短縮ができる。整備前後の比較は次のとおりだ。

 綾部〜園部間は、現行42kmで35分かかる。新線なら32.5kmで13分となり、22分の時間短縮が実現する。園部〜亀岡間は、速度向上により1分短縮し、所要時間は10分になる。亀岡〜新大阪間は、現行59.2kmで53分かかる。新線なら、亀岡〜茨木間23.8kmを180km/hで9分、茨木〜新大阪間10.8kmを130km/hで6分かかる。130km/h運転はJR京都線の新快速ルートを活用し、途中減速を合わせて計34.6kmで16分となる。これで37分の時間短縮が実現する。

 これにより、綾部〜新大阪間は、途中停車時間を含めて最速41分となり、1時間短縮される。1時間もの短縮は新幹線でないと難しいが、山陰線の線形だからこその効果だ。その他の主な区間の特急の所要時間は次の通りになる見込みだ。

 新大阪〜亀岡間は16分、新大阪〜園部間は27分、新大阪〜西舞鶴間は1時間ちょうどとなる。

山陰新線整備案。データイム編大阪方面(30分サイクル)想定時刻表(画像:北村幸太郎)
関空アクセスも大幅改善
 西田氏が夢見た舞鶴から関空への直通が実現すれば、山陰線沿線からの海外旅行が便利になるだけでなく、関空から舞鶴へのインバウンド送客にも大きく貢献するだろう。そのため、増発を兼ねて、関空から京都行きの特急「はるか」に加えて、180km運転に対応した車両で東舞鶴行きの特急も設定できるだろう。

 現在、JR阪和線では15分サイクルのダイヤが組まれ、関空特急「はるか」は30分おきに運行されている。特急「はるか」の間に特急「くろしお」が1時間おきに運行されている。これにより、1時間にもう1本特急を運行できるダイヤ枠が空いている。その枠を活用して、東舞鶴行きの特急を作ることができる。

 これで関空〜東舞鶴間は最速2時間ちょうどとなる。このほか、関空から綾部は約1時間半、亀岡へは1時間8分だ。

山陰新線整備案。データイム編亀岡方面(30分サイクル)想定時刻表(画像:北村幸太郎)
通勤圏拡大にも貢献
 180km特急による時間短縮効果は驚異的だが、快速列車による通勤圏拡大効果も大きい。快速列車は従来どおり、最高時速130kmで運行されるが、それでも大阪〜亀岡間は31分、大阪〜園部間は47分に短縮される。JR宝塚線の大阪〜新三田間が43分で、線形がよい新線に切り替わったことで実現したことを考えると、十分に通勤圏として成立するだろう。これにより、園部〜亀岡間は現在のように特急以外で1時間に1本か2本という本数ではなく、都市圏並みの毎時4本程度が走る路線になるだろう。

 大阪行きと京都行きの快速を交互に運行し、京都行きは亀岡で関空快速に接続するようなダイヤも考えられる。京都行き快速を増発するために、普通列車の半数は嵯峨嵐山折り返しとし、代わりに快速は馬堀駅に停める形で増発を実現できるだろう。

 また、建設中のなにわ筋線に線路が繋がるため、特急「はるか」だけでなく、関空快速の乗り入れも考えられる。大阪市都市計画局によると、なにわ筋線開業後、関空快速が毎時4本、南海の急行が毎時4本乗り入れる予定だ。阪急によれば、南海急行のうち毎時6本を阪急新大阪行きに変更したいと考えている。そのため、残りの2本の関空快速を亀岡まで延ばすことができる。これにより、一般列車による関空アクセスが向上し、大阪ミナミへも便利に出られる路線が実現する。亀岡〜JR難波間は42分、亀岡〜天王寺間は49分となる。

 関空快速は天王寺で大和路線の普通列車に同一ホーム接続するダイヤとなっており、大和路線沿線から亀岡の京セラサンガスタジアムへの観戦利用にも便利になる。大阪発着の快速は茨木でJR京都線の快速と同一ホーム接続される予定で、亀岡から尼崎、芦屋、三ノ宮、神戸へも出やすくなる。亀岡〜三ノ宮間は1時間1分になる見通しだ。

亀岡〜茨木間新線ルート図(画像:北村幸太郎)
沿線街づくりにも貢献
 整備新幹線における課題のひとつは、都市圏に近い区間の自治体がメリットを感じず、反対することだ。

 北陸新幹線の滋賀県や京都府、西九州新幹線の佐賀県などがその例である。今回のケースでは、大阪府、特に茨木市と高槻市にもメリットがなければならない。そこで、茨木市と高槻市にそれぞれ新駅を設置する案を考慮した設計を検討するべきだ。また、できるだけ未開発地を通過させ、開発利益を還元できるようにしたい。

 Googleマップで調べてみると、茨木駅から数百mの地点でJR京都線から分かれ、北に進むとサイゼリア茨木安威店の横に広大な未開発地が広がっている。この場所に安威駅(仮称)を設置し、その後、東北方向に進み、摂津峡大通りとの交点や妙力寺付近に摂津峡駅(仮称)を設ける。ここも広大な未開発地の中心となる新駅設置になる。さらに、この摂津峡駅には追い越し設備を設け、180km運転の特急が一般快速列車に邪魔されずに走行できるようにする。

 亀岡市内は、高槻市との市境まで1kmの地点に住宅地「南つつじヶ丘」が広がっている。摂津峡駅から14kmほど進んだトンネルを抜け、ローソン亀岡つつじヶ丘店付近に南亀岡駅(仮称)を設置し、周辺住宅地の利便性向上に貢献する。その後、西にカーブしながら2.4km進むと亀岡駅がある。

山陰新線乗り入れ。園部駅・亀岡駅部配線図(画像:北村幸太郎)
新線部分56.3kmの事業費
 中速鉄道は安価だと言われても、実際にはどれほどの費用がかかるのだろうか。新幹線と在来線では断面積に違いがあるが、工費に大きな差が出るかと言うと微妙だ。そこで、近年開業した新幹線のキロ単価を見てみよう。

 北陸新幹線敦賀開業時はキロあたり146.4億円、北海道新幹線札幌延伸はキロあたり109.2億円、西九州新幹線はキロあたり92.5億円だった。

 これらの例から、概ねキロあたり100億円として計算するのが妥当だ。新線区間が56.3kmなら、工費は約5630億円となる。もしフル規格で建設する場合、園部〜亀岡間の14km分で1400億円、茨木〜新大阪間の都市部10kmでは5000億円がかかると予想される。

 新大阪〜綾部間の建設費は1.2兆円となる。つまり、在来線を活用しつつ新線を一部作る中速鉄道なら、約半分の費用で済む。しかも1時間の短縮が可能だ。

四方源太郎議員(画像:北村幸太郎)
地元の府議は
 中速鉄道案は、明るい未来を描ける内容だ。以前から山陰線の強化、特に複線化を訴えていた綾部市の四方源太郎京都府議に、本案の概要と資料を見せたところ、以下のようなコメントをもらった。

「綾部市民にとってはよいプランです。山陰線の複線化にもつながる最高の案です。ただ大阪府が了解してくれるか? JR西日本が認めるか? という問題はありますが、京都府は乗れる案だと思います。また、綾部駅〜京都駅の現在、毎時1本ある特急がどうなるのか、というのは感じますが、懸念はそのくらいです」

懸念はあるものの、地元としてはフル規格新幹線による山陰新幹線よりも乗りやすそうなプランのようだ。

 大阪府は、前述の新駅設置と沿線開発をセットにすればメリットを享受できる可能性がある。また、この新線の建設費を鉄道会社に丸々負担させることはないだろう。鉄道会社が納得できる新たな制度設計を、石破総理には期待したい。

茨木駅付近配線計画図・断面図(画像:北村幸太郎)
中速鉄道一辺倒ではない議論を
 中速鉄道は新幹線と比べると速達性で劣るかもしれない。

 しかし、大都市圏に近い区間では、通勤圏の拡大や空港アクセス向上など、新幹線では得られない効果が期待できる。北陸新幹線よりも沿線人口が多い四国新幹線には通常タイプの新幹線が適しているが、山陰新幹線沿線の都市規模なら中速鉄道がちょうどよいかもしれない。

 整備区間沿線の都市規模に合わせて、フル規格新幹線と中速鉄道をうまく使い分けることができれば理想的だ。

 山形県の羽越線には立派な複線トンネルが作られているが、複線化計画が頓挫し、未使用のまま放置されている場所がある。これはもったいない。中速鉄道化を検討して、ぜひ活用してほしい。

間で1日約8800台通行…国道9号線混雑緩和や東西移動時間短縮など効果
山陰道出雲IC−出雲多伎IC間で1日約8800台通行…国道9号線混雑緩和や東西移動時間短縮など効果

(TSKさんいん中央テレビ) 03月16日 16:00
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備蓄米 一部のスーパーで販売開始 どこで?いくら?都内取材で発見【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年4月1日)

2025年04月02日 14時13分36秒 | ニュース
https://youtube.com/watch?v=ZTf7vPDdQ0I&si=dbhsPlHRQN6Mp4HL
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「日本一運賃が高い」の噂も返上へ!? 南海「泉北線」誕生の大きな“意味” 長年のライバルに差をつける

2025年04月02日 04時36分58秒 | ニュース
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「日本一運賃が高い」の噂も返上へ!? 南海「泉北線」誕生の大きな“意味” 長年のライバルに差をつける
乗りものニュース 2025年03月31日 09時42分

「日本一運賃が高い」の噂も返上へ!? 南海「泉北線」誕生の大きな“意味” 長年のライバルに差をつける
南海電鉄と泉北高速鉄道が合併し、「南海泉北線」が誕生。一連の融合策の総仕上げとなります。南海は「日本一運賃が高いと言わんとってな」と自虐ネタで値下げをアピールし、ライバルの地下鉄に対抗します。

沿線住民には“朗報”の合併
 大阪府南部を走る泉北高速鉄道が、今年2025年4月1日付で親会社の南海電気鉄道に合併され、泉北高速線は「南海泉北線」に生まれ変わります。今回の合併は、沿線住民には“朗報”です。

 泉北高速線改め南海泉北線は、堺市の中百舌鳥(なかもず)駅と和泉市の和泉中央のあいだ14.3kmを結びます。泉北ニュータウンの中心である泉ケ丘駅から、南海高野線を経て大阪ミナミの中心地である難波駅まで直通の準急で28分、特急で24分と利便性の高い路線です。

ただ、1971年の開業から半世紀以上、泉北高速と南海が別会社であったため、利用者は初乗り運賃を2回払わざるを得ず、「日本一運賃が高い」との噂も広がりました。それが、今回の合併で両社の運賃が通算化されるのです。新しい運賃体系はどうなるのでしょうか。

定期の値下げ率がスゴイ!?
 利用の多い泉ケ丘駅で考えると、泉ケ丘〜難波間21.2kmは490円となり、3月現在と変わりません。泉ケ丘〜堺東間こそ90円値下げとなるものの、他の大阪市や堺市の南海駅への運賃は10〜30円値下げに留まります。すでに乗継運賃100円割引が2015年から適用されているのと、南海の運賃水準が他の大手私鉄より高めなのが原因です。

 しかし、値下げ幅が大きいのは定期券です。

 泉ケ丘〜難波間の1か月通学定期(大学)は9670円→ 6060円と3610円の値下げ。1か月通勤定期は2万3980円→ 1万8770円と5210円も安くなります。通学定期は平均38.8%、通勤定期は同25.5%の値下げとなります。

 ちなみに、泉ケ丘〜難波間を中百舌鳥駅で地下鉄御堂筋線に乗り換えるルートだと、1か月通学定期(大学)は現在9140円。今は南海高野線ルートより安いですが、この“逆転現象”も解消されます。泉北ニュータウンから大阪都心へ向かうのに地下鉄利用から南海利用に切り替える利用者も増えそうです。

もともと南海も大阪市も難色示した「泉北ニュータウン新線」
 泉北高速線の電車の多くは南海高野線に直通しますが、なぜ別会社で建設されたのでしょうか。その発端は1960年代、大阪府が泉北ニュータウン構想を打ち出す中、1965年1月に南海へニュータウン新線の建設を要請したことにさかのぼります。このとき南海は難色を示しました。

 当時は南海本線の複々線化、難波駅の大改造、高野線複線化などに巨額の投資をしており、さらに新線建設に莫大な費用を投じる体力がありませんでした。ニュータウンの計画人口は18万人とされましたが、人口が定着するのに何十年かかるか。それまでは巨額の投資をしても利益は出ません。

 もう1つ、大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)御堂筋線の堺市東部への延伸構想もありましたが、大阪市も色よい返事をしません。市営地下鉄ゆえに、市外への延伸に消極的でした。南海もライバルとなる地下鉄の延伸に反対していました。

 そこで大阪府は1969年、大阪府都市開発株式会社の手で新線を敷設することを決めました。同社は東大阪市と茨木市でトラックターミナルを運営しており、大阪府が49%を出資する第三セクター会社でした。

 こうして1971年に泉北高速線中百舌鳥〜泉ケ丘間が開業し、1977年に光明池まで延伸します。大阪府都市開発こと泉北高速鉄道は施設と車両を保有しますが、当初、社員はわずかな事務員だけ。運転士や駅員、電気、土木のスタッフは業務委託を受けた南海の社員でした。

 泉ケ丘駅、栂・美木多(とがみきた)駅、光明池駅の3駅がニュータウンの核となり、地区センターを中心としたまちづくりが行われました。

 さて、泉北高速線の利用はどうだったのでしょうか。

「大阪府統計年鑑」によると、南海中百舌鳥駅の他会社線(泉北高速線)からの乗車人員は1972年で1.6万人/日でしたが、1975年に3.4万人、1980年には4.5万人にまで増えました。

 泉北高速線の利用者の8割は南海線も利用しますが、初乗り運賃を2回払わねばならないぶん、他社線より割高となります。これが住民にとって長年の不満の種でした。

 ちなみに、ニュータウン新線の建設・経営が事業者に重荷で延伸が困難なため、後に国と自治体から工事費の32.4%の補助が出るようになりました。これは泉北高速の苦境が新制度設立のきっかけとなったのです。

地下鉄きちゃった! 南海は「露骨な施策」で対抗
 泉北高速をめぐる状況が変わったのは1987年です。同年4月、地下鉄御堂筋線の我孫子〜中百舌鳥間が開業しました。堺市の悲願がようやく叶いました。

 これに困惑したのが南海です。泉北高速線から中百舌鳥駅で地下鉄に乗り換えて大阪都心へ向かう人たちが増えて、高野線の大幅な利用減が予測できたからです。

 そこで奇策を打ちました。地下鉄延伸の直前にダイヤ改正を実施し、朝夕のラッシュ時に光明池〜難波間を速達する区間急行の運行を始めました。

 この区間急行は泉北高速線内で深井駅までの各駅に停車して高野線に乗り入れますが、地下鉄との接続駅である中百舌鳥駅を通過します。御堂筋線への乗換を不便にする露骨な策で、新聞に批判されたりもしましたが、それだけライバルの登場に危機感があったのでしょう。

 実際、南海中百舌鳥駅の他会社線からの乗車人員は1986年5.7万人/日から1988年4.6万人と2割減となります。この減少分が南海高野線から地下鉄に流出したと思われます。

 泉北高速線の利用のピークは1996年です。前年1995年に光明池〜和泉中央間が開業し、和泉市の丘陵部に整備されたニュータウン「トリヴェール和泉」への玄関口となりました。これに際し運転士や駅員も泉北高速の社員に切り替えられました。

 ただ、泉北高速線の乗車人員は1995年16.6万人から、2005年14.1万人、2015年13.6万人と20年間で約2割減少します。2013年には朝の10両運転を中止しました。

 泉北ニュータウンには、第一次ベビーブーム世代、その子供の第二次ベビーブーム世代が多く居住していましたが、人口は1992年の16.5万人をピークとして、2020年には11.7万人まで減少しました。住民の高齢化、若者の域外流出が進み、通勤客数も減りました。

「南海泉北線」はニュータウンを再生できるのか
 この間、政治的な論点となったのが、大阪府都市開発の株式売却問題です。2008年の大阪府知事選で当選した橋下 徹知事は、大阪府都市開発について府の持ち株49%分を売却する方針を打ち出します。

 その後、大阪維新の会設立、「大阪都構想」、泉北高速線の地下鉄直通構想、アメリカの投資ファンドに優先交渉権、地元の反対……と紆余曲折があり、2014年、府議会は南海電気鉄道に大阪府都市開発の株式を約750億円で売却する議案を可決しました。関西電力や大阪ガスなど民間保有分を除くと府の売却益は約367億円で、府はこれを積み立てて北大阪急行の箕面市延伸などの原資としました。

 この年の7月、南海は大阪府都市開発を100%子会社として、社名を泉北高速鉄道株式会社に変更しました。

 翌2015年3月より、泉北高速線と南海線との乗継割引額は、従来の20円から100円に変更されます。実質的に80円の値下げとなり、泉ケ丘〜難波間の運賃は540円から460円となりました。12月から有料特急「泉北ライナー」の運行も始まりました。

 こうした施策が功を奏したのか、泉北高速線の乗車人員は2015年13.6万人、2019年13.4万人。何とか下げ止まった感もあります。そして一連の仕上げとなるのが、今年の南海と泉北高速の合併です。

 筆者が合併前の3月23日に現地を訪れると、「南海泉北線スタート」「日本一運賃が高いと言わんとってな」と書かれた垂れ幕が掲げられ、電車のラッピング、ヘッドマークも施されていました。車内の路線図は早くも「南海泉北線」となっていましたが、一部の駅名標や案内板に「泉北高速鉄道」の表記が残っていました。

 泉北ニュータウンの将来人口は2030年9万人とさらなる減少も予測されていますが、堺市は持続可能なまちづくりと人口増加に取り組み、南海も泉ケ丘駅前活性化計画など新たなプランを打ち出しています。4月から「南海泉北線」となることで、ニュータウンの新たな魅力の創造につながることを期待したいものです。
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