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息苦しい世の中で 自由に語り合える空間を

自由でも民主でもない この日本を もっともっとよりよく変えていくことができるように たくさんの知恵を語りましょう。

テンポ良く 個性豊か

2013年11月16日 21時38分58秒 | 素人の劇評
「シット☆コム」ZIPANGU Stage
11月16日(土)14:00の部
大塚 萬劇場

笑いをとるには、間が大切だと言われているが、それすら吹き飛んでしまうほど
テンポ良く、軽快な台詞のキャッチボールを繰り返して、あっという間の90分と
なった。
正直言って、ストーリー自体はあまり独創的でも奇抜でもない。
しかし、それでもなお、客から「爆笑」をとれるのは、俳優陣の個性であり、練習量
であると思う。
テレビ局、生放送を前にアクシデント発生。その解決、処理にあたふたするスタッフ。
常に時間との闘い。
客もスタッフの心情とシンクロするように、一喜一憂していたと感じた。(会場は、知人、
家族が多かったこともあったのだろうが)
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「君がいく先に 光がさすように」 しんみりと

2013年11月09日 23時15分03秒 | 素人の劇評
11月9日 14:00の部
「君がいく先に 光がさすように」演劇企画ハッピー圏外
下落合 TACCS1179(俳協ホール)

市井の、ごく平凡だと思われる女性にも、これだけの歴史の重みがある。
そんなことを深く考えさせられた劇だった。
戦争に、いわれのない差別に、立ち向かい、翻弄されながらも、常に
「前に向かって生きていく」。
押しつけがましい台詞や、ねじ曲げられた状況の設定もなく、素直な気持ちになって
物語の中に入り込んで観ることでできた。(元恋人の出現時期にはやや合点がいかなかったが)

この劇は、主演女優が、交代で出演している。私は、塚本茉莉子さんが主演の組を見たが、気丈で
働き者、優しさの伴った役を、「はまり役」という言葉がぴったりするくらいこなしきっていたと
思えた。
大声の役と、調子のよすぎる笑いの役については、当初とまどって観ていたが、芯がくずされている
わけではなく、アクセントとして「まあいいか」程度の印象となった。

ここの劇団も「年配者」のいない若者集団である。今回の劇でも、1人いただけでも、もっとしっとりと
したものになったにちがいないと思えた。

劇団の名前からして、もっと軽い劇になるのかなと「誤解」していた。
「シェルブールの雨傘」を思い出しながら、涙腺を少し弛めて魅入ってしまった。

すてきな劇に、感謝。
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テンポよく なによりも・・・

2013年10月13日 20時23分55秒 | 素人の劇評
10/13(日)14:00
スリークウォーター第12回本公演「トキグルマ」
新井薬師 ウエストエンドスタジオ

楽しい2時間を過ごせた。
なによりも私がよかったと思うのは、役者陣が、観客と一緒になって、劇を楽しんでいたということ。
もちろん役作りなども、しっかりとしていた上で。
タイムスリップの展開については、それが成功していたかどうかは、私には分からないが、現在と過去とを
交互に、そして重ね合わせながら、進めていく方法には無理なく観ることができた。
ネタバレになってしまうので、多くは書くことができないが、結末は、もうひと工夫があってもいいのかなとも。
せまい舞台で、観客の足を気にしながらの殺陣、舞台装置の工夫など、大舞台ではない苦しみ、制限に立ち向かい
ながらの公演には頭が下がった。
個人的には、斉名高志さんの、器用な役の振り分けが印象に残った。
今回は、痛快な笑いを楽しもうといった気持ちで足を運び、満喫できたことで、帰り道、冷たい風が吹き始めたにも
かかわらず、(ついでに新井薬師駅前で、すてきな古本屋を見つけたことも相乗効果として)「今日はついていた」
と思えた日曜日となった。
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少しも飽きずに二時間

2013年09月29日 23時11分54秒 | 素人の劇評
「ナイゲン」
Aga-risk Entertainment
9月29日 13:30の部 新宿 シアター・ミラクル
何度も再演を繰り返しているだけあって、ストーリーといい、台詞のはぎれのよさといい、二時間の劇で、少しも「睡魔」に襲われることなく観劇することができました。役者さんたちは、再演ごとに代わるのでしょうが、今回の役者陣も、それぞれが個性豊かな役を演じていましたし、みなさんのしっかりとした役作りのために、好演を、さらに光り輝かせていたように感じました。話し合いの劇を二時間続けるだけでも冗長さが出てしまうものなのだと思いますが、そんなことも微塵も感じさせませんでした。「12人の怒れる~」に匹敵するかなと。少し褒めすぎたかもしれませんが、正直な感想です。
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夏色プリズム 進化・発展に期待

2013年08月19日 00時20分38秒 | 素人の劇評
8/18 15:00の部
「クロスワールド」夏色プリズム
北池袋 新生館シアター

この劇団は2回目の公演。1回目に好印象を与えてくれた劇団です。

「オリジナルで、しかも初回の公演としては、すぐれた作品だったと思いました。いくつか私の頭に引っかかったり、ここは修正したほうがいいなと思ったところはありますが(これはあとで)、近未来の(いや、もうすでに現実かもしれません)、しかも重いテーマ。これからの長い劇団の再演により手直しをして、さらに磨いていけばいいのだろうと期待もこめて、「良かった」という総評を。 ひとつ感心したことがあります。それは、7人(だと思いました)の出演者全員が、台詞の言い回しの乱れもなく、おそらくは「十分に練習したのだな」と思わせるだけの劇であったことです。最近いくつか観た劇団にはなかったことです。当たり前のようですが、なかなかできないことです。その練習量があってこそ、劇の内容も、稽古の中でさらに深まり、進化するものだと思うのです。 この点では、自信を持っていい「すぐれた」劇団だと評価できます。「ああ、きっとこれから伸びていくだろうな」と。
人の生きてきた歴史を評価することはとうてい不可能なことです。おそらく神ですら、「そんなことはできない」と答えるものでしょう。ですから、それが誰かの「専決」となった場合、その役を授かった田中の機械的判断は合点がいきます。ですから「情を挟まぬ」という流れは、私は自然に受け入れられました。残酷ではあっても。
さて、いくつか注文です。内容と演出、混在します。
①暗闇の中での破裂音、インパクトある演出だとは思うのですが、私は苦手です。(苦笑)ちなみに私の座席の周りのお客は、軒並み椅子から飛び上がっていました。大きな劇場なら差し支えないのですが、ここのようなステージが間近の場合、ちょっと恐怖心が蓄積されます。私は暗転のたびに身構えてしまいました。どこの劇団か忘れましたが、「暗転の際に大きな音が出るときがございますので・・・」の前置きがありました。検討してもいいのかなと。
②田中の「失敗」は、無理があります。「生きるはずの両親」の事例など、それまでにもたくさん遭遇するはず。判断を変えたにせよ「それが運命」としないことには、この職はやっていられないと思います。別の「失敗」を検討すべきかと思いました。
③役者さんは適材適所で、好感を持てました。田中役の柘植さんも、適度に「重み」を感じさせました。先にも書きましたが、台詞、滑舌がいいですね。
④奇跡の復活は「情に流された」せいなのでしょうか。(笑)残酷であってもよかったのでは。これがなくても、クローンも「一個の人格」だとわかります。それでよかったよかったなどと感じるものではありません。ラストをうまく書き換えられると締まったものになるのではないかとも思いました。

原田さんから、挨拶を受けました。光栄です。予想より、ずっとずっと若く、「好青年」の印象。次回、そしてそれ以降の発展に期待をして。」
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意欲的な社会派劇団に敬意

2013年08月13日 11時48分56秒 | 素人の劇評
8/12(月)14:00
「オレンジの迷信行動」ナイスコンプレックス
新宿 サンモールスタジオ

4連続観劇
これも「アンケート」の回答の引用です。

「至近な事件を扱い、しかも「練りに練った」構成にしていることの、劇団の意欲に頭が下がります。この事件は、あまりにもマスコミ、「世論」(この言葉も曖昧ですが)に振り回され続けていただけに、それをどのように展開させるかと興味を持って魅せていただきました。 両天秤にかけたものにしてしまったのかなと、やや不満足な点はあるものの、逆に言えば、バランスのとれた劇となったのではないでしょうか。 その展開の仕方も、ノンストップの切り替えで、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。 俳優さんの演技も、先に指摘されていた「気になる噛み方」の方の存在もわからないほど。きっとここを読んで必死に練習したのではないでしょうか。 私には、むしろ「絶叫」の方に、ちょっとばかり「うんざり」してました。そんなに声を嗄らすまで叫ばなくてもいいのに・・・ あとは、内容の感想です。
光市の事件は、安田弁護士の選任、橋下氏の「やめさせろ」発言と、その後のバッシング現象、実名本の出版、一気に死刑制度存続に対しての感情的な世論の形成など、私たちを冷静にさせることなく、むしろ翻弄されつづけてきた事件だと記憶しています。
私は「人間の判断は間違えるものだ」「冤罪は常につきまとうものだ」という理由から、死刑制度は廃止すべきだと考えています。もちろん被害者家族の感情も無視できませんし、死刑がなくなることで犯罪がはたして増えることはないのか、などということも心許ないものなのですが。
あ、劇に戻ります。箇条書きに印象を。
①前半の「法学入門」。賛否両論あるでしょうが、これはこれで私には序章としてよかったと思いました。「罪と罰」、この二つを混同している風潮がありますよね。それに対する警鐘という意味でも価値はあったと思いました。
②老婆の誕生日を「5/3」にしたので、てっきり憲法の権化と思っていましたが、劇団の方に聞いたところ「死刑制度」とのことでした。聞き間違いだったのかもしれませんが、観ている客には、もっとすっきりとした演出でもよかったのでは。
③最後の台詞が「死には死を」のような内容だったと思います。これは別の台詞にしないと、せっかくバランス感覚で展開していた劇が、一気に「死刑は当然」に傾いてしまいます。ここはもっと含蓄のある言葉にしてはどうかなと思いました。

とはいえ、観劇のあとで、光の事件、死刑制度について、あらためて学び直そうという意欲が湧いてきました。
私にとってこんな気持ちにさせることは、観劇後になかなかないものです。
ありがとうございました。リピーターになりますので、次回も期待しています。」
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方向性がつかめない劇でした

2013年08月11日 23時14分15秒 | 素人の劇評
8/11 14:00
助六恋愛相談所 コント作家ユニット 6L工場
新宿 シアターミラクル

三日連続で劇を観ています。(明日も観ます)
今回は、ちょっと不思議な劇でした。というよりも「よく分からない劇」。
これも「コリッチ」の「観てきた」の欄に書いたものです。

「正直、「面白い」にはほど遠い劇でした。(すみません) 6人の作家の競作だからなのでしょうか、また、それぞれをつなげようとしてうまくいかなかったのか、それとも「不条理」的な劇として、客を寄せ付けないという劇団の方針なのか、私にはわかりませんが、見終わったときに、とても疲れてしまったことを覚えています。 笑いをもっととることを目指しているならば、もっともっと劇の流れを単純にしなければならないでしょうし、言葉の、演技の奥底に、情念やら思想などを盛り込みたいのなら、もっと鋭い演技と台詞の精選が必要だと思います。 「コント」という言葉を標榜しているところを見ると、やはり客がゲラゲラと、腹を抱えて笑うことを目指しているのだと思えます。 笑いというのは、「意外性」「奇抜」などの前提として、劇、劇団に対しての「安心感」があると思うのです。「ああ、ここはきっとこんな風に展開するのだ」「その間に、きっとなにかあるにちがいない」といったもの。そこで予想通りの「意外」に安心して笑える。ちがうかなあ。 今回の劇は、落ち着いて観ていることができないでいました。「風」が読めなかったからです。ですから、白装束も、すきやきも、なにもかも、よく分からないままで、カーテンコールの時間となってしまいました。 他のお客さんはどうかは不明ですが、私には「楽しめる」ものとはなりませんでした。」
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機関銃のような言葉遊びに抱腹 しかし

2013年08月10日 21時46分01秒 | 素人の劇評
8/10 14:30
「バカの瞳はもれなく綺麗」GORE GORE GIRLS
北池袋 新生館シアター

かつて勤めていた下板橋の隣の駅。池袋に近い町でありながら、くすんだ印象のあるところだ。
ちょうど国鉄が民営化する寸前。ここには、国鉄の家族寮があり、どこの家庭でも、民営化を受け入れる立場と、それを認めないで抗議を
続ける立場との選択で、苦渋の選択を強いられていたはずだ。

コリッチの「観てきた」欄に書いたものを転記。

「おもしろかったです。とりわけ言葉の選び方がいいですね。奇抜な比喩や定義づけが、機関銃のように発せられて、私もお客さんと一緒になって肩を震わせて笑っていました。 ただ、ただ、です。 私の好みとしては、このようなギャグやらコントに近いものだけでは、物足りなさも感じています。(「じゃ、コントってなんだ、ギャグってなんだ。演劇とどう違うのか」なんて言われても答えられませんが)後半になると、ちょっと「楽しいはず」の台詞が鼻についてきてしまいました。 ストーリーとか、表現・演技とか、そんなものを中心にした楽しみ方をしてきた私には、その「薄さ」が、物足りなさの理由だと思います。 こんなジャンルの劇もありだし、それで笑い転げているお客の存在も、まったく否定するものではありません。 笑わせることは、なかなか難しいものですから、それはそれで素晴らしい劇団です。 すみません。奥歯にものがはさまったような評し方で。 」
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切なく 重く すばらしい人生

2013年08月08日 20時31分38秒 | 素人の劇評
「しゃぼん玉の欠片を集めて」東京ハンバーグ
8/8 14:30 プレ公演
八幡山 ワーサルシアター

久しぶりに、俳優さんの役に惚れこんだといえる劇を観せていただきました。あまり私にはないことです。 登場人物は、どこにでもいる市井の人たちです。しかし、その誰もが素敵な表情をしている。誰もが、一日一日を真摯に精一杯生きている。それが伝わってきました。 おそらくは多分に脚本の力強さにあるのでしょうが、どの役柄も個性的で、重みを感じました。 個人的には、相原さんの魅力的な演技、表情、山岡さんの表に出さない隠れた演技を、じっと観ていました。 年寄りくさい言い方ですが、人生とは、なんと重く、切なく、それでいて素晴らしいものなのでしょうね。 少し褒めすぎかもしれません。 脚本と演じるものとが、うまくマッチした今回の劇。次回での更なる発展に期待。
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死ぬまでにしておきたいこと

2013年07月28日 23時42分46秒 | 素人の劇評
7/28(日)14:00
劇団パセリス「死ぬまでにしておきたいこと」
池袋 シアターグリーン

「仕事」をテーマにしたオムニバス。
それなりに面白い劇の集合であったと思うのですが、私の心の琴線には、どうも
ひっかかることはありませんでした。
見終わったあとで、いつも「これはどうして感動したのか」「なぜ感動しなかったのか」
を考えるのですが、今回は残念ながら後者の思考です。
私の出した結論は「技巧に走っている」ということでした。
おそらく脚本を書いた方は、「いかにお客に、笑ってもらうか、お客に、ほーと言わせるか」
を最優先して考え、考え、考え抜いて書いたのではないかと思います。
それはそれで当然なことですし、そうあってほしいのですが。
しかし、私はテーマである「仕事」について、もっともっと深めていってほしかった。
その中身で、笑いをとってほしかったと思うのです。
心に響くことがなかったのは、「内容」での感動が足りなかったせいだと思ったのでした。
現実の「仕事」は、ますます「やりがいのない」ものとなりつつある昨今です。
過労死、名ばかり店長、派遣社員、契約社員、窓際、ブラック企業・・・
切り込むものはいくらでもあります。
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爽やかさが残った劇

2013年06月22日 23時24分21秒 | 素人の劇評
6/22(土)14:00
「四の五の言わずに恋しろリーマン!」
Island act11  池袋 シアター・グリーン

観客と一緒に、喜び、悲しみ、ハラハラドキドキする。
そんな一体感のある劇でした。
テンポもよく、あっという間に1時間45分が過ぎてしまい、退屈な劇では、いつも「船を漕いでしまう」私は
そんなこともなく、最後まで観続けることができました。
それは、どうしてか。考えてみました。
一つに、ありふれたフツーのサラリーマンの世界という、私たちと、ごくごく至近距離の設定であったこと。
どこにでもいる、出世にも、結婚にも、保身にも、ちょっぴりこだわる、しかしそうもいかない現実のサラリーマンの世界。
それが、半ば自分のこととして、観ることができること。
脚本も、歯切れ良い台詞を連ねてあり、妙に深刻で、理屈っぽくない、さわやかさが感じられました。
最後の「落とし前」も、けっして「きれいごと」にしなかったこともグッドでした。
2つ目は、役者さんの個性。
突出した方はいなかったと思いますが(失礼!)、みな「役」になりきっていたと感じました。これは、台本をしっかりと把握
する努力と、妥協しない練習の賜物でしょう。早口を要求された場面での「噛む」場面は、いくつかありましたが、大勢に影響
なし、でした。
3つ目は、劇団の「団風」。きっと和気藹々と、しかし厳しく練習し、より上を目指しているのだなと感じました。
少し褒め過ぎかもしれません。

注文については、ひとつだけあります。
まあ、架空の物語ですから、いいのかなとも思いますが。
管理職の描き方です。実際には、こんな「できた」人はいませんよね。
まっ、いっか。

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がんばれ美香子「なにそのタイトルやめてよ」

2013年06月02日 22時20分54秒 | 素人の劇評
6/2 13:00
制作委員会 新宿シアター・ミラクル

80と聞く座席は、ほとんど満席。期待の現れか、それとも劇団員の集客能力が高いのか、縁故関係が密なのか。とにかく会場は、閑散としているよりもずっといい。3つの物語の公演という。オムニバスは、その演目すべてをそろえることは、なかなか難しいと思うが、はたして、そんな悲観的な予想は、残念ながら当たってしまったようだ。
さて私の感想。
1つ目と2つ目は、哀しいかな、ほとんど印象に残らなかった。強いて印象を書くとすれば、ストーリーも、演技も、稚拙であり、ほとんど私は笑えなかったと思う。笑いをとろうと意図したと思われる箇所も、それは大げさな演技や大声なのかと邪推したくなるほどのレベル。「これで最後までつきあうとしたら辛いな」と。
3つ目の「それでも彼女を愛せますか?」
これは、テーマとしてとても面白かった。ホッ。
アイデンティティ。その人がその人たらしめるものとは、いったい何なのか。これは、私もよく考えていることなので、興味深く魅せていただいた。劇としても、引き込まれるものがあり、前の2つをなくして、こちらをもっとふくらませて表現してほしかったほどだ。
一勝二敗。そんな印象の、今回の劇。

2つほど注文。ひとつは、やはり年齢構成。若い人ばかりの熱気は買うが、やはり軽い。重みがない、安心して観ていられない。みな俳優が同じように見えたのも、そのせいかもしれない。人との関係の中で、人は「個性的」になるのだから。
ふたつめは、舞台。バックがあまりにも簡素すぎる。舞台美術、装置も、劇の重要な構成要素ではないか。資金の乏しさもあるのだろうが、もっと「こだわり」をもってほしかった。

若者の集団は、未熟ゆえに、伸びしろは限りなく大きい。
とことん論議し、とことん稽古し、ひとまわりもふたまわりも大きくなって、舞台に再登場することを
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笑いをとるということ

2013年05月06日 18時04分55秒 | 素人の劇評
5月6日 14時の部
Bye -bye,Sneajk
劇団スクランブル
下北沢シアター711

酷な言い方ですが、コメディと銘打ったわりに、面白かったと思えた部分の少ない劇でした。
帰り道、それはなぜなのかを、一生懸命に考えてみました。
ひとつめは、やはり脚本、配役、演出の問題です。笑いは、意外性だったり、ああなるほどと思わせる皮肉や批評であったり、そんな台詞や演技からわき起こるのだと思います。
今回の劇は、市井の、普通の若者が、たぶんこんな冗談を交わすであろうという予想があり、その予想が外れることなく、冗談を言う。そんな台詞の行き交いでした。だから、意外性がなく、私の中では、なにも動かされるものがない、つまり、笑えない、そんな感じを受けました。
彼ら、彼女らが、もっとダンディーで、スマートであったなら、少しイメージが変わっていたかもしれない。それは脚本からくるものだろう。
配役にも不満がありました。それはあとから。
演出は、単なる文字の羅列である、脚本に、血や肉を加えるもの。身体表現や、間の取り方など、私には演出者の意図がはかりかねました。
二つめは、役者の構成についてです。若い劇団を見るたびに感じることですが、みなさんあまりにも若い。ここに一人でも、中高年役者がいたらなあと、感じるのです。この劇では、マスターあたりが、老けた、しかも落ち着いているようで、じつは小心者だったらどうでしょう。あ、これは脚本の問題。重みのある俳優を配置してほしかった。高校生か大学の演劇同好会のような印象しか残りませんでした。(失礼承知で)
若いだけに熱気、やる気は、充分に伝わってきます。
笑いをとるということは、とても難しいものだと、いつも思います。さらなる稽古と学習とを!
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ラッキーな期待はずれ

2013年04月28日 21時38分38秒 | 素人の劇評
4/28(日)14:00
「アベンジャーズ」カプセル兵団
八幡山 ワーサルシアター

 ヒーローものと聞いていたので、「ああ、アクション中心の活劇なんだ」「かつて後楽園遊園地で見た○○レンジャーを、ちょっとだけ大人の会話を入れた程度か」と、たかをくくり、期待もせず(劇団に失礼)、八幡山に向かいました。また、同行してくれた田中さんにも「あんまり今回は期待しないほうがいいかも」とか「なんか日替わりで俳優が好き勝手にストーリーをいじくるみたい。よほどのことがないかぎり、毎日どんな劇になるかわからない企画は、たいがいうまくいかないものだし」と、言い訳の先発をしていました。

 さて、劇を観た印象を。一言で言えば、「期待(もちろんマイナスの)を裏切り、よかったよかった」、です。
 アクションは皆無、チラシにあったように、現役の、引退したヒーローが、先輩の葬式に参列した際の会話劇です。そのやりとりが、実に巧み(脚本も役者の演技も)で、会場も笑いの渦に。
 喪服姿のダンディなヒーローたちが、それぞれに個性的であり、それをうまく生かした演出も心憎いかぎり。
 期待していなかった分だけ、さらに楽しみ倍増といった感じがしました。

 役者も、そして観客も一体となって楽しんだ、約2時間の公演、好演。
 とくに「ゲスト」なぞ呼ばなくても、それだけで私は満足でした。
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二転三転の醍醐味 「チチキトク」えにしにっき

2013年04月21日 21時28分07秒 | 素人の劇評
4/21(日)13:00
「チチキトク」えにしにっき
池袋 シアターKASSAI

最後まで、真相はどうなのか分からないという展開に、わくわくしながら観ていました。 もしかして、途中でわけがわからなくなったお客もいるのだろうなあと思うくらいの「二転三転」です。 私なりに楽しめたのですが、前述のように、「複雑さ」がウリだとしたら、それはあまり感心されるものではないと感じました。もちろん展開の妙として評価されるのでしょうが、客に向けて演じる以上、観ている側が、余計な負荷を抱えるのであれば、私なら、それは「ほしくないな」と思えるのです。 とはいえ、今回の「煩雑さ」は、許容範囲かなと・・・ 役者さんの演技は、みな個性豊かな面々で、それぞれの役を見事に演じていたと思い、好感が持てました。友情出演の方々のおかげなのか、また劇団の持っている力なのか、その両方なのか。役と劇団と俳優さんとが対応していないため、なんとも言えないのですが、チームワークも素晴らしかったと思います。 ひとつだけ苦言です。「笑いをとる」ことについてです。 意識的に笑いをとろうとする場面が何カ所もありましたが、正直ひとつも笑うことができませんでした。(私の斜め前の男性は始終声を出して笑っていましたが) そのほとんどが、声を張り上げてのせりふ。 そして無理矢理、「ここで笑え」といった見え見えのせりふの感があります。 施設の女医の甲高い声、母親(2人とも)の大きなパフォーマンスに合わせた叫びにも似た声。 そんなにしないでも笑えるものです。 「力む」よりも「力を抜いた」笑いのほうが、劇の内容からしてよかったのではないでしょうか。 生と死、あの世とこの世。 幸と不幸。 観る人、それぞれに感じるものがあったと思われる公演、好演でした。
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