goo blog サービス終了のお知らせ 

息苦しい世の中で 自由に語り合える空間を

自由でも民主でもない この日本を もっともっとよりよく変えていくことができるように たくさんの知恵を語りましょう。

「外交官」 青年座 おすすめです

2015年08月01日 22時15分24秒 | 素人の劇評
8/1 青年座「外交官」 代々木八幡 青年座劇場
 16:00の部

 期せずしてタイムリーな公演を魅せていただきました。
 私たちの世代から観れば、いったん咀嚼したものを、今度は改めてその確認と、時代の舞台裏での人々の苦悩とを結びつける機会となりましたが、若い世代の人にとっては、かなり難解であったのかと思います。
 しかし、その難解さは、どうしても観劇後の学習で埋め合わせてほしいとも願います。 日本が国際的に孤立し、さらに戦争に突き進んでいくことを、なぜ誰も止めることができなかったか。 この命題は、現在にも通じるものです。今も「先の戦争は、やむを得なかったのだ」とする人の多さ。さらには「日本は列強にはめられたのだ」と、肯定する考えも市民権を得ているむきもあるほどです。
 優秀な外交官をもってしても、戦争への時代の流れは食い止められなかった。だからこそ、戦争につながる、どんな些細なことにも敏感になって、芽を摘んでいく努力を、国民の1人1人がしなくてはならないのだと思いました。

 青年座は、大学生時代に、労演を通じて知った劇団です。40年ぶりの観劇でしたが、その真摯な劇団の姿勢は、相変わらずで安心して終わりまで観ることができました。

 さて劇評です。 まず脚本。骨太で、よく練られた構成です。時代を前後させ、記憶をだどりながらの展開は、無理なく私の頭に入ってきました。 そして役者陣。それぞれ個性を持った外交官を、誰もが演じきっていて、これは役者さんの力量と、練習量、そして演出の優秀さに由来するものでしょう。
 
 二時間半。ちょっと腰が痛くなりましたが、また、後部座席は鉄骨の上に設けられたもので、1人が動いても「横揺れ」が大きくて「もしや崩壊してしまうのでは・・・」と心配してもいましたが、それ以外は、長い時間もあっという間の凝縮されたものとなりました。 ありがとうございました。
 また、代々木八幡に来ます。
 戦争法案も、なんとか廃案にするための勇気ももらったものですし・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笑わせることは大変なこと

2015年05月23日 23時43分46秒 | 素人の劇評
5/23 14:00
「BARに灯ともるころ」ZIPANGU Stage vol.41
萬劇場

題名からして、ハードボイルドのようなものを思い浮かべて入場したのですが、最初のマスターの所作から、「あっ、これはコメディに限りなく近いのだな」と、気持ちを切り替えて観ることにしました。 それなりに楽しめた。しかし、劇団全体の方向性が空回りしているかも。そんな思いを抱きました。 役者さんの熱い思いに裏打ちされた熱演には好感。 しかし、それが空回りしてしまっているように感じました。私の演技に「笑え!」とばかり、客に反復して押しつけるような印象。大きな声と、繰り返す大きな動作、これが笑いを望むための基本の考え方になっているのならば、それは大きな誤解だと思います。淡々とした高度な笑いを研究してほしいと思います。 ストーリーにも、やや不満。後半の展開が安直ではないだろうかと思いました。そんなにうまくいかないよ、そんなに人は変わらないよ、とつぶやきながら観ていました。 BGM、あまり場面とフィットしていないようにも思えましたが、いかがでしょう。 苦言は多いのですが、私なりに楽しく魅せていただきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かけあいのテンポの良さ

2015年02月21日 22時54分23秒 | 素人の劇評
2/21(土)14:00
パセリス第十四回公演 「そういう目で見ないで」
阿佐ヶ谷 シアターシャイン
田中さんと

「死ぬまでにしておきたいこと」以来の「パセリス」さんの観劇です。 今回は、いくつかの劇団の競作?とあって、単純に比較できませんが、今回は、演技というよりも、せりふに重点が置かれているようで、そのテンポの良さ、論理のおもしろさなど、楽しく「聞かせて」もらった感があります。 役者さんも、ほんど噛むことなく、練習してきたなと感じさせる好演をしていたと思いました。 今日は、三作を観劇したのですが、ひとつめはちょっと奇をてらいすぎたかなと。私は最後の「循環」を楽しみました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

表現する者の荘厳さ

2015年02月07日 23時03分56秒 | 素人の劇評
「白墨の輪」 2/7
オペラシアターこんにゃく座 世田谷パブリックシアター
原作 ベルトルト・ブレヒト
台本 広渡常敏
作曲 林光

 この3人。今日の私を作り上げてくれた人だ。

 ブレヒトは、高3のときに長野の学生村で知り合った、東京演劇アンサンブルの研究生のお兄さん、お姉さんに教えてもらった「できないなんてお言い でない」の詩の作者。
 谷川俊太郎の「ネロ」と一緒に教えてもらった。
 どちらも当時、何回も繰り返して覚えたもの。

 林光は、その劇団員さんのおすすめで、東京に帰って、初めて観た劇が、「パリ・コミューン」。音楽を手がけていたのが彼だ。
 そして広渡氏は、その後何度も観ることになる、東京演劇アンサンブルの劇の台本を作っている。

 社会的な正義。
 それを実現することこそ、「生き甲斐」というのではないか、そんな漠然とした指針を与えてくれた3人である。

 今回の劇は、広い坂道全体が舞台
 観客からは、高低があり、見やすいのではあるが役者は、斜めに踏ん張って立ったり歩き回るので、相当きついものだと思う。
 昔と変わらない「新劇風の堅い訳語的なせりふ」には少々違和感はあるのだが、それ以上に、この3人に「出会えた」喜びで、胸がつまりそうになっていた。
 感無量の一語に尽きる。

 ついでに、ミュージカルだけに、役者の表現しているときの表情は、荘厳で素晴らしい限りだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アナログ的な笑い だるま座 矢代静一

2015年01月25日 00時28分57秒 | 素人の劇評
1/24(土)14:00
「誘拐」―誠実にうそをつけ―
劇団だるま座・だるま企画 荻窪 アトリエだるま座

矢代静一氏の劇は、何十年ぶりの観劇となるはずです。たしか大学時代に「労演」の会員として、彼の劇をいくつか観たと思うのですが、いざ、その演目は・・・と考えると、まったく思い出せないのです。 私のイメージとしては、彼は「社会派」のカテゴリーに入っているのですが、Wikidataで調べてみると、プロ野球のヤクルトファンであったり、宝塚を支援していたり紫綬褒章、勲四等旭日小綬章をもらったり、と、けっこう「俗的」(悪い意味で使っているわけではありません。人間くさいというほうが近いかもしれません)だったことに驚いています。 さて劇はとても楽しく見せていただきました。なによりも、しっかりとしたアナログともいってようほどの脚本、個性豊かな俳優陣と、うまいブレンドによって、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。 だるま座の財産は、どのような劇にも対応できる、層の厚い役者陣だと思えました。もちろん、企画力、主宰の熱意などもあるとも思いますが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

100回目の劇評 ライオン・パーマ

2015年01月17日 21時48分24秒 | 素人の劇評
ようやく100本目の劇評となりました。

「男は二度死ぬ その一度目!!~その三~」ライオン・パーマ
1/17(土)14:00 シアターグリーン BOX in BOX THEATER

調べてみると、この劇団は二度目の観劇となります。


ライオン・パーマ 「恋愛漫画~バンカラ編~」
2012年 10/27 14:00の部 王子小劇場

ここでの劇評通り、個性豊かな俳優さんの集まりです。それぞれの持ち味が、うまく融合して、安心して笑い、安心して「キュン」
とすることができました。
「どこに向かっているのかわからない」「安定性こそ心配のタネ」といった懸念も書かれてあり、今回もそれがそのままあてはまりそうです。
しかし、今考えてみると、たった2時間とは言え、観客と喜びや悲しみを共有できることこそ、劇団の至上の目標かな、とも。
それができない劇団の多さからすれば、まずはライオン・パーマは、劇団としての存在価値が厳然としてあるのだということです。
下ネタを極力排除して、役者の個性で、台本のせりふで、笑いや涙を誘う姿勢にも、高い好感度を持ちました。

「また観てみたい劇団」 そんな印象です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりの歴史物を楽しみました

2014年12月07日 20時49分57秒 | 素人の劇評
12/7 13:00の部 「草莽崛起」
劇団宇宙キャンパス 武蔵野芸能劇場 小劇場
田中さんと

この5年間で99本目の観劇となります。そして、久しぶりの歴史物でしたので、それなりの感慨と期待とが混じり合った気持ちで出かけました。 結論から言って、「それなりに面白く観ることができた」。そんな感想です。 幕末という日本の激動期にあって、名もないものに視点を当てたところは、その意気を感じることができ、その思いは劇中の演技にもうまく取り込んでいけたのではないでしょうか。 現代から見れば、当時の武士達の行動や判断は制約があることは当然。その中にあって、必死で生きよう、生き延びようとしている登場人物も、それぞれに個性を持たせて、さまざまな角度から楽しむことができました。 最近、よく「人は2度死ぬ」という言葉を耳にします。肉体が滅んだとき。そして、その人についての記憶を持つ最後の1人が死んだとき。最近、似たようなことを考えていたので、それが鮮明に印象づけられました。 役者さんも、それぞれの個性を生かして、みな好演。 時代ものを敬遠している私にとっては、ちょっと「食べず嫌い」を払拭できた1日となりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

饒舌 人情 そして熱い思い

2014年11月24日 00時39分11秒 | 素人の劇評
11/23 13:00
非シス人-Narcissist-vol.21 「熱海の果てに」つかこうへいに愛を込めて
新宿 サンモールスタジオ

饒舌な劇は、出鼻が肝心で、そこで聞き逃しや見逃しなどがあると、後半が非常にきつくなります。今回も、きっとそういう展開になるのだろうと予想していましたが、予感は的中。必死で、機関銃のように連射される台詞を追う。 おそらくこの時点で、おおよその筋が分からないでいる観客が出るに違いない、そしてそのような劇の展開は、はたしていいものなのかと考えながら。 あえて、と感じた絶叫タイプの台詞も、同じように、はたして成功しているのか、やや疑問に感じていました。(聞き取りにくいという点でも) 演出、構成については、(やや慣れている)私にはじゅうぶん楽しめるものでした。最初のパフォーマンスも、役の転換も、舞台装置も(狭い舞台で、奥行きのある、立体感を出していましたし)、よく工夫しているものだと感心。 役者さんは、それぞれが個性的で、うまく役になりきっていたと思いました。 個人的には、やはり主宰するだけあって、竹下さんが光っていました。なによりも、台詞の表現力が素晴らしい。簡単に言えば「聞きやすさ」「台詞が心に入り込むか」なのですが、それを1番体現していたと思いました。同じ事は、清水さんにも言えます。熱演、その言葉通りの迫真の演技でした。 正直言って、「絶叫型」は、意図的とはいえ、私には効果的であるとは思えませんでした。単純に「聞きづらい」からです。私の後ろの方が、「ああ、今の台詞、よく聞こえなかったよ」と残念がっていました。私もしかり。 総論です。役者さんの熱い思いが伝わってくる、印象的な劇でした。ありがとうございます。前半の煩雑さ、後半の人情劇。こんな単純ではないのでしょうが、前半をもっと「一般受け」させればとも。 意欲的な作品に、今後の飛躍が期待できそうです。 これから見守りつづけていきたい集団だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりに笑ってきました

2014年10月25日 19時17分31秒 | 素人の劇評
10/25(土)14:00 東京ミーコ presents
「コメディライン」 新宿シアター・ミラクル

一口で、面白かったです。 随所に時事問題を入れての展開、これはどちらかというと、中身よりも出演者の演技力によるものだと思ったのですが、間の取り方なども含めて、うまく笑いをとっていました。 私も、久しぶりに、会場にたくさんの笑い声を置いて帰ることができました。 「領土」・・・だけは、少しいただけなかったと不満です。 ザブングルの加藤さんは、さすがにオーラを感じます。 劇団員の1人1人が個性的で、それがまた良いベクトルとなっていたと感じました。 ちなみに私は、杏さんの澄んだ(本当に綺麗な)瞳をずっと見ていました。蛇足ですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下ネタと社会派

2014年10月18日 20時49分57秒 | 素人の劇評
10/18(土)14:00
劇団ダッシュ 「hope ~希望」
大塚 萬劇場

劇団への「見てきた」欄への投稿を引用します

「下ネタと社会派が両立するかしないかは、よく分かりませんが、下ネタの「通俗性」が、はたして「社会派」の劇に生かされているかと考えると、私には疑問です。 下ネタをするなら、徹底してそれに終始すればよかったのにと思いました。 やはり、ハゲ、デフを嘲笑する雰囲気の会場で、「難病を救おう」のメッセージは矛盾します。 役者さんは、みなさん個性的で、下ネタも必要ないとも感じました。 観客のみなさんは、それなりに楽しんでいたし、最後も神妙な表情をしていましたから、きっと興行的には成功だったのかなとも。 みなさん力がある(ありそう)方ばかりでしたので、どんな脚本にも対応できると思いますので、今後の「方向転換」を期待(笑)しています。 ありがとうございます。」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「キスしてほしい」 たしかに笑えたけれど

2014年04月12日 19時22分02秒 | 素人の劇評
4月12日(土)14:00
「キスしてほしい。」劇団 浪漫狂 新宿 紀伊国屋ホール
 劇団に投稿した感想です。

ご招待していただきましたので、しっかりとていねいに感想を書きたいと思います。この劇団の劇を観ることを友人に話したところ、「あっ、いいなあ。ここは有名。老舗よ」という羨むような言葉が返ってきました。よかった。期待していいのだなと、わくわくしながら新宿に向かいました。 さて、鑑賞後の感想です。 たしかに面白かった。しかし、残るものがなかったなあというのが最初の感想です。一言で言えば「雑然としたお笑い」、そんな印象でした。 「生まれてきたからには、一番を目指して」という最後の挨拶の言葉には、熱い思いが伝わってきましたが、今回は空回りしていた感じです。 あちこちと拾い集めたような「笑いのネタ」、漫才コンビのゲスト出演、ちりばめられた人情話、どれをとっても劇団のポリシーや、オリジナルなものとはほど遠いものだったと思いました。 すみません。これが率直な感想です。ただ、救いは、それぞれ劇団員の役者さんの演技の上手さ。個性的な方が多かったことです。 おそらく今回は脚本のせいかなと・・・ 私には初回の劇団ですので、まだ見ていないところも多いはず。次回に期待します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若さという魅力

2014年04月07日 01時34分48秒 | 素人の劇評
4/6(日)12:30の部
「ミーザ 夕日の丘のオルキデラ」ミュージカルシアターヒラソル
かめありリリオホール

前のほうに席をとったせいなのか、開演して10分くらいまで、伴奏の音が役者さんの声を殺してしまって、「運動会」の声以外、ほとんど聞き取れない上京が続き、「これではまったくストーリーすら分からなくなってしまう」と、がっかりしていました。役者さんの声も、緊張もあったのでしょうが、音程が定まっていないところが多く、これから3時間が辛そうだと正直思ってしまいました。 「おっ、なかなかいいじゃない」と考え直したのは、休憩のあとの後半。筋がはっきりとした展開となったことも、役者自身が馴染んできたことも相俟って、フィナーレまで楽しく観ることができました。 演技や歌唱力という点では、まだまだ発展途上だと思いますが、それ以上に役者全員で、真摯に練習に励んできたなということが見て取れるほどの熱演でした。時間が経つにつれ、1つの公演の中での成長。若さゆえのものかなと感激してしまいました。 もしロングで公演を行ったら、きっと初日と千秋楽としでは天と地ほどの差がでるほどすばらしいものになっていたに違いないと感じました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若さ ゆえの不満と希望

2014年03月08日 22時06分50秒 | 素人の劇評
3月8日(土) 14:00-
「CRIMERS」劇団超ダッシ 北池袋 新生館シアター

2時の部に行きました。 「相棒」を彷彿とさせる内容で、それなりに楽しんで観ることができました。 しかし、しかしです。 それが舞台上の演技となると不満が多々残ります。 まず第一に、やはり役者さんの演技力です。台詞をかむのは、このチームが初日であることを差し引いても、残念ですし、ストーリー中心の劇であるためか、奥行きという点で「今一歩」という感じがしました。 第二に、役者さんの年齢構成。みな若く、それだけで「軽さ」を感じさせてしまうものです。客演として、1人でも長老がいたら・・・という思いがしました。 とはいえ、若いというのは、それだけ可能性が無限であるということでもあります。さらなる稽古と成長を望みます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

♪~不思議なラヴ・ストーリー

2014年01月25日 21時58分24秒 | 素人の劇評
1月25日 13:00の部
ミュージカル座 新宿 シアターサンモール

5年間で、約90本の劇を観てきたのですが、涙が頬を伝わって落ちてしまった(!)劇は、おそらく初めてのことです。ストーリーは、歴史上の人物も役に取り込むほどの大味なものだと思いましたが、そしてあり得ない想定だとも思ったのですが、登場人物が前世からの愛に貫かれた展開に、思わず涙してしまいました。楽しく、しかしせつないラブロマンスでした。ミュージカルは久しぶりです。もちろん楽曲がメインとなつてくるのですが、今回は星組のアイリーン役、水野さんの透き通ったような声に魅入ってしまいました。もちろんジム役、姉役・・・周りの好演あってのものです。今年初めての観劇を、すがすがしいものにしていただきました。感謝です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ハンナ・アレント」

2014年01月06日 14時50分02秒 | 素人の劇評
新宿でかろうじて観ることができた。
岩波ホールでの上映では、ことごとく用事が入り、諦めかけていたのだが。

内容は重く、観ている側にも思考を求められるものだ。
アイヒマンの戦争犯罪人としての裁判を傍聴するハンナ。
その記事についての誹謗、中傷、批判がわき起こる。ドキュメンタリーのように展開されていく。

ここからは、私の解釈。

一個人として裁いても、なにも意味はないのだ。(「ない」というのは極論だが、根本ではない)
(これがハンナが誤解された大本だろう)
個人として憎むことも、その残虐な決定、執行も、(たとえ葛藤はあったとしても)すべて歯車のひとつとして
行動したに過ぎない。
したがって、個人を裁いても、それが根本的な解決と言うことはできない。

「日の丸・君が代」を強制する学校現場である。
かりに子ども達が戦場に送られ、死亡することとなったとしたら、国会議員、文部官僚、教育委員会、校長・副校長、主幹
たちの「責任」はどうなのかと思う。
彼らは、アイヒマンのように、「ただ法令にしたがっただけ」と言うに違いない。
もちろん責任はある。
しかし、彼らを追放したところでどうだ。

組織の中での「民主主義」はどう考えたらいいのだろう。
命令と「異議申し立て」の対立をどう矛盾なく解決したらいいのだろう。

すでに、私のいる学校では、卒業式・入学式で斉唱・掲揚されることについて、一言も議論になったことはない。
それだけ民主主義について麻痺した感覚になっている教員の責任はどうなるのか。

考え考え・・・・映画館をあとにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする