息苦しい世の中で 自由に語り合える空間を

自由でも民主でもない この日本を もっともっとよりよく変えていくことができるように たくさんの知恵を語りましょう。

3日まで休みます

2009年12月31日 06時55分55秒 | わたしごと
今日から里帰り、そして老人ホームの伯母に新年のあいさつをしてきます。
そのために、ブログの更新も3日まできません。
どうかご了承ください。
携帯を使っても更新は可能なのですが、茨城県の北部、袋田の滝から、さらに車で30分山奥に入ったところで、ドコモはアンテナ1本、それ以外の携帯では「圏外」となってしまう秘境ですので・・・

みなさん、よいお年を!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年の鬼籍

2009年12月30日 13時15分23秒 | あれこれと
今年もたくさんの方が亡くなりました。当たり前のことですが。

1月 牟田悌三80  
2月 中村又五郎94
3月 花房秀三郎79 遠藤幸雄72 藤間紫85
4月 上坂冬子78 
5月 忌野清志郎58 三木たかし64 中島梓56
6月 三沢光晴46 
7月 土居健郎89 
8月 古橋広之進80 大原麗子62 山城新伍70
9月 庄野潤三88 土井正三67
10月 中川昭一56 加藤和彦62 南田洋子76 三遊亭円楽76
11月 森繁久弥96 田英夫86 水の江滝子94 
12月 平山郁夫79

※他に 長谷川正安 中田直人(どちらも学生時代に啓発された)

考えの相違はありつつも「刺激を受けた」ことには違いないから・・・
合掌

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すてきな詩にひたりませんか 17

2009年12月30日 01時17分05秒 | すてきな詩にひたりませんか
   老い 
        東井義雄

老いは
失われていく過程のことであるけれども
得させてもらう過程でもある
視力はだんだん失われていくが
花がだんだん美しく
不思議に見させてもらえるようになる
聴力はだんだん失われていくが
ものいわぬ花の声が聞こえるようになる
虫の声が聞こえるようになる
みみずの声が聞こえるようになる
体力はどんどん失われていくが
あたりまえのことの
ただごとでなさが
体中にわからせてもらえるようになる


※「失われていく過程」としてではなく、「豊かになる過程」ととらえることで、ずっと楽になる我が老い。そう思いながら生きていきたい。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

またまた石原非常識都知事の放蕩

2009年12月30日 01時05分38秒 | 奇妙な風景
「宿泊した高級ホテルは1泊12万円のスイートルーム、費用の見積もりは大手旅行会社任せ、ガイドの時給が1万6000円―。石原慎太郎東京都知事が2016年オリンピック招致活動の名目で今年6月から10月にかけて4回行った海外出張での浪費ぶりが21日、日本共産党都議団の調査でわかりました。

 吉田信夫幹事長、たぞえ民夫、古館和憲、大島よしえ都議が同日都庁で記者会見し、情報開示請求で入手した資料の分析結果を公表しました。

 調査によると、石原知事は国際オリンピック委員会(IOC)などに東京招致をアピールするため、スイス・ローザンヌ、シンガポール、ドイツ・ベルリン、デンマーク・コペンハーゲンに、特別秘書らを随行し、計1億3046万円を支出しました。

 旅客機はファーストクラスでベルリン往復に240万円、ローザンヌでは五つ星ホテルの豪華客室に宿泊し、上限額の3・7倍の1泊12万2850円、知事特別秘書も同2・9倍の6万2370円を支出。シンガポール出張では、現地日本語ガイドに14時間で22万円を支払いました。4回の出張で現地で借りた高級専用車の代金は総額4270万円でした。

 吉田氏は「公務出張にそぐわない内容や金に糸目をつけないぜいたくの数々が判明した。都が2年前に示した改善策を守るどころか、機材の輸送費など浪費がすすんでいる」と指摘、都と五輪招致委員会の支出を徹底追及したいと語りました。」

22日の「赤旗」の記事です。
もう自由勝手、税金を私物化しているといってもいいでしょう。

こんな都知事の下で働いているかと思うと、情けなくなってきます。
今年の人事委員会の勧告により、私たち公務員は、平均で年17万円減らされたというのに・・・


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やまほど書きたいことが・・・

2009年12月30日 00時43分04秒 | わたしごと
昨日は仕事納め。
今日は、のんびり年賀状を書いていました。
学期末は、通知表の多忙と、風邪を引いたこととで、ブログも休みがち。
たくさん書きたいことがあって、ストレスがたまっていました。
寝る前にどれくらい書くことができるか・・・
今からスタートです。

熱い紅茶と、お気に入りの「ヤスダヨーグルト」、みかん2個、タバコを用意して
がんばりま~す!!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

決断 伯母の家財を処分

2009年12月23日 13時58分08秒 | わたしごと
風邪をひき、熱、鼻水、くしゃみ、頭痛、咽の痛み、節々の痛み、倦怠感と闘いながら、伯母のうちの家財の処分に立ち会っています。
あと四日で96になる伯母が栃木の老人ホームに入所して、持ち込みは最小限にしてほしい依頼を受けての思い切っての処分です。
業者に頼み、トラック二台。30年住んだ家の中は、驚くくらい細々とした宝?の山です。
とりあえず引き出しの中にあった思い出の写真を別にして、あとは勇断の廃棄。
伯母が立ち会っていたら、おそらく、あれも、これもと思い出のものがあるにちがいないのですが、申し訳ない思いで捨てることにしました。外でタバコを吸っていると、通りすがりのたくさんの人から、『え、もしかしてお亡くなりに~?』と尋ねられました。伯母はとにかく元気です。
押し入れから札束が出てくるかもと伯母から冗談まじりに言われましたが、出てきたのは防虫剤の束だけでした。
私もここに毎週土日に買い物をして通いつめました。
心の中にぽっかりと穴が空いたようです。
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

父を思い出すジョーク

2009年12月21日 02時30分32秒 | 思い出を語る
「おい、ウェイター。スープに蝿が入っているぞ!」

「別々にお出ししたほうがよろしかったですか?」


※父は競輪の選手をしていました。私が物心つくころには、全盛期をすでに越えていて、小学校4年生のときに引退。練馬で食堂を始めました。
ちょうど妹が生まれるころ、東京オリンピックの年、「愛と死をみつめて」がベストセラーになった年、「マグマ大使」「パーマン」が始まった年、森進一がデビューした年、新潟に大地震が起きた年、新幹線が開業した年です。
父は、ときどき客の理不尽なクレームに、低い腰で応対していました。鮮明に覚えているのは、客から「おい、このラーメン、蝿がはいっているぞ」と悪態をつかれたときのことです。
父の腕の太さは、当時の私の胴回りと同じ。「あんな客、ぶっとばしてしまえばいいのに」と思っていましたが、父はひたすら謝っていました。
父の「偉さ」が分かったのは、ずっとずっと後のことです。哀しいことに。
それを伝えたいと思ったときには、もうこの世から去っていました。
本当に、哀しいことです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多忙

2009年12月20日 07時38分47秒 | わたしごと
この土日もせっせと通知表作りです。

さっさと済ませて週末を楽しんでいる(であろう)同僚のようにはいかず、ああでもない、こうでもない、もっと褒めてあげる場面はなかったのか、こんなに下げていいのか、教え方の問題ではないのか・・・迷って、なかなか進まないものです。

これから学校へ。がんばります!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こんな見出しはいらない

2009年12月19日 00時29分06秒 | こんなもの いらない
「茨城県土浦市のJR荒川沖駅周辺などで昨年3月、2人が殺害され7人が重軽傷を負った事件で、殺人などの罪に問われた無職金川真大被告(26)に対し、水戸地裁(鈴嶋晋一裁判長)は18日、「無差別連続殺傷で、わが国の犯罪史上まれな凶悪重大事案。死刑願望達成のため他人の生命を奪うという発想は身勝手極まりない」と述べ、求刑通り死刑判決を言い渡した。」

これは、時事通信の記事の最初の部分です。
同じ事件の記事を、東京新聞に求めたところ、夕刊に、

「退場間際に笑み 遺族ら目頭押さえ」という見出しがありました。

起こしたことは、もちろん許されるものではありませんが、この「笑み」と「目頭」とを対比させた見出しは、なんなのでしょう。

私の教え子にも、怒られると「笑み」をもらす子がいます。怒られ下手な子なのですが、この「笑み」は、顔面が引きつってのもの。けして、「ざまあみろ」とか「てやんでえ」といったものではありません。

「笑み」が、心からの笑いなのかどうかは、本人にしかわかりません。

いかにも「極悪」を印象づける表現は、やはり避けるべきでしょう。

東京新聞は、安い上に、論壇とその人選が多彩で、気に入っているだけに、今回はいただけないものでした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とりあえず パチンコATM 銀行撤退へ

2009年12月17日 22時21分56秒 | こんなもの いらない
「客が過大な資金を使う「のめりこみ」被害を広げると批判されているパチンコ店内銀行ATM(現金自動預払機)問題で、事業をすすめているトラストネットワークス社(東京・中央区)と提携している銀行が、パチンコ店内からの撤退の意思を表明したことが16日、本紙の調べで明らかになりました。

トラスト社と提携し、ATMを供与していた関東の地方銀行は、パチンコ店内ATMについて「新規の設置は中止し、既存のATMについても運用を中止しパチンコ店以外の場所に移設するようトラスト社に要請した」と、本紙の問い合わせに答えました。

 その理由は、「さまざまな社会的批判を受けたこと、他の金融機関への影響も配慮して決めた」(同行広報)と説明しています。

 ATMは、金融機関の「出張所」であり、金融機関以外が設置することはできません。トラスト社は、提携する金融機関の協力なしにはATMを設置することも、全国的なATM網を利用することもできません。

 トラスト社は2007年にパチンコ店内ATM設置事業を始めるさい、数十の銀行にたいして提携を提案しました。しかし、これに応じて提携契約にいたった銀行は「3行だけだった」(同社広報)としています。

 今回撤退を決めた地方銀行は、このうちの1行です。他の提携銀行の判断次第では、パチンコ店内ATM設置事業の継続は困難になるものとみられます。」
                    (しんぶん赤旗)

※まだ油断はできないながらも、撤退の第一歩かと・・・
 最近私は確率の高い[一円パチンコ]で,せっせとタバコを稼いでいます。
 だいたい二千円もあれば、三箱くらいの玉がたまります。1カートンと少し、つまりは4000円くらい分のゲットとなるからです。ただし、欲を出すと玉はあっという間になくなりますが。
 パチンコは「辞め際」がむずかしい。勝っているときは「まだまだ出そう」な気がするし、負けているときは「取り戻さなくては・・・」という気持ちになります。それだけに、ATMなど店内にあれば、際限なく引き出す手助けとなってしまいます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千葉の教育が危ない

2009年12月13日 00時21分36秒 | 教育を考える
「森田健作知事は8日、副知事に厚生労働省大臣官房審議官の坂本森男氏(54)、教育委員に日本教育再生機構代表委員の野口芳宏・植草学園大学教授(73)を選任する人事案を県議会に提案した。ともに賛成多数で同意されたが、野口氏をめぐっては、「新しい歴史教科書をつくる会」系の活動歴や著作をもとに、教育の中立性への疑問が出された。

 本会議の質疑で、湯浅和子議員(民主)が選考の手順と過程を質問。森田知事は「経歴や考え方を総合的に判断し、人物本位で選んだ」と答弁した。

 川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)の「マニフェストで掲げた『強く、美しく、元気な心を育てる』の推進を期待しているのか」との問いには、森田知事は「大いに期待している」と述べた。丸山慎一議員(共産)は「野口氏は著作で体罰を奨励、容認している」と指摘し、人事案に反対した。森田知事は本会議終了後、教育委員について「全員賛成は難しい。きちんとやってくださると思っている」と話した。

 県議会は46議案を可決し閉会した。【森有正、倉田陶子】毎日7/10 」

※知らなかった! 野口芳宏氏といえば、「名人」と言われる国語の教師です。(でした)とりわけ教育界に「法則化運動」と言われる、「ハウツー」ものの教育技術の開発運動が流行したときの、旗頭の一人となった人です。
彼の著書はかなり読んでいると思っている私ですが、そしてかなりの影響も受けた私ですが、その指導には「気概で指導せよ」「本気で子どもに向かい合え」といった論調が強く、子どもの権利とか尊厳が希薄であることで、「つかず離れず」の評価をもって臨んだ人でした。
そんな姿勢が、森田知事は気に入ったのでしょう。
彼の教育観、歴史観は、たしかに野口氏と共通しています。
すでに、教育委員会の理事におさまっている八木氏は、さらに上手を行く「ウルトラ右翼」ですから、今後千葉は、「弱肉強食の競争原理の教育」「教員弾圧」「日本の誇りを強調する歴史教育」「道徳の押しつけ」に向かうことは明らかです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇宙にロマンを感じるのは

2009年12月12日 23時38分16秒 | わたしごと
「三大流星群の一つ、ふたご座流星群の活動が13、14日の2夜にわたり活発になる。今年は16日が新月で、月明かりの影響のない好条件。真っ暗の場所では深夜には1時間あたり50個以上、市街地でも5個程度が見られそうだ。国立天文台(東京)は15日朝まで、全国の観察者にインターネットや携帯電話を通じて結果を報告してもらうキャンペーンを実施する。」(毎日新聞」)

※私たちを作っている材料も、宇宙のどこかで生まれた星が爆発し、その「破片」が集まって、また星を生成し、さらにまた滅んでは、宇宙に飛び散り・・・の繰り返しの果てに、ここに寄り集まったものだから、星にロマンを感じるのは、それが私たちの故郷であり、親兄弟であり、先祖であるからなのでしょう。
私が滅び、さらにこの太陽系も終わりを迎える時には、私を形作ったものは、どこに飛んでいくのでしょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

保護者会を終えて

2009年12月10日 23時29分59秒 | わたしごと
今日は保護者会でした。
いつもの半分くらいしか集まらず、少し淋しい会合でした。
学年でまとめて実施したので、閑散といった感じではなかったのですが・・・

6年生の保護者会ですので、内容は三ヶ月後に迫ってきた卒業に関連したものになります。

今年は、PTAからの記念品代で、タイムカプセルを買うことにしました。
あまり大きなものではないのですが、「未来の自分に向けて」の手紙を入れる予定でいます。
まだ開封を十年後か二十年後にするか決めていませんが、こどもたちも親も、わくわくしています。

さて、次は通知表。どうも好きになれない作業の開始です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サルガドはアフリカをどう撮ったのか

2009年12月08日 00時04分32秒 | わたしごと
写真美術館で、今開催されている「サルガド アフリカーーー生きとし生けるものの未来へ」に行く予定です。
13日が楽日ですので、今週中になんとか時間をやりくりしないといけません。

ホームページをたぐってみると、以下のような説明。
「東京都写真美術館では、フォト・ドキュメンタリーの先駆者であり、今もなお精力的に新作を発表し続けているセバスチャン・サルガド(Sebastião Salgado、1944~)の「アフリカ」展を開催いたします。
この展覧会は、かつて経済学を専門としていたセバスチャン・サルガドの視点を通して「見捨てられた大陸」と呼ばれるアフリカの現状に迫るものです。サルガドが初めてアフリカを取材した1970年代から今日に至るまで、世界各国でアフリカの飢餓、砂漠化を救うべくキャンペーンが組まれ、さまざまな計画が実行されてきました。にもかかわらずその状況は一進一退を繰り返しています。度重なる紛争で、さらに悪化する環境を食い止める手段すら見つからない地域がある一方で、経済的発達が見込める都市では一時期、爆発的に経済が発展し、アフリカが保有する資源にも注目が集まっています。格差が広がるばかりのアフリカの現状をどのように理解し、関わっていくかが国際的に問われているのです。
作家は現在、自ら「最後の大プロジェクト」と語るシリーズ「GENESIS(ジェネシス/起源)」に取り組んでいます。このプロジェクトは世界各地、前人未踏の地までも取材し、作品発表だけでなく、教育や植林活動等を通して地球の恵みと人類の歴史を見直そうとするものです。本展覧会では、「ジェネシス」シリーズの最新作も含めた作品群100点を展示します。」

あまり優れた案内文でないような気がしますが、とにかく写真を見て、私の感性と合うものかどうか確かめてきます。


--------------------------------------------------------------------------------

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すてきな詩にひたりませんか 16

2009年12月07日 23時53分02秒 | すてきな詩にひたりませんか
 死のなかに          
   黒田 三郎

死のなかにいると
僕等は数でしかなかった
臭いであり
場所ふさぎであった
死はどこにでもいた
死があちこちにいるなかで
僕等は水を飲み
カードをめくり
えりの汚れたシャツを着て
笑い声を立てたりしていた
死は異様なお客ではなく
仲のよい友人のように
無遠慮に食堂や寝室にやって来た
床には
ときに
食べ散らした魚の骨の散っていることがあった
月の夜に
あしびの花の匂いのすることもあった

戦争が終ったとき
パパイアの木の上には
白い小さい雲が浮いていた
戦いに負けた人間であるという点で
僕等はお互いを軽蔑しきっていた
それでも
戦いに負けた人間であるという点で
僕等はちょっぴりお互いを哀れんでいた
酔漢やペテン師
百姓や錠前屋
偽善者や銀行員
大食いや楽天家
いたわりあったり
いがみあったりして
僕等は故国へ送り返される運命をともにした
引揚船が着いたところで
僕等は
めいめい切り放された運命を
帽子のようにかるがると振って別れた
あいつはペテン師
あいつは百姓
あいつは銀行員

一年はどのようにたったであろうか
そして
二年
ひとりは
昔の仲間を欺いて金をもうけたあげく
酔っぱらって
運河に落ちて
死んだ
ひとりは
乏しいサラリーで妻子を養いながら
五年前の他愛もない傷がもとで
死にかかっている
ひとりは

その
ひとりである僕は
東京の町に生きていて
電車のつり皮にぶら下っている
すべてのつり皮に
僕の知らない男や女がぶら下っている
僕のお袋である元大佐夫人は
故郷で
栄養失調で死にかかっていて
死をなだめすかすためには
僕の二九二〇円では
どうにも足りぬのである
死 死 死
死は金のかかる出来事である
僕の知らない男や女がつり皮にぶら下っているなかで
僕もつり皮にぶら下り
魚の骨の散っている床や
あしびの花の匂いのする夜を思い出すのである
そして
さらに不機嫌になってつり皮にぶら下っているのを
だれも知りはしないのである

※8/6,9,15 12/8 3/10
せめてこの日くらいは平和について深く考える1日でありたい。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする