残り10ページとなり、いったん本を閉じてしまった。
久しぶりの感覚である。
主人公の青年期から晩年(と言うのには無理があるが)までを、たった221ページに収めるには、重く、多彩すぎる内容である。
本の中では、中年の記述が少なく、すぐに「死」を意識する齢となる。それが唯一の不満な点である。
いつも書いていることだが、人の一生をどれだけ重く、また唯一無二のものとして書いてくれるか。私はいつも小説に期待していることである。
その点からすれば、乙川氏の小説は、それを満たしてくれるし、読後に、私の心を重くしてくれもする。
しばらくは、私は「クニオ」として生きていくだろう。
久しぶりの感覚である。
主人公の青年期から晩年(と言うのには無理があるが)までを、たった221ページに収めるには、重く、多彩すぎる内容である。
本の中では、中年の記述が少なく、すぐに「死」を意識する齢となる。それが唯一の不満な点である。
いつも書いていることだが、人の一生をどれだけ重く、また唯一無二のものとして書いてくれるか。私はいつも小説に期待していることである。
その点からすれば、乙川氏の小説は、それを満たしてくれるし、読後に、私の心を重くしてくれもする。
しばらくは、私は「クニオ」として生きていくだろう。