昨日午後、安倍晋三首相が新型コロナウイルス対策として、全国総ての小中高校を3月2日から実質3月いっぱい休校にするよう要請した。幼稚園、保育園、学童保育は除外した。
一昨日、多くの人を集めるイベントなどについて中止または延期を求めたことに次ぐ政府の要請となった。
今回の要請もイベント等と同様、3日前に打ち出した政府の基本方針にはなく、学校現場の混乱が危惧される。
臨時休校については、先に北海道で小中学校全校に1週間程度の臨時休校を決めたが、どうやら政府はこれに誘発されて急遽打ち出したように思える。
また、新型コロナ問題に対する安倍内閣の対応が、国内外から後手、後手に回っていると批判されていることや、このところ内閣支持率が低下しているに危機感を持って、一転このような大胆な方策を打ち出したものと受け止められている。
しかし、いくら何でも全国の小中高校総て休校とは突拍子過ぎる。安倍首相は先の基本方針にない方策をどんな理由で決めたのか、これによる様々な支障に対しどのような対策があるのかは一切触れていない。
確かに、インフルエンザでもそうだが、学校現場で流行性疾病が発生することによる家庭、地域などへの影響は多大だ。従って、新型コロナについても休校した方が安全性を保てることは言うまでもない。
ただ、休校することによるあらゆるリスク対策とパックとなって打ち出されなければならない。
特に一か月にも及ぶ長期の休校は、余りにもリスクが多すぎる。学校の諸計画が狂うことは別としても、職業を持っている保護者への影響、取り分け問題になっているのは、医療現場で働く医師、看護師などが休業した場合の医療への影響は計り知れない。
企業の理解、休暇を取ったことによる賃金保障など様々な問題が発生する。これらへの対策を抜きにただ休めでは余りにも無責任すぎる。
繰り返すが、感染を防ぐための休校の必要性は否定しないが、リスク対策の欠如、全国いっせいの必要性、長期すぎることなど、問題点は山ほどある。
世間から疑念を持たれているように、まさか「政府はこれだけのことをやったぞ」と、今までの悪評を挽回するための手段に用いたとすればとんでもない話だ。「関連:2月27日」