正さん日記

世の中思いにつれて

ロシア大統領が国後島訪問

2010-11-02 12:40:19 | 世界
 菅直人内閣にとっては、また頭の痛い問題が発生した。以前からほのめかしていたロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問したからだ。日中関係が改善されない中でのダブルパンチと言ってよい。
 ロシアが得意の後出しジャンケンで、日中問題に便乗しての嫌がらせとも取れなくはない。ただ、メドベージェフ大統領は、日中問題が起こる前から同島へ訪問する意思を公言していたから、まあ、タイミングを計ったことは間違いなさそうだ。
 
 ロシアの意図は言うまでも無く、北方4島返還拒否のシグナルを送ってきたのだろう。また、メドベージェフ氏が、次期大統領選出馬のための支持拡大を目論んだとの説もある。
 我が国としては、さっそくミハイル・ベール駐日ロシア大使を呼んで抗議するとともに、河野雅治ロシア大使を召還して、具体的な対策を講じるとのことだ。
 また、アメリカのクローリー国務次官補(広報担当)も1日の記者会見で、「北方領土に関する日本の立場を支持する」と明言する一方で、問題の解決に向けた日ロの平和条約交渉を呼びかけた。
 
 日本のマスメジェアは、例の調子で菅内閣の弱腰外交と批判の矢を放っているが、それではロシアに対してどのような強行処置を取ったら良いのかという処方箋を出そうとしない。
 対中国は、曲がりなりにも、「戦略的互恵関係」とやらで、あちらさんも一定の線から踏み出すことは控えているようだが、こと、ロシアになると具体的な対策が取れないのが本当のところだろう。つまり、我が国として有利な状況に持って行ける決め手が無いのだ。
 その証拠に、北方領土問題は、過去に何度も首脳同士が話し合ってはきても、一向に埒が空かないのが実情だ。直近では、小泉純一郎首相時代にプーチン前大統領に対し4島一括返還を要求しているが、それまでは2島返還へ傾いた時期もあったように、紆余曲折を繰り返している。
 
 ロシア側は、北方4島は1島も返したくないのが本音だろう。それに対し日本側は、ロシアが北方領土を返還せざるを得ないような決定的な持ち駒を持っていないところに無念さがある。日中間のような互恵関係が薄いのである。
 メジェアや自民党などが、あたかも菅政権が弱腰外交と言っているが、今までの政権が強腰かと言えばそんなことはない。むしろ、今日までずるずると先送りしてきたから、現政権が苦しむのである。
 新聞などメジェアの論調には、菅政権に対する一種の意図を感じてならない。「関連:2009年7月10日

コメント (1)
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