正さん日記

世の中思いにつれて

恐ろしい国家機密の漏えい

2010-11-11 11:48:05 | 政治
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐるビデオの流出を告白した海上保安官(43)が刑事告発に繋がる国家公務員法守秘義務違反に問われるか否かと言う議論が交錯している。
 守秘義務違反に当たらないという意見の理由は、このビデオの一部が、既に国会議員に見せられているので、もはや機密にはなっていないという考え方だ。一方、守秘義務違反に当たるという考え方では、国会議員には、秘密裏に見せただけで、国家機密になっていることには変わりがないという意見だ。
 
 しかし、この海上保安官が自らの職務で知り得たビデオを流したことは厳然たる事実で、誰もが出きることではない。また、これだけ守秘義務違反に当たるか否かの判断が難しいと言われるものを、自身の判断でかってにネットに流し、それを一定期間隠していたことからも犯罪性は濃厚だ。
 
 何よりも、政府の判断で公開しないと決めていた機密事項(ビデオ)を、一公務員がそれを破って公開したことだけでも大罪に繋がるのではなかろうか。もし、そんなことが許されるのであれば、国家の機密はことごとく公の場にさらされ、政権の運営は不可能になる。国民には知る権利があると言っても、情報の公開が国家の利益に反するものであるならば、当然公開を差し控えなければならない。
 今回のビデオは、野党側から公開をしつこく要求されたが、政府が、中国との交渉に当たり、非公開にすることが我が国の利益になるものと判断して、一部を国会議員に見せただけに止めたものだ。菅直人首相は、国会答弁で、その判断が正しかったか否かは、歴史が証明すると言っている。
 
 そんな政府の苦渋の選択を、執行機関にいる公務員が無視して良い筈がない。鳩山由紀夫前首相が、これはクーデターだと言ったとのことだが、この問題が政権転覆にも繋がりかねないことを考えると、その表現もあながち大げさとも言えない。
 国民の中には、この海上保安官の行為を英雄視する人も多いようだが、一歩立ち止まって、もし、各種国家機密がばればれで、それによって、国民の財産、生命を脅かすことに繋がるとすれば、この海上保安官の違法行為を恐れこそすれ、褒めそやしてはいけない。「関連:11月10日
コメント
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