正さん日記

世の中思いにつれて

APECで横浜ビジョンを採択、重要首脳会談もまずまずの成果か

2010-11-14 06:33:23 | 世界
 尖閣ビデオ流失でがたがたしている国内政治をよそに、ここ1週間の内に韓国でG20、そうして日本の横浜で第15回アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が行われた。
 G20では、為替安競争の自粛を再確認し、貿易額の不均衡是正について、参加国が意思統一をした。しかし、次期G20でその実行状況について検証することを申し合わせたが、それが果たせるか否かについては、疑問符がつけられたようだ。
 
 横浜で行われたAPECについては、議長の役割を担った菅直人首相の見せ場をつくる会議として、いつになく注目された。殊に、このところ領土問題で物議をかもしている中国、ロシアとの首脳会談、ぎくしゃく状態にあると言われている日米首脳会談を挟んで、菅首相のお手並み拝見の場となったが、APECそのものについては、貿易や投資、物流の障壁のない「共同体」として経済統合を目指す首脳宣言「横浜ビジョン」を採択、今日15時から記者会見した菅首相は、その成果を披歴した。
 
 その内容は、経済統合構想「アジア太平洋自由貿易圏(ETAAP)」を目指し、APEC域内の既存の経済的枠組みである((1)アメリカやオーストラリアなど9カ国のTPP,(2)東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日本、中国、韓国)、(3)ASEANプラス6(日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランド)を拡大・発展させるという壮大な方針だ。
 そのため、菅政権としては、環太平洋連携協定(TPP)協議開始の表明をテコに、国内農業の健全な発展のための諸政策を並行して進めていくことになった。
 菅首相は記者会見で、「横浜ビジョンの実現が、アジア・太平洋地域、世界中の人々にさらなる繁栄と福祉の向上をもたらすと確信している」と述べた。
 
 一方、注目の的だった中国胡錦濤国家主席との首脳会談は、ぎりぎりのところで実現し、僅か22分の会談の中で、菅首相は、尖閣諸島については日本の領土であり、日中間には領土問題は存在しないことを主張した。両首脳は、両国間の戦略的互恵関係の維持、進展を目指すことについては合意したとのことだ。
 また、ロシアのメドベージェフ大統領との会談について、菅首相は、同大統領が先に国後島を訪問したことに遺憾の意を示し、北方4島は日本固有の領土であることを主張した。また、両国は経済協力を発展させ、日ロ平和条約の締結に向け、努力することで合意したとのことだ
 アメリカのオバマ大統領との会談では、菅首相は、普天間基地移設問題についての日米合意の履行に向けて努力することを再確認し、日米協力の深化について確認したとのことだ。
 
 このところ、菅政権の外交については、野党の批判の的となり、今回のAPECにおける菅首相の手腕が鵜の目鷹の目で見られていたが、まあ、APEC議長と言う責任ある立場の中で、注目の米中ロとの関係については、最低限、我が国の立場を相手国に認識させることができたのではなかろうか。
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