バラク・オバマ大統領の民主党は、中間選挙の下院で60議席以上失い、これまで最大だった1934年の民主党フランクリン・ルーズベルト大統領時の70議席以上に次ぐ、歴史的な敗北を喫した。大統領選挙2年後に行われる中間選挙は、大統領の通信簿とも言われ、今までも大方、与党が負けるという辛い点数をつけられていたようだが、今回の負け方は、それに輪を掛けた惨敗と言える。
オバマ大統領にとっては、2年後に行われる大統領選挙に再選を目指すことになると思うが、大統領選挙に大きな影響力を持つ、州知事も、かなりの州が共和党に取られたので、戦いが相当苦しくなることは間違い無さそうだ。
今回のオバマ民主党の敗因は、何といってもアメリカの景気が回復されず、失業率が9.6%と高止まっていることにある。オバマ大統領は昨年当初、史上最大の7870億ドル(約64兆円)の景気刺激策を講じたが、これが未だ功を奏せず、税金の無駄使いとの批判を浴びた。また、歴代民主党政権の悲願だった医療保険制度改革を行い、無保険者の縮減を図ったが、これに対し、保守勢力から強烈な反発を受けた。
今回の中間選挙においても、共和党の白人中流層が集まるティーパーティー(茶会)運動が急激に勃興、オバマ大統領のとった医療保険制度改革などについては、アメリカが伝統的に受け入れない社会主義的な政策と批判、大きな政府反対というのろしを上げて、後半の選挙戦を有利に展開した。ただ、共和党の中には、茶会運動については批判的な動きもあったが、選挙戦の流れは変わらなかった。
また、大統領選でオバマ氏のチエンジに共鳴した無党派層が、改革の実現が待てず、共和党に票が流れたことも大きかったようだ。
今回の中間選挙で、下院は野党共和党が多数を占め、上院は民主党がかろうじて過半数を維持したことにより、ねじれ議会になった。オバマ大統領にとっては法案の通過が難しくなったことは確かだが、前任のジョージ・ブッシュ大統領や、その前のビル・クリントン大統領時には、両院ともしばしば野党が過半数占めていた。
しかし、アメリカ大統領の権限は、万一容認できなければ拒否権を行使できるほど強大なものであり、その点、オバマ大統領は何ら臆することはない筈だ。ただ、議会多数を無視することもできないので、自身の政策遂行に制約が加わることは否定できない。
特に、オバマ大統領は、核廃絶、中東政策の融和化、地球温暖化、アフガニスタンからの兵力撤退など、ノーベル平和賞を受けるほど、世界に数多くの穏健なシグナルを送っている。これらが逆行して、前ブッシュ政権のようなアメリカの一国至上主義に回帰することは絶対避けなければならない。「関連:11月3日」
オバマ大統領にとっては、2年後に行われる大統領選挙に再選を目指すことになると思うが、大統領選挙に大きな影響力を持つ、州知事も、かなりの州が共和党に取られたので、戦いが相当苦しくなることは間違い無さそうだ。
今回のオバマ民主党の敗因は、何といってもアメリカの景気が回復されず、失業率が9.6%と高止まっていることにある。オバマ大統領は昨年当初、史上最大の7870億ドル(約64兆円)の景気刺激策を講じたが、これが未だ功を奏せず、税金の無駄使いとの批判を浴びた。また、歴代民主党政権の悲願だった医療保険制度改革を行い、無保険者の縮減を図ったが、これに対し、保守勢力から強烈な反発を受けた。
今回の中間選挙においても、共和党の白人中流層が集まるティーパーティー(茶会)運動が急激に勃興、オバマ大統領のとった医療保険制度改革などについては、アメリカが伝統的に受け入れない社会主義的な政策と批判、大きな政府反対というのろしを上げて、後半の選挙戦を有利に展開した。ただ、共和党の中には、茶会運動については批判的な動きもあったが、選挙戦の流れは変わらなかった。
また、大統領選でオバマ氏のチエンジに共鳴した無党派層が、改革の実現が待てず、共和党に票が流れたことも大きかったようだ。
今回の中間選挙で、下院は野党共和党が多数を占め、上院は民主党がかろうじて過半数を維持したことにより、ねじれ議会になった。オバマ大統領にとっては法案の通過が難しくなったことは確かだが、前任のジョージ・ブッシュ大統領や、その前のビル・クリントン大統領時には、両院ともしばしば野党が過半数占めていた。
しかし、アメリカ大統領の権限は、万一容認できなければ拒否権を行使できるほど強大なものであり、その点、オバマ大統領は何ら臆することはない筈だ。ただ、議会多数を無視することもできないので、自身の政策遂行に制約が加わることは否定できない。
特に、オバマ大統領は、核廃絶、中東政策の融和化、地球温暖化、アフガニスタンからの兵力撤退など、ノーベル平和賞を受けるほど、世界に数多くの穏健なシグナルを送っている。これらが逆行して、前ブッシュ政権のようなアメリカの一国至上主義に回帰することは絶対避けなければならない。「関連:11月3日」